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       「いぃDay!」山岳会日本支部   p150813


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第399回:いぃDay!山岳会日本支部登山のご報告  

2015年8月13日()〜15日(

行き先【北アルプス/針ノ木雪渓〜針ノ木岳(2820.6m)

コースタイム:

〈1日目〉東京駅[6:16](かがやき501号)→長野駅[7:39/7:50](バス)→扇沢[9:35/9:46]→休憩[10:50/10:55]→大沢小屋[11:01]→雪渓・アイゼン装着[11:30/11:42]→休憩[12:27/12:32]→アイゼン外す[12:55/13:00]→休憩[13:25/13:30]→針ノ木小屋[14:00/14:10]→休憩[14:45/14:50]→蓮華岳山頂[15:20]→針ノ木小屋[16:00]

〈2日目〉針ノ木小屋[5:10]→針ノ木岳[6:10/6:15]→スバリ岳[7:00/7:05]→休憩[8:25/8:30]→赤沢岳[8:52/8:55]→休憩[9:05/9:15]→鳴沢岳[10:01]→新越小屋[10:40/11:05]→岩小屋沢岳[11:50/11:55]→休憩[12:50/12:55]→種池小屋[13:20]

〈3日目〉種池小屋発[5:32]→休憩[6:15/6:20]→休憩[7:30/7:35]→柏原新道登山口[8:27](タクシー)→薬師の湯[8:42/10:20]JR信濃大町駅[10:30/10:52]→松本駅[11:47]→蕎麦屋和利館[12:10/13:35]→松本駅[13:47] (あずさ20号)→立川駅[16:11]

トレイルマップ
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高度記録
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〈1日目〉
初めて乗る北陸新幹線であっという間に長野駅に着いた(トイレが広くて綺麗、全席指定、可動ヘッドレスト)。そこからバスで扇沢へ向かう。窓の外は雨が降ったり止んだり。今回の合宿はお天気が心配だ。それでも扇沢到着時には晴れ間が覗いた。ここは黒部ダムへのトロリーバスの発着所でもあり、観光客も多い。立山山行組が先週に利用したばかりだ。

発着所向かって左手から登山口に入る。何度か道路を渡り、歩きにくい岩ごろごろを歩いていると、あれ、なんだか副隊長のペースが速い・・体力に自信がないのでこれでは先が心配と言うと二番手にしてくれた。そのとたんに副隊長が後ろに気を配ってゆっくり歩いてくれて、大変感謝しています。大沢小屋に到着する前には雨が降り出し、雨装備になる。コースタイムより早いペースで、レンタル軽アイゼンが並べてある大沢小屋通過。

初めての雪渓歩きに思いを馳せながら、雪解け水が勢いよく流れる沢音を聞いて登って行くと、ややっ!ガスに煙る雪渓が出現。アイゼンを履き、ストックを出して雪渓に立つ。雪渓の雪は思っていたより固くて、ストックが入ってしまうような事もなく、意外に歩きやすい。しかもひんやりしていて、傾斜がきつくなっても汗だくにならない。鯉のぼりが所々に刺してあって、ガスった幅広の雪渓上の良い道案内となっている。分厚い雪渓の下に水の流れる音を聞いたり、ぽっかり陥没して岩肌が見えている所を見ると、この下もいつ崩れるのか分からないのだなと怖い。

雪渓の幅が狭くなった「のど」を過ぎて、急傾斜をひたすら登っていたら眠くて仕方ない時があった。(この後の蓮華岳の時も眠くなった)こんな経験初めてであったが、軽い高山病になっていたのだろうか。途中振り返ると雲が切れて、明日歩く稜線上に種池山荘が見えた。行く手もガスが晴れてきた。V字に切れた谷の先を見上げて、青空だったらどんなに気持ち良かろうと空想する。雨は上がり、思っていたより短時間で雪渓歩きは終わった。もうひとふんばりで針ノ木小屋だ。針ノ木峠が見え始めてからも結構きつかったが、結果早めの到着となり、荷物をデポして蓮華岳に向かうこととなった。

明日行くより今日でしょ!しかし足の調子が心配な隊長は残ると言う・・女子は誰も残ると言わない・・調子が悪いと言っていた人が頑張ると言っているのだから、ここで折れる訳にはいかぬ・・と女の意地で全員蓮華岳へ向かう。足は攣るし、体は重く、また眠気が襲ってきた。みんな結構無理して頑張って登った。賽の河原のようなガレ場が現れると、そこには待望のコマクサが咲いていた。辛い時のお花はご褒美。元気を与えてくれる。写真を撮って水飲み休憩をしている間に副隊長は一人どんどん先へ行ってしまった。急登ではないが、小山を越えてもまたその先があり、なかなか頂上に着かない。また雨が降ってきた。周りの眺望は無し。頂上では、待ちくたびれた副隊長の体が冷え切ってしまった頃にやっと女子隊到着。写真を撮ってすぐに下山にかかる。私は休憩無しで下山がきつくて、足が前に進まない。先頭集団に追いつけずどんどん離れてしまった。このちゃんが後ろに付いてくれて、また、副隊長には戻ってきてもらい、申し訳ありませんでした。ありがとうございました。

