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「いぃDay!」山岳会日本支部   


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第378回:いぃDay!山岳会日本支部登山のご報告  

2015年3月21日(

行き先【秩父/秘密の花園(福寿草群生地)

コースタイム:

西武池袋駅[6:15]〜所沢駅[6:43/6:44](特急ちちぶ61号)〜西武秩父駅[7:42/7:43]〜タクシー〜浦山川俣集落[8:05/8:10]〜廃屋[8:50]〜1P[9:15/9:19]〜2P[10:07/10:12]〜福寿草群生地[10:52/11:05]〜独標[11:40]〜大ドッケ[11:50/昼食/12:10]〜61号鉄塔[13:07]〜渓流荘BS[13:40/13:55]〜タクシー〜クラブ湯[14:20/14:55]〜パリ―食堂[15:00]

トレイルマップ
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高度記録
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「知る人ぞ知る」だが実際には結構知られている「秘密の花園」。今日は秩父大ドッケの福寿草自生地を訪ねた。「福寿草を見に行く旅」とは名ばかりの、一日中気が抜けない、緊張の連続の山だった。地図を見てほしい。


@急登で気が抜けないはじめの1km 歩き初めは浦山川沿い、渓流荘バス停付近から、山あいにある細久保集落を目指す。一応道はあるが、のっけから急登で気が抜けない。道の脇は石灰岩やチャートなどの古い堆積岩のようだが、どれも層理面が垂直に近く、そそり立つ崖を形作っている。

A滑落しそうで気が抜けない作業道針葉樹林の中、細久保辺りに着いてみると、そこには集落とは名ばかりの廃屋が2〜3 軒。おそらく上にあるワサビ田の手入れ作業をする人のための小屋だったらしい。
急登は一旦緩むが、そこからは左側の切れおちた作業道のような道が続く。初めは軽トラックでも入れそうな幅があったが、間もなく細まり、斜めに崩れかかっていてうかつに歩けば谷底へ滑落しそうな心細いトレースになる。しかも周りの石や岩は浮石が多く、信頼おけない。前を歩いていたなおちゃんが「う わっ!!」と大声をあげた。なんと斜面を登るときに手をかけようとした岩が、塊ごと自分の方に滑り落ちてきたのだ。危機一髪。
休憩ののち、睡眠不足で安定した歩きにイマイチ自信のもてない私は2番目にしてもらい、左右反対だったスパッツを装着し直し、斜めになった荒れた作業道を慎重に進んだ。周りは広葉樹林帯になってきた。

B ガレて気が抜けない沢と四つ這いしたくなるほどの急斜面 「ここら辺から沢沿いを上がっていくんだったね。」切れおちた作業道の次は沢を登っていく。湿った浮石の上に枯葉がつもった雪解け道で、これまたうかつに歩くと泥と枯葉ごとズルッとずり落ちる。全く今日はほっとできる間の無い緊張の連続だ。踏み外さないよう慎重に足を置く場所を選んで沢を詰める。
沢の水はなくなり、斜面の斜度は増す。まだかまだかと必死にもがいて急斜面を登っていると、彼方に黄色く色づいた草場が見えてきた。人が数人停まっている。あそこが福寿草自生地かしら?はたしてそこは思った通り、福寿草の自生する「秘密の花園」だった。やった〜。
だが、今日は山の上は曇り時々小雨のせいか、花はほとんど開いていない。「時期が早かったのか?」いや、よく見ると閉じているだけのようだ。そうか、たんぽぽや松葉ボタンの花のように、福寿草も晴れていると開いて雨の日や夜にはつぼむのだ。「う〜ん、開いていないと写真を撮ってもイマイチ絵にならないなあ。」
しかし、福寿草の花そのものは、とても可憐で、健気だ。観光地の「福寿草園」で見た、栄養満点の盆栽のような福寿草とは全く違う。栄養不足かもしれないが、その小ぶりな花には逞しい凛とした気品がある。「見られてよかった。」そうよね、あれだけ怖いところをヒヤヒヤしながら登ってきたんだからこれくらいご褒美がないとね。
写真をアップとロングと一通り撮ったら「じゃ、行こう。」と先を急いだ。稜線までは「四つ這いしたいような急斜面」の続き。目指す1315m 独標と、その先の大ドッケは他の登山者が進んでいるよりもっと右なのが地図からわか ったのでトラバース気味に右方向へ登った。いずれにせよ、ハアハア言う急登。

