スイセンピークと 嵯峨山のご報告(2013年2月23日(土)) Byりんご




山行前日、このちゃんが風邪でダウン!でもこのちゃんはガスをワタシに託してくれました。くまちゃんの提案で、お昼にお汁粉を食べよう!ということになっていて、くまちゃんお汁粉、このちゃんガス、私しゃぶしゃぶ餅担当だったんです。

当日、快晴!気持ちのいい朝!このちゃんから託された大事なガスを忘れずに、650分最寄りの駅に向かいました。このちゃんの分までお汁粉食べてくるぞ!…じゃない、山を楽しんでくるぞ!

「いいDay!山岳会」デビューから二回、山梨の山が続きましたが、今日のマンマ・ミーアは東へ。

そして先回参加時の10名の大所帯とは打って変わって、くまちゃんと私と二人のパーティー?!です。

目指すは、房総半島の内房寄りにある嵯峨山。館山に近い内房線保田駅からバスで10分の小保田が登山口です。くまちゃんが地元の観光局に聞いてくれたところ、例年1月中旬に満開を迎えるスイセンが今年の寒さで今がピークとのこと!期待大!我らが「いいDay!山岳会」では恐らく珍しい、女子らしい♪コース?!

私が新宿から750分の内房線「さざなみ1号」に乗り込み、くまちゃんは13分後に秋葉原で乗ってくるはず。りんご張り切って735分から並びましたが、電車(自由席)はとても空いていました。くまちゃんも無事合流!今日は「登山」と言うより山に咲く可憐なスイセンを見る期待感!!

そして目的の保田駅に着く7分ほど前。右の車窓に海が広がり…!今日はやはりいつもとは違うぞ。ドキドキ!

保田で下車。ウキウキ気分の私がくまちゃんに提案して、駅のホームから保田駅駅舎を撮影。しかし!この撮影で時間をとったことで保田からのバスにすわれませんでした。帰路だったら疲れていて辛かったかもね。りんご反省!
そして、小保田でバス下車。ますます快晴なり。他にも何人かバスを降りましたよ。



小保田からはまずは林道をなだらかに登ります。周囲には民家が点在して長閑な山里の光景。天気が良くて暖かくて、房総の今日はもう春の気配。…と周囲にちらほらスイセンが現れて!この辺は民家の周囲の傾斜にスイセン畑が続いています。写真を撮りながらくまちゃんの背中を見て進みます。前方に照葉樹と杉に覆われた尾根が見え始め…。

と、登山のルートは人のエリアがいったん絶え、やぶの中に入り山の腹を巻いていきます。右側は傾斜が急で滑り落ちないように気をつけて。先日の雪が日陰には残っているし、日が当たるところはけっこうぬかるんでいて、…絶対、転びたくないぞ!現れたのは、結構高さのある小さな沢に樹の幹を渡しただけの橋。幅がなくて、何本かの細めの樹が平行に渡してあって足場悪し…!「止まらない方がいいよ!」とくまちゃんにアドバイスもらってなるべく?!一気に渡り切り!

気付けば、照葉樹の森の中。尾根に沿って進んでいたよ。

そして「スイセンピーク」への登り口到着!他の登山者の声が私たちのルートではないところから聞こえたりしていたので、くまちゃん隊長はルートを誤ったか、と一時心配したものの大丈夫でした。登り口で休憩〜!わたしはすでに汗をたっぷりかいていて、日陰の休憩が気持ちいい〜。でも、さっきのぬかるみは序の口でした。

スイセンピーク登り口から、一気に登山らしく?!なってきて!尾根に取り付いて直登に近い形なので急斜面が続き、ロープが張ってあります。ロープの使い方をくまちゃんに教えてもらってうれしいりんご。汗止まらないりんご。でも今日は転ばないりんご、であります。やっと尾根に出ると、幅が狭く岩が目立つ稜線。滑ると落ちるぞ、と心して一歩一歩、くまちゃんに教わったように足裏全体で歩きます。

すると、南が開けて、その眼下にスイセンの咲き誇る急斜面が!! くまちゃんと一緒に少し下に降りてスイセン鑑賞!60代くらいのグループが足取り軽やかに過ぎていきました。あのぬかるむ滑りやすい斜面を登ってきたのか…と少しびっくり!

