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「いぃDay!」山岳会日本支部


第320回:いぃDay!山岳会日本支部登山のご報告  

2014年1月11日()〜12日(

行き先【信濃川上(南佐久)/男山(1851m)・飯盛山(1643m)】

コースタイム:
1日目:JR東京駅652発〜(JR長野新幹線あさま503)JR佐久平駅[821/830](JR小海線)〜信濃川上駅[9:44/9:50]〜男橋[10:00]〜アイゼン装着[10:45/10:50]P1[11:45/11/50](急登なので右を巻く)[11:59](直登した副隊長と合流)[12:06]〜頂上直下鞍部[13:08/13:12]〜男山[13:40/13:56]〜切通し(アイゼンはずす)[15:36/15:41]〜男橋[16:10/16:15]〜(タクシー)〜ペンション「ドライブ気分」[16:35]()
2
日目:ペンション「ドライブ気分」〜(宿の車で送迎)〜平沢峠[9:10/9:20]〜平沢山分岐[10:10]〜平沢山[10:20/10:25]〜飯盛山[10:40/10:56]〜ロッジ牧詩[11:38/11:50]〜(タクシー)〜天女の湯[12:10/入浴/13:00]〜(タクシー)〜蕎麦処「さと」〜JR清里駅[1401](小海線)JR小渕沢駅[1423/1436](あずさ20)JR立川駅[1611]

トレイルマップ
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〈1日目〉

 
1月合宿の山は男山。東京駅から新幹線で佐久平下車、1時間程で着く。天気は晴れ、碓氷峠の長〜いトンネルを抜けると雪景色が広がっていた。休日朝の佐久平駅はし〜んとしていた。ここで小海線に乗り換える、2両編成のディーゼル列車は蛇行を繰り返して少しづつ登っていく。

とにかく今日は寒さ対策が必要ですいている車中で各々が身支度を始める。目的地の信濃川上駅で下車したのは私達のほかに年配の男女2人連れだけだった。空気は冷たいが風はほとんどないので思った程は寒くない。国道をしばらく歩き千曲川にかかる男橋を渡り、立派な墓石が立ち並ぶ舗装道路をあるくこと20分ほどか、男山登山口の標識が現れる。

歩き出した道は土であったがすぐ凍った雪になりアイゼンを着ける。そのままだらだらとした登りが続くが小さな切通しを越すと積雪がぐんと多くなった。夏道であれば四駆の軽が通れる程の幅広の道で登りが続いていく。雪の上には、うさぎ、きつね、くま?の足跡が点々とついている。登るにつれて雪はその深さを増していき交代でラッセルを開始。我々以外には誰もおらず、雪を踏みしめる音だけが聞こえてくる。

12
00頃にやっと取り付きに辿り着いた。男山1.0kmの案内がある。ここからが急登だ!副隊長はピッケルを準備、そして「ゆっくりね」の指示が出るがどうしても今までと同じペースになってしまう。「もっと、もっとゆっくり歩いて!」の声がかかる。キックステップを繰り返しながらゆっくり、ゆっくり足を上げていく。しばらくして後ろを振り向くと小川 みずがき 金峰の山々が見えるではないか、そして遠くには富士山までも!わあ〜い!頑張らなくては、と自分を励ます。道はますます険しくなっていき、岩がごつごつした急斜面でずるずると滑り落ちてしまった。直登せず林の中を巻いて登りなんとか越えられた。頂上直下、あと30mの木札がある、あとすこし最後の登りだ。一歩一歩安全を確認しながら体を持ち上げる。と・・目の前がさあ〜と開けた。とうとう頂上にたどり着いた。360°の景色、真正面の八ヶ岳は雪雲がかかり見えなかったのが残念だった。ただし、雪交じりの風が強くて長くはいられない、さっと口にものをほおり込み早々に下山する。

下りはもっと慎重に枝をつかみながらそろりそろりとおりる。とにかく転ばないようにしないと・・止まらなくなりそうな急斜面。緊張と集中して降りた。取付きに戻ったのは1400頃だったか、ふ〜と一息つく。あとは午前中にラッセルした跡をたどって行くだけだ。だが、ここからが長かった。行けども行けども、切通しにはたどり着かず、このカーブを曲がれば、あ、違った。またこのカーブを曲がれば・・と何度思ったことか。振り返るとたった今登った男山の鋭い山頂が夕日に照らされて輝いていた。私達、あんなところを登ったのね!といつもの自画自賛。太陽の光が少しずつ弱くなり木々の影があたりを夕闇にしていく。やっと切通しに到着してアイゼンを取り足が軽くなる。