C 独標(1315m 峰)大ドッケと滑りやすい稜線は気が抜けない道。稜線についたら、後は尾根に沿って北北東に進むのみ。ここも気が抜けず、きついアップダウンを滑らないように進む。 独標と大ドッケ付近ではまた氷雨が少し降ってきた。大ドッケで手早く昼ごはんを済ませ、峠ノ尾根方向である東北東の尾根に進む。

D
単調だが滑りやすい下り道峠ノ尾根は、比較的わかりやすい尾根だが下り方は単調。しかし、雪解け後の枯葉の下に木の根や石があると滑るので、ずっと気が抜けないのは変わらない。腰を落とし、木の根や浮石にのらないようにすり足をしながらリズミカルに下る。脛の外側の筋がつりそうになるが、こらえて低姿勢と足の踏ん張りを保つ。
尾根は比較的細いのでわかりやすいが、鹿柵が二重三重にでてくる(地図の矢印)辺りが東南東方向の尾根に入り込みやすいので注意が必要。61号鉄塔のある方向に尾根に沿って進む。左手の尾根に 62号鉄塔が見えてきて、その電線の先が私たちの目指す 61号鉄塔だ、と思いながらころばないように進む。


E
送電線巡視路に入り少しほっとするも、最後はトレースを見失い気が抜けない。61号鉄塔下で小休憩。「ここからは巡視路を通れば少しは楽になるかな。」 と思いきや、初めに登ってきた道との合流点がよくわからず、交錯する作業道に入っていった。まあ、尾根は間違っていないので、このまま東に下りていけば 川俣集落(スタート地点)に戻るだろうということで、適当に下りて行った。
民家とお墓が見えたのでそちらへ向かって進み、お墓の後ろ側から下りた。下界に下りてからは、タクシーで芝桜駅(旧 お花畑駅)近くのクラブ湯(銭湯)に行き、疲れた体をお湯に沈めた。副隊長が「気づいたら、体の2〜3か所にかすり傷があったよ。」と言っていた。私は今日は調子悪かったせいもあって3回くらいすべった。尻もちはつかなくてよかった。この世に戻ってきてからの「パリ食堂」、「駅前」(西武秩父駅前のお店)、所沢に移って「百味」、「東屋」と事情があって4軒も回っちゃった。そちらの詳細は副隊長ブログで。(笑)


<下りてきてから思うこと>
仲間内のSNSコミュニティでのりちゃんが「福寿草リベンジはありますか?」と質問していた。他の福寿草の山には行くかもしれないけれど、「今日の大ドッケには、おそらく2度と行かないだろうな。」というのが本日参加した3人の一致した意見だった。
道が荒れていて危険というだけでなく、バリエーションを楽しむにも、一瞬たりとも気が抜けない上に、変化のある岩場があるわけでもない。新緑や紅葉もその時期にはそれなりの美しさはあるだろうが、あれだけ気の抜けないロングコース往復でしごかれてまで見るほどの価値があるか天秤にかければ、おのずと足は他の山に向かうであろう。
まして、夏の暑い時期にはとんでもないし、雪の時期などめっそうもない。福寿草の咲く期間は一年のうち、ほんの数日。ああ、そう考えると福寿草を見にたくさんの人がその数日間に集中して訪れたとしても、残りの355日以上はこの山に来る人など皆無だろうから、いつまでもあの荒れた登山道はそのままなのだろうな。大ドッケというこの山を思い、ふと「不遇の山」という言葉が頭に浮かんだ。

