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井手山岳会日本支部 p121222
第283回:いぃDay!山岳会日本支部登山のご報告 2012年12月22日(土)〜23日(日) 行き先【山中湖東*<1日目>山伏峠〜鉄砲木ノ頭 <2日目>杓子岳 】 コースタイム: 〈2日目〉 エクシブ山中湖[7:50]〜タクシー〜平野バス停[8:02]〜富士山駅[8:52] 〜待合室〜タクシー〜二十曲峠[10:05]〜加瀬山頂[10:53] 〜立ノ塚峠[11:10]〜子ノ神[12:32]〜鹿留山頂[12:39]〜子ノ神[13:00]〜杓子山頂[13:27/14:00]〜大権首峠[14:25]〜ゲート[14:58]〜不動湯[15:20]〜タクシー〜葭池温泉前駅[16:10]〜葭池温泉〜葭池温泉前駅[17:28](大月行)
〈1日目〉 最初は御正体山に行こうか〜ということで、副隊長に打診すると、「御正体では日が暮れてしまって無理、鉄砲木の頭にしましょう。」という返事だった。ん〜、なんとかの頭?山中湖の東側にあるらしいが、どこの山だかよくわからない・・・。副隊長のセレクトだから、きっと良い山に違いない。とにかく付いていこう!こんな感じで1日目が始まった。 今日のメンバー: 副隊長、このちゃん、ひろちゃん、なおちゃん 二十曲峠でタクシーを降りる。加瀬山を経由し立ノ塚(たちんづか)峠まで、雑木林の中のなだらかな尾根道が続く。立ノ塚峠を過ぎて高度を上げていくと、いつの間にか周りの木々の枝が真っ白になっていた。昨夜の雨はこの辺りでは雪だったようだ。さらに登って行くと、木々の枝に厚く霧氷がくっついている。針葉樹の葉には、細い氷が一列にびっしり並んで付着している。2段重ねに付いているものもあり、まるでエビの尻尾のようだ。尾根から見渡す周りの山々も、真っ白に凍り付いている。朝は重い曇り空だったが、徐々に薄日が差し、明るく晴れて来た。枝に付いた霧氷が陽射しを浴びて、真っ青な空を背景にキラキラ輝いている。私たちが歩く尾根道は、ガラスを散りばめたような木々のトンネルをくぐり抜けていく。 山との出会いも一期一会なのだ。まさに今、この日、この時間に登っていないと、見ることの出来ない光景なのだろう。季節、天気、気温などにより、山も一刻一刻表情を変え、今のこの顔には二度と会えないのだ。富士山を展望できるピークに辿り着いた頃には、ラッキーなことに雲がすっかり消えていた。裾野を長く長く延ばしている富士山の姿が、目に飛び込んで来た。富士山の描く稜線は、何とも雄大で秀麗だと改めて思う。 ここから子ノ神までは急登が続く。日の光を浴びた霧氷が一気に溶けて、パラパラと頭上に落ちてくる。まるで雹でも降っているようだ。所々岩の露出する急斜面を登り詰めると、子ノ神のピークだ。鹿留山頂まで片道10分、往復することにする。何しろ今日の最高点(標高1632メートル)なのだから。木々に囲まれているので、普段なら眺望がなくて面白くないかもしれない。今日は霧氷に覆われた木々が青空に映えて、美しい山頂に変身している。もう12時半過ぎ、お握りやパンをちょっとつまむ。 小さなアップダウンをいくつか過ぎると、杓子山頂だ。さっきは雲一つなかった富士山の頂きに、綿アメのような雲が絡み付いている。見る度に雲の形が刻々と変化していく。山頂の地面はひどくぬかるんでいる。木のテーブルがあったおかげで、かろうじてリュックを下ろし、昼食を取ることができた。一度足を踏むと、泥がごっそり靴底に付いてくるので、むやみに動けない。 杓子山頂からの下りは、ただでさえかなりの急斜面だ。今日はそこがぬかるみになっていて、見るからに滑りそう。しかも靴底には数センチの泥が付着している。滑る地面に滑る靴裏の最悪の組み合わせだ。「転ばぬ先の杖」とストックを頼りに、慎重に慎重に下りる。25分ほどで大権首(おおざす)峠に着き、極度の緊張からやっと解放される。高座(たかざす)山を縦走する予定だったが、高座山からの下りも急なので、縦走は諦めゲートの方に下りることにする。ここからは林道の道、スピードアップして一気に不動湯まで下りる。 ここでタクシーを呼び、待つこと10数分、なぜかやって来たのは、オモチャのような小さな電気自動車。「はあ〜?」、皆で言葉もなく電気自動車を見つめる。可愛いらしい車から大きな運転手さんが降りてきた。確かにタクシーには違いない・・・。5人全員は乗れないので、もう一度タクシーを呼ぶことにする。電気自動車の運転手さん、「せっかく来たのになあ〜」とぼやきながら、帰って行った。1回の充電での走行距離はまだまだ短いらしい。貴重な電力を消費させてしまい、気の毒なことだった。 また待つこと10数分、やっといつものタクシーがやって来た。葭池温泉前駅でタクシーを降りる。クマちゃん、ヒロちゃんはここから電車に乗り、東京へ。副隊長、菊丸、私は駅前にある葭池温泉に立ち寄る。鄙びた味のある雰囲気の建物だ。浴室の引き戸をガラガラっと開けると、「おぉ〜〜!」いきなり脱衣所が現れた。お風呂場と脱衣所を仕切る壁や戸も一切ない。戸を開けたら、そこに浴槽があると言ってもいいくらい。しかも引き戸には、温泉に必ずある「湯」と染め抜かれた暖簾も掛かっていない。女湯が廊下の一番奥にある訳だ・・・。シャワーもなく、プッシュ式のお湯と水の蛇口が二つあるのみ。洗い場は薄ら寒い。急いで飛び込んだ湯船の中は、体が慣れるまでやけに熱かった。しかし、こういうレトロな雰囲気の温泉も風情があって、たまにはいいものだ。 日が落ちた後、黒いシルエットの富士山がまた違った味わいで美しかった。ひっそりとした無人駅から各駅停車に揺られて帰る。窓の外はもう真っ暗だ。レトロな温泉でゆっくり温まった後は、夕闇迫る中の各駅停車が妙に似合っている。 ちなみに後で聞いたら、一足先に帰ったクマちゃんとヒロちゃんは、「特急フジ山号」と「特急かいじ」と、超デラックスな座席にゆったり座り、超リッチな気分で帰ったそうだ。さぞかし、ビールも美味しかったことだろう。鄙びたお座敷で、野沢菜をつまみに飲んだビールも、もちろん美味しかった〜! (by なお)
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