皆の頑張りに付いて行き、なんとか蓮華岳も往復することができた。針ノ木小屋では濡れた衣服をストーブが焚いてある乾燥室で乾かせたのは良かった。会計の私がくたびれ果ててノロノロとやっているので、なおちゃんに集金等お世話になり、ありがとうございました。小屋は空いていて、個室を与えられ、しかも布団に余裕があって快適であった。

今回の山行中、終始副隊長は気を配り、遅れがちになったり、苦手な場面になったりする者を二番手に交替させ、上手に全員のペースを保ってくれていた。ありがとうございました。副隊長の教え: 体調が悪くなったらちゃんと報告。前の人とは2m空けよう。 (by あひる)

〈2日目〉
 夜中目覚めたら、窓をたたきつける雨音がした。夜のうちにやむことを祈って再び眠りについた。そんな願いもむなしく朝もまさかの雨が降り続いていた。(このまま予定通り、稜線歩きをするのだろうか???)暗がりの中で、前日に小屋で用意してもらったおにぎりを慌ただしくなんとか胃の中に押し込み、出発の準備をした。

雨は小降りになり、途中好天することを願いつつ5時過ぎに針ノ木小屋を出発。針ノ木岳を目指した。岩が転がった急な斜面を登ること1時間で山頂に着いた。晴れていれば、立山連峰を始めとするすばらしい眺めが望めるはずだったが、雲間からわずかに黒部湖が顔をのぞかせているだけであった。

岩の急斜面を下り、再び岩稜を黙々と登る。天気は相変わらず小雨混じり。スバリ岳山頂到着。5分後、岩の多い急な斜面をジグザグに下っていく。時折、足の置き場に困り、ためらっているとすぐに副隊長との間が空いてしまう。ハイマツに囲まれた平坦な道を行くと、猿の親子達に出会った。マツの若い実を食べているらしい。その後も、時折アップダウンを繰り返し、ひたすら黙々と歩き続ける。「滑落注意」の看板の後の岩の斜面を緊張しながら通り過ぎる。

9時近く、ようやく赤沢岳に到着。雲に覆われ、眺めはなし。再び下り。雨は降ったりやんだりの繰り返し。目の前だけを見つめながら歩いていると、だんだん気持ちも滅入ってくる。皆の言葉数も少ない。途中、長めの休憩を挟み、再び登る。鳴沢岳到着。

再び徐々に下っていくこと30分。森林を通り過ぎ、花畑が広がり始めた。ハクサンフウロ、ゴセンタチバナ、クルマユリ、ウサギギクなど色とりどりの花々が出迎えてくれる中、ようやく新越山荘に到着した。小屋でしばしほっとひと息。既に4つのピークを過ぎていたので、「もう大きなピークはないだろう。」と、勝手に思い込んでいたのだが、副隊長の「まだまだあるよ。」のひと言に甘い期待感が吹き飛び、気持ちを奮い立たせるのがやっとだった。せめて天気が良ければ、こんなに落ち込むこともないだろうに・・・。雨はやはり、やむ気配がない。

小屋を後にして、再び緩いピークを越え、岩小屋沢岳に到着。北アルプス初心者の自分にとって、その頃には「苦行」の言葉しか頭に浮かんでいなかった。途中、小休憩を挟み、緩いアップダウンを繰り返し、長い坂を登り切るとようやく種池山荘にたどり着くことができた。

ほぼ雨の中、繰り返すアップダウンを、何の眺めもなくひたすら黙々と歩き続けた7時間だったが、たどり着いたときは、なぜか疲労感よりも安堵感と達成感でいっぱいだった。2時前から飲み始めたビールのおいしかったこと。

夕刻、雨がやみ、徐々に周りの山々が見え始めた。せめて明日の晴天に期待しよう。

〈3日目〉
 4時起床。外に出るとやや肌寒いが晴天。爺ヶ岳がくっきり見え、空にはオリオン座。麓の大町の灯りも見えた。小屋の前には一昨日登った針ノ木雪渓、蓮華岳、昨日歩いた稜線の眺めがみごとに広がっていた。朝食前に花畑の中を爺ヶ岳の山道入り口まで行くと、鹿島槍ヶ岳が姿を現した。遠く立山や剣岳も顔を出し始めている。

