井手山岳会日本支部
第245回:井手山岳会日本支部登山のご報告 produced by H.Tanuma
期日:11月6日(土)〜7日(日)
行き先【那須/三斗小屋温泉&三本槍岳(1,917m)】
コースタイム:
JR東北新幹線「大宮」駅[9:02]〜(なすの251号)〜JR東北新幹線「那須塩原」駅[9:45/10:00]〜(バス)〜ロープウェイ山麓駅[11:15/11:24]〜ロープウェイ山頂駅[11:30/11:40]〜茶臼岳[12:40/13:00]〜牛ヶ首[13:45/13:50]〜峰ノ茶屋[14:10]〜P1[14:40/14:45]〜三斗小屋温泉・煙草屋(泊)[15:10/6:55]〜隠居倉[7:55/8:05]〜熊見曽根分岐[8:35]〜清水平[9:05/9:15]〜三本槍岳[9:50/10:00]〜P2[11:10/11:15]〜P3[12:10/12:15]〜北温泉[12:35/13:10]〜北温泉入口BS[13:35/13:46]〜(バス)〜JR東北新幹線「那須塩原」駅[14:55]
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(提供 Konochan)
「第1日目]
「今年は紅葉を見に那須に行こう!」夏の終わりから三斗小屋温泉行きは決まっていた。でも、人気の宿は10月までいっぱい。11月の6〜7日でやっと予約が取れた。前回(2006年12月16・17日)は「大黒屋」だったが、今回は露天風呂のある「煙草屋」に決定。
空の広い雄大な那須高原は、意外に近かった。大宮から新幹線利用で1時間も経たない間にバスに乗り込み、ロープウェイ利用であっという間に山頂駅へ到着。周りのお客さんは、ハイヒール有り、スカート有りの観光客。山ヤの格好は我々以外ほとんどいない。…ってことは、上に行けば人はほとんどいなくなるのかな?等と期待しながら静かに一歩一歩踏みしめて登る。高度が上がるにつれて、朝日岳や流石山、大倉山などが雄大な姿をアピールしてくる。山頂駅から1時間ほどで茶臼岳山頂へ到着、そこで昼食にした。
その後、いったん下ってから茶臼岳の南を反時計回りに巻いて、牛ヶ首へ。同じ茶臼岳でも表と裏でずいぶん山容が違う。牛ヶ首から見上げた火口は、溶岩の柱の周りが崩れ去り、柱状節理がむき出しでそそり立っている。その風貌は、尾瀬の景鶴山を彷彿とさせる。岩肌に上がる噴煙は硫黄の臭いとともに真っ白な湯気を吹き上げている。足下のごろごろゴツゴツした岩の道を歩きながら「岩好き」の菊丸はルンルンうきうきしている様子。後ろの方でタマちゃんの笑っている声が響く。タマちゃんの笑い声や悲鳴(?)を聞きながら歩くと「井手山岳会の山行だなー」って感じがする。地熱で熱く、草一つ生えぬような荒々しい岩場を進んで、峰の茶屋の分岐から三斗小屋温泉を目指して斜めに緩く下っていく。火山の荒れ地を抜けて、樹林帯に入った。下は笹、頭上はダケカンバだ。ダケカンバの林立する真っ白な樹皮の森も那須ならではの風景なのだな、と思う。ところどころに黄葉した落葉松が残っているものの、山肌のほとんどを覆い尽くすダケカンバはすっかり葉を落として冬の様相だ。峰の茶屋から1時間ほど、3時過ぎに三斗小屋温泉に着いた。
三斗小屋温泉「煙草屋」の売りは「露天風呂」。早速3時から4時半の女性専用タイムを利用して露天風呂を楽しんだ。若い女性も多く、みんな缶ビールを飲みながら入っている。「しまった、私たちも持ってくればよかったね。」とアヒルと菊丸。ほろ酔い気分がそうさせるのか、燧ヶ岳や会津駒ヶ岳がシルエットに浮かぶ夕映えの美しい風景がそうさせるのかわからないけれど、煙草屋の露天風呂は人の気持ちを解放させる働きがあるようで、若い女性たちみんな、胸も前も隠さず「見えたって別にいいじゃないの!」とか何とか大声で笑いながら、すっ裸で湯船の縁に腰掛けている。どう見ても、隣の大黒屋旅館の二階からこちらが丸見えだと思うのだが、全員、全く気にしていない様子。でも、絶景を前にした露天風呂は本当に気持ちがよかった。