男橋についたのが16:15分でペンションの迎えの車を待つ。今回宿泊したペンションのオーナー夫妻は気さくな方で、奥様はドライフラワーをなさっており、天井という天井すべて(トイレも)にドライフラワーがびっしりと吊り下げられている。オーナーは星が趣味で夜星空観察会に参加、畑まで歩いて星を眺める。月光と雪明りで星はかすんでいたが、その替わりに頂上から見えなかった雪化粧をした八ヶ岳をまっ白い雪原の向こうに見ることができた。明日の青天が期待できそうだ。(ひろ)



〈2日目〉

 奥秩父最奥部の瑞牆山・小川山の裏手、千曲川をはさんだ右岸に鎮座するのが男山と天狗山。それに対して、瑞牆山や金峰山と、赤岳(八ヶ岳最高峰)のちょうど中間にあるのが今日の目的地、飯盛山である。地図をながめるだけでもワクワクしてくる「名峰の展望台」だ。昨日、八ヶ岳の山頂は一日中雲の中だったが、夜から朝にかけて、月明かりでも八ヶ岳がわかるほど晴れ渡り、今朝も雲一つない好天。期待でテンションは上がりまくり。
 ペンションのご主人に平沢峠まで送っていただいた。出がけに女将さんから、ドライフラワーのプレゼント。6人なので6つも。つぶれないようにふんわりとコンビニ袋に入れ、今日の旅の道連れだ。

 平沢峠に付いて車を降りると、ああ、雪化粧の八ヶ岳が「ようこそ!」と私たちを出迎えてくれた。
「この景色で、登る前からすでに満足だね。」副隊長の口元から笑みがこぼれる。ほかのメンバーも言わずもがな。さて、ご主人にお礼を言って別れ、ワクワクとアイゼンを装着し、飯盛山目指して歩き始める。

 昨日登った男山は、地元の小学5〜6年生が遠足で行く山だそうだ。しかし膝まで積もった新雪のラッセルが必要だったため「遠足」とは決して言えない「ガチ雪!」の気分を経験できた。雪のラッセルが必要か否か、また凍っている岩場の状態によって山の難易度は豹変する。本日の目的地飯盛山は、平沢峠から夏道なら1時間で頂上に着けるファミリーハイキングの山。雪はついている、しかし「登山者が多いから、先人がラッセルした後を歩けるといいな…(笑)」と期待する。はたして予想通り、ラッセル跡を拝借しての楽勝ハイクだった。ほどよい気温の低さのため、新雪は締まり「キュッキュッ」と小気味よい音を立てている。アイゼンの重さも気にならないルンルン気分で南東方向に進む。行く手から朝日が射し冬枯れの木漏れ日が気持ちいい。

 スタートして15分ほどで「宮司の滝」への分岐を過ぎる。地図によると40分ほど支尾根を下った先にある滝らしい。 峠から1時間ほどで平沢山に到着。緩やかな丘で、360度眺めは最高。その先の飯盛山は名前の通り、木がなくて、茶碗にしゃもじでペタペタとご飯を盛りつけたような山。雪景色なのでいっそう「白いご飯」そのもの。隊長、なおちゃん、私が平沢山で写真を撮っている間に副隊長、ウッディさん、ひろちゃんはサクサク進んで飯盛山へと下ってから登りかえしていく。後続の私たちも間もなく追いつき、頂上に到着。

 思ったほど風もなく、昨日見えなかった八ヶ岳も勢ぞろいだ。雪がつくと山々の表情はなんと神々しく清々しいことだろう。ぐるり見渡すと八ヶ岳の左には南アルプス、茅ヶ岳(金ヶ岳)と富士山、御坂の山々、奥秩父の山々。かわって八ヶ岳の右には浅間の山々。右端の浅間山から八ツに向かって、黒斑山、篭ノ塔山と連なるが、ひときわ気になるのが一番左端にある湯ノ丸山の尖ったピークだ。かっこいい稜線が見えてしまうと誰が決めたわけでもないのに「行かねばならぬ山」が増える。山登りとは一種の「麻薬中毒」のようなものかもしれない。(解説付きパノラマはこちら

 浅間山の右には武尊山、そして昨日登った男山が、天狗山とセットで見え、さらに右には高登谷山、横尾山と続き、小川山、瑞牆山など奥秩父の山へとつながる。冬の凛とした空気と抜けるような青空のもと、早くも「今年一番の大展望」として年末に振り返る五本指に入るのでは、と確信したすばらしい眺めだった。

 昨日は男山の岩と氷に阻まれて諦めそうになったところを巻いて這い登って登頂でき、嬉しくて隊長副隊長にお礼を言った。そして今日もまた「副隊長ありがとう。こんなにすてきな場所に連れてきてくれて。」