昭和の居酒屋「東屋」でうまい日本酒をちびりちびりやりながら、副隊長が 「日本中の、一般登山道の整備されていない山は、ほとんど今日みたいな道だよ。あんな山を今日みたいに難なく行って帰ってこられたっていうのは、たいしたもんだと思うよ。」 ぽつりと言った。めったにほめない厳しい師匠に褒められた弟子ってこんな気分なのかな。辛口の十旭日の最後の一口をくいっと空けると、温かいものが胸に沁みこんでいくみたいだった。 (by この) 


今回の参加者:副隊長、このちゃん、なおちゃん
実働時間:4時間50分
累積登高差(+)1079m
踏破距離:8.3km


☆ 銭湯はこんな所 Check!
☆ 打ち上げはこんな店 Check!
☆ 打ち上げ第二弾はこんな店 Check!
☆ 打ち上げ第三弾はこんな店 Check!
打ち上げ第四弾はこんな店  Check!

〜 以下クリックすると大きな写真がご覧になれます 〜

スライドショウの開始
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01 浦山の川俣集落からスタート。
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02 右に上がると細久保集落へ。
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03 九十九折ながらゆったりした、集落の生活道路。
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04 細久保集落の最も外れの家は潰れていた。
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05 集落を越えても道はまだ立派。
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06 このあたりは殆ど水平移動。
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07 鹿柵を越える。
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08 だんだん踏み跡が怪しくなってきた。
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09 大ドッケ方面はまだ高い。
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10 踏み跡は柔らかくて滑り易いところもある。
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11 この辺りは慎重さが必要。
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12 踏み跡はずっと斜面をトラバースする。
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13 ちょっと高度感があるところ。
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14 沢の中を進むようになる。
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15 結構登ってきた。
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16 でもまだ先は長い。
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17 ここはかつてワサビ田だったようだ。
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18 雪が残っていた。
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19 いくら福寿草の為とは云え、けっこう大変な登りである。
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20 これで咲いていなかったら、かなりがっかりするだろう。
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21 今日は晴れの筈だったのだが・・・
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22 雪の上の方が歩き易い。
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23 後ろから二人連れパーティ。
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24 ちょっぴり傾斜が緩くなってきた。
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25 もうひと頑張り。
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26 花園、キター!
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27 ・・・でも満開状態ではない。
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28 福寿草は晴天じゃないと満開にならないのだそうだ。
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29 残念だが、お天道様に文句を云っても始まらない。
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30 取り敢えず撮っておくか。
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31 それにしても・・・
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32 何故、ここだけ・・・
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33 これほどまでに
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34 福寿草がこれほど・・・
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35 群生しているのか・・・
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36 クローズアップ。
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37 クローズアップその2.
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38 斜面のかなり上まで株がある。
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39 福寿草は何を好んでここに群生するのか。
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40 クローズアップその3。
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41 クローズアップその4。
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42 クローズアップその5.
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43 クローズアップその6。
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44 クローズアップその7。
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45 今日(今年)は静かな方かも。
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46 ここにいるのは我々も含め10人程度。
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47 クローズアップその8.
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48 今日が晴れていれば・・・
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49 素晴らしかっただろうに。
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50 撮影に熱中中。
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51 これはクマちゃんの意思表示。
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52 立派なブナが点在している。
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53 1315m点。
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54 ガスってきて眺めどころではない。
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55 ここが大ドッケかと思ったけど違ってました。
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56 こちらが大ドッケ。
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57 取り敢えず証拠写真。
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58 道じゃないところをテキトーに下る。
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59 眺めが良い処に出た。あれが武甲山か。
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60 巨大な鉄塔。
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61 晴れてきた。さて下りますか。
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62 一気に川俣集落へ。
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63 ここを下りてきた。
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64 こんなオブジェがある。
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65 今日はここで汗を流した。
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66 パリー食堂、また来ました。
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67 なおちゃんは見たのも初めて。
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68 入店〜!
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69 ようこそ、パリー食堂へ。
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70 ここもいつか来なきゃね。
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71 普通に人の家ですが・・・。
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72 マンホール取材中。
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73 「駅前」で熊笹茶を賞味。
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74 レッドアロー号で、ちょっとおねむですね。
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75 最後はここで打ち上げの予定が・・・
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76 ここも行っちゃいました。

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