夕食については、副隊長曰く、「以前よりは良くなったようだね。」でも「旅館」と名が付いても浴衣も歯ブラシも無いし、部屋にコタツも無いしでは「山小屋と同じカナ〜。」夕食後に部屋で酒盛りをしていてもどうも薄ら寒くて体を温めたくなる。持参のキッシュや煮豆やイチジクのコンポートなどがそろい、ワインやウイスキーが並んで飲んでいても…だ。結局、「みんなでお風呂に入って温まってこよう!」ということになり、冷えた体をお湯に沈めた。漆黒の闇に満天の星だけ。しかも今宵は新月ときている。昼間は少し雲があったのに嘘のように晴れ渡ってきた。「こんなに美しい天の川や流れ星を見たのは初めて!」と、アヒルちゃんは感激!暑がりやの副隊長が2回も温泉に入り、冷え性の菊丸はしっかり芯まで温まり、隊長とタマちゃんは湯あたりするほど長湯して、みんな満足でぐっすり眠りについたのだった。
後日、吉祥寺の山幸のおじさんが「煙草屋の露天風呂に入ったんですか?あそこには、何かが出るっていう噂がありますよ。」と言っていた。誰かが一人多く入っていたり、さっき足がさわった人が振り返るといなかったり…?というのだ。そうか、菊丸が「ドボン!!」と湯船に落っこちたのも何かが菊丸の手を引っ張ったのかな?それともただ菊丸がおっちょこちょいなだけか…?(笑)ちょっと謎めいてちょっと色っぽい煙草屋の露天風呂には、また入ってみたくなる不思議な妖気が漂っているのかもしれない。
[第2日目]
満天の星空の宵が明けた朝は、手すりも下草も霜で真っ白だった。菊丸は朝一でまた露天風呂に入り、ほかほか体を温めてきていた。今日は北温泉まで早めに下りたいから朝食をおにぎりにしてもらったが、夕べの湯あたりもあってか、予定の起床時刻5時になってもまだ皆、深い寝息をたてていた。6時過ぎに起床、7時前に煙草屋を後にして隠居倉を目指す。硫黄のにおいの立ちこめていた源泉の湯気がずいぶん下の方になると、景色はどんどん開けてくる。どてっとした茶臼岳から荒々しい朝日岳、柔和な三本槍岳を初め、360度展望の隠居倉。そこから熊見曽根の尾根を通り、清水平に下りていく。清水平は「高層湿原が最後に乾ききるちょっと前」みたいな草原で、一部ぬかるんでいて道が深くえぐれている。玉川上水のローム層が丸く土管状にえぐれるのに似ている。厚い火山灰の層だからかな、と思う。
1856m峰の分岐を過ぎてから鞍部に向かって少し下ってから、三本槍に登り返す。ここは三国の境。昔、会津藩、白河藩、大田原藩がそれぞれ山頂に槍を立て、境界を確認したことからこの名前になったのだそうだ。三本槍岳は那須岳最高峰だけあって人気の山らしく、思ったよりも山頂は混んでいた。頂上から朝日岳と反対の北側に見える旭岳もこれまたピラミダルで凛とした山だ。朝日が当たってモルゲンロートに輝く二つのあさひ岳(朝日と旭)はさぞ美しかろうと、思った。
また1856m峰(北温泉分岐)に戻り、そこから雄大な「中の大倉尾根」を晴れ晴れとした気分で下る。この中の大倉尾根が結構長いのだが、空は広く眺めもよく、下りていて飽きることはなかった。ただ正直言って、ぬかるみの道を整備するためか必要以上の階段や蛇篭がちょっと歩きにくかったなあ。
スキー場の分岐点から尾根をはずれ、沢沿いの遊歩道のような樹林帯に入る。山毛欅やダケカンバの紅葉が、下に下りるほど美しくなっていき、見事な紅葉の谷間に着いたと思ったらそこが北温泉だった。落ち着いた古いたたずまいの北温泉旅館。ここの檜風呂からながめる紅葉は最高だった。いつかきっとここで泊まりたい!!と、菊丸は宿のしおりをもらってみんなに配っていた。
すばらしい眺めの後は、バス停まで25分の登りが玉にきずだった。せっかく汗を流したのに、またひと汗か…と思わなくもなかったが、まあ、いいや、汗かかないようにゆっくり歩こう!なんて思いながらビールを飲み飲み歩いた。バスに乗車、那須塩原駅からは新幹線経由で一気に大宮まで。ビールを飲んだ以外は朝から湯も沸かさず、ずっと行動食のつまみ食いばかりで来てしまったので、「がっつり餃子と、こってりラーメンが食べた〜い!!」という隊長のリクエストにより、本日は大宮なのに珍しく「いずみや」には寄らず、「来来軒」でがっつり中華で楽しく打ち上げしたのだった。(Konochan)
参加者:隊長、副隊長、タマちゃん、このちゃん、菊丸、アヒルちゃん
天候:概ね晴時々曇
実働時間: 1日目:3時間、2日目:5時間
合 計:8時間00分
今回の累積登高差:1,456m(666m+790m)
今回の踏破距離:17.6km(一日目6.7km 二日目10.9km))
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