 感動の後はその余韻をまぶたに残したまま、あっという間に下山。清里駅まで歩くのはやめにして平沢集落近くのロッジ牧詩(ぼっか)までタクシーを呼んで天女の湯に入った。つるつるのいいお湯で天女になってから、〆はタクシーで蕎麦処「さと」へ。天ぷらとせいろと日本酒をいただき、清里駅から小海線、あずさと乗り継いで帰路についた。

昨夜はオリーブやチーズ、パンチェッタでワインを堪能したが、あずさの車内では、身欠きにしんとマグロ煮を肴に日本酒をなめる。雪の大展望に酔いしれた夢のような旅だった。(この)

今回の参加者:隊長、副隊長、ウッディーさん、このちゃん、ヒロちゃん、なおちゃん
実働時間:7時間35分 (1日目5時間35分+2日目2時間)
累積登高差(+):1216m (1日目937m + 2日目279m)
踏破距離:15.7km
 (1
日目 11.1km + 2日目 4.6km)
☆ 打ち上げはこんな店 


〜 以下クリックすると大きな写真がご覧になれます 〜

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01 佐久平駅から望む八ヶ岳連峰。今日は雪雲が懸っている。
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02 信濃川上駅に着いた我々を、男山がにゅーっと覗いている。
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03 信濃川上駅から歩き出す。
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04 橋の名前も男橋。
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05 ここが登山口か。
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06 日なたは雪が少ないが・・・。
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07 日かげはたっぷり。
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08 男山がだんだん高くなる。
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09 踏み跡がないので、交代でラッセルをする。
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10 この辺りから急こう配。
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11 隊長が開拓した新ルートを喘ぎながら登る。
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12 山頂に出た。先ず目を向けたのは南アルプス。
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13 こちらは奥秩父連峰。国師ヶ岳、小川山、金峰山、瑞牆山が視認できる。
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14 今回は登れなかった天狗山と甲武信ヶ岳方面。
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15 残念ながら八ヶ岳は雲の中。
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16 なかなか見ることが少ない御座山。
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17 天狗山は迫力がある。
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18 男山山頂にて。
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19 山頂直下は急傾斜で雪が深い。
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20 慎重に下る。
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21 なだらかな場所に戻ってひと安心。
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22 よくぞあんな尖ったところに登りました。
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23 男橋まで戻ってきた。
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24 ペンション「ドライブ気分」のダイニング。
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25 部屋でチーズとサラミとオリーブでワインをやる。
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26 夕食の始まり。
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27 先ずはサラダ。刻みのりがかかっているので和風。
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28 スープ。
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29 鮭のムニエル。ソースはリンゴテイスト。
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30 ポークソテー。
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31 エスプレッソのアイスクリーム。
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32 朝日に輝く八ヶ岳。
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33 7時27分で漸く日の出。
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34 男山もペンション近くからよく見える。
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35 このペンションはドライフラワーだらけ。
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36 この雪原はすべて高原野菜畑。
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37 平沢峠にて。右端は送ってきてくれたペンションオーナー。
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38 飯盛山への道。
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39 このちゃん、隊長に腰に張ったホッカイロを突っ込まれる。
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40 浅間山。
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41 男山と天狗山。その奥に御座山が見えている。
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42 野辺山高原。
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43 今日は南アルプスも神々しい。
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44 ひときわ高く白い北岳と、右端は千両役者甲斐駒ヶ岳。
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45 富士山のアップ。右が茅ヶ岳。富士山の左が曲岳。
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46 気持ちいい登り。
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47 飯盛山、富士山、南アルプス、八ヶ岳までのパノラマ。
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48 八ヶ岳の主峰・赤岳。
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49 平沢山の下り。
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50 八ヶ岳をバックに。
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51 飯盛山と富士山のツーショット。
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52 飯盛山の最後の登り。
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53 今日の八ヶ岳の眺めは最高。
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54 背後の丸っこい山が平沢山。
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55 山頂に着きました。
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56 記念撮影もバックは八ヶ岳。
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57 南から西のパノラマ。
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58 北から東のパノラマ。
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59 八ヶ岳に向かって下る。
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60 平沢集落におりて、タクシーを待つ。
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61 そば処さと。さて何を食うか考え中。
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62 板わさ、冷奴。
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63 揚げなす。
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64 揚げ出し豆腐。
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65 野菜天ぷら盛り合わせ。
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66 出汁巻き卵。
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67 せいろ。
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68 満足して頂けたでしょうか?
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69 小海線にはシゴロクが似合う。
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70 清里駅前からも飯盛山がちょこっと見える。
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71 あずさの中で、酒を注ぐ隊長。
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