そして、さらに尾根が細くなりさらに岩になったころ、さっきのスイセンの急斜面がスイセンピークだったことが判明!!…で、足場が狭いので私は立ち木に軽くしがみつき、その間にくまちゃんは、ささっともう一度スイセンピークに戻って、写真を撮ってきてくれたのでした。ありがとう、くまちゃん!

因みに待っている私の横を二組の年配のグループが通り過ぎ、3人の方がさり気なく私に「高所恐怖デスか」と的を射た質問をしていきました。


くまちゃんが爽やかに帰ってきて、また二人で少し進むと、嵯峨山山頂!

山頂と言えども、樹木に覆われていて展望はありません。でも山頂の立派な立て看板と一緒に記念撮影。

1154分でお昼時でしたが、もう少し日当たりのよいお弁当場所を目指してさらに北西へと続く尾根を進むと、小さな祠が祀られている日の当たる場所に至り、しかも素晴らしい眺望が!

私たちが立っている稜線の右手には、遠く東京湾と三浦半島が。そして左のはるか彼方には、房総半島の大房岬と思われる岬が。その向こうは館山湾。その向こうに霞んでいるのは大山のある小さな半島の突端、洲崎。

山を登ってきて海を見る!海の広がりも一直線の水平線もいっそう清々しく新鮮に映りました。

ここで、このちゃんのガス、満を持して登場!はい、おなかすいてま〜す。お湯沸かす。どん兵衛とトン汁完成。ああ〜、おいし!くまちゃんが作ってきてくれたお汁粉を温める…。くまちゃんがたくさん作ってきて、捨てるわけにはいかないのでね。このちゃんの分まで二人で山分け。全部ぺろりと平らげましたとも!おいしかった!ごちそうさま!!



さ、素晴らしきエネルギー補給完了で北西へ舵を?!とります。つまり往路は戻らず北へ回るルートで下山です。杉の目立つ森に入ると、トンビの声がけたたましく響き…!。登りの南斜面と違って北斜面なので足元には雪が少し張り付いている模様。溶けたところはぬかるんで右側の急こう配に落ちてしまいそう! 

なので、先日買ったストックの出番!滑らないように細心の注意で降りて行きます。岩と氷が足をすくってきますが、ストックと足を踏みしめて、なんとかなるよ〜。右手に折れて進むと、おや、小さな墓所が。ここにお参りに来る方々は、健脚ですよね…!

さらに進むと茅葺の民家が。大きな家に、おばあさんが一人でお住まい。くまちゃんは以前に先輩とここに来たことがあるらしい。そのくまちゃんの提案で、おばあさんに交渉して少しスイセンをわけてもらうことにしました。

おばあさんから鎌を貸してもらい、早速活きのいいスイセンを求めて民家の周囲を巡ります。鎌でスイセンの根元から刈る刈り方に慣れたころ、抱えきれないほどのスイセンの花束になっていました。こうやってここのスイセンたちは、江戸時代から出荷されていたわけですね。
スイセン狩りに満足しておばあさんのところに戻ると、お持ち帰り用の新聞紙を広げて待っていてくれたおばあさん!スイセンを二つの束に分けてくまちゃんと私のリュックにセットして、おばあさんにありがとう、さよならをしました。


そしてまたもや、ストックの出番。途中から杉林に入ると下るのではなく、ひと登り!トンビの声も右手急こう配滑り落ち可能性もグッと増したけど、くまちゃんも田沼副隊長のようにゆっくり歩いてくれて、丁寧に下山。そして、スイセンピーク登り口の分岐に戻りました!

ここからも往路とは別のルート。20分ほど進むと…おお!素晴らしいスイセンの丘が現れました!見下ろせば左の斜面にも、見上げれば右の斜面にも。ここは今日のスイセンのハイライト!写真をご覧くださいね!

今日は1時台のJRで帰ることも考えましたが、くまちゃんのナイスプラニングでスイセン狩りなどもあり、323分保田発のJRに変更。しかし最後の最後に現れたスイセンの丘の誘惑にまたまた時間をとり、その後は小走り?!で一気に小保田のバス停まで。さらにタクシーで保田駅へ。1510分保田着。あと13分で電車が来るぞ!

ここでりんごがナイスな勘?!でビールを売っているお店を感知し、急いで「電車内宴会セット」を整え乗車!!一路東京へ〜…!
振り返れば、私りんごにとって、決して長閑なスイセン見物だけにとどまらない経験多き登山となりました。楽しかった!!
ご一緒したくまちゃんと、ガス提供してくれたこのちゃんに、ありがとう。(りんご記)