 今日は見事な晴天、「この晴天が昨日だったらさぞ素晴らしい眺めを堪能できたことだろう。」と思いつつ、目の前に広がる眺望に別れを告げ、5:30種池小屋を後にした。

 途中休憩をしながら3時間、整備された柏原新道をひたすら下る。青空の下に広がる稜線を横目で眺めながらの下山だった。皆、今日は昨日とうって変わって明るく、会話も弾んでいた。「あそこを昨日歩いたんだね。」私たちへのせめてものご褒美だった。

 途中、新道を登る多くの登山客に出会った。「今日は、いい天気。素晴らしい眺めが待っているよ。頑張って。」そんな気持ちで挨拶の言葉を繰り返した。

 3日間の北アルプス山行。隊長・副隊長のリーダーシップと皆のチームワークのお陰で無事、下山することができた。扇沢からのタクシーの中、「いつかリベンジしたい。」そんな思いが沸々と湧いてきた。  (by のり)

今回の参加者:隊長、副隊長、このちゃん、くまちゃん、アヒルちゃん、のりちゃん、ひろちゃん、のんちゃん、なおちゃん
実働時間:〈1日目〉4時間32分 〈2日目〉7時間7分 〈3日目〉3時間 〈合計〉14時間39分
累積登高差(+): 2783m  (1日目1570m + 2日目1115m + 3日目 98m)
踏破距離: 24.1km  (1日目24.1km + 2日目10.4km + 3日目5.0km)
☆ 1日目に宿泊したのはこんな小屋 Check!
☆ 2日目に宿泊したのはこんな小屋 Check!
☆ 日帰り温泉はこんな所  Check!
☆ 打ち上げはこんな店 Check!
☆ 帰りに乗ったのはこんな電車 Check!
☆ 打ち上げ第二弾はこんな店 Check!


〜 以下クリックすると大きな写真がご覧になれます 〜

スライドショウの開始
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<1日目> 1. 扇沢を出発。
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2. 舗装道路を何度か突っ切って登山道がのびる。
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3. ガレ場を渡っていく。
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4. キヌガサソウの群生。
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5. 大沢小屋に早めに着いた。
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6. 雪解け水の流れる音を聞きながら登る。
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7. 雪渓が見えてきた。
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8. 右手はニッコウキスゲの花畑。
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9. こいのぼりの印に沿って道は雪渓の上へ続く。
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10. 雪解けした後にはシラネアオイの花とコゴミ。
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11. アイゼンを装着。
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12. 準備はいいね。
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13. さあ、涼しい風を楽しんで雪渓を登るぞ。
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14. 太陽が出ていないので、隊長の手には寒すぎる?
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15. こんなに割れているところもある。
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16. 急登を黙々と登る。
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17. 少しガスが晴れてきた。
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18. 後ろはまだガス。
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19. 右のマヤクボ沢に入り込まないように…って、こんなにとけてるから迷わないね。
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20. ふり返れば、ガスが少し晴れてきた。
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21. アイゼンを外してもうひと登り。
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22. 針ノ木峠に着いた。ミヤマキンポウゲがお出迎え。
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23. これが今宵の宿、針ノ木小屋。
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24. 南側は北葛岳、船窪岳、烏帽子岳方面。
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25. 不要な荷物をデポして、蓮華岳にいざ出発。
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26. 針ノ木峠をはさんで向こう側に、針ノ木岳が見えてきた。
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27. 蓮華岳はあのガスの彼方。
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28. 初めの200mの登りがきつかった。
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29. ゼイゼイ。みんな無言。
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30. 水のみ休憩をお願いした時、足元のコマクサにほっとする。
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31. 高山植物の女王コマクサ。
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32. 蓮華岳は花畑の山。これはチングルマの花穂。
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33. ヒダカミセバヤの仲間?
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34. ユキノシタの仲間?
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35. タカネツメクサ。赤いのはヨツバシオガマ。
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36. 体が冷えぬよう止まらずに歩く。だが、この速さで精一杯。
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37. やっと着いた、頂上だ。副隊長、10分も待たせてすみません。
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38. 小さな社がある。
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39. タッチダウンですぐ引き返す。
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40. 1日目の夕食。
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<2日目>41. 雨が小降りになるのを待って、針ノ木小屋を出発。
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42. のっけから急登。
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43. さあ、あれが頂上だ。
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44. 針ノ木岳頂上の証拠写真。本日の最高地点。
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45. スバリ岳目指して急下降していく。
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46. 慎重に下るが、崖下はガスで見えない。
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47. 写真46.と同じ場所。ガスっていなければ眼下に黒部湖が見えた。(5年前)
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48. 下りの後は激しく登って…。
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49. スバリ岳に到着。まだみんな元気。
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50. スバリから次のピーク赤沢岳目指して急下降。
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51. 雄大な稜線を大下り。
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52. 登山道は登り優先。向こうからやってきた単独行氏を先に通す。
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53. 先ほどの単独行氏が登っていくスバリ岳。
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54. 猿の親子と遭遇。
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55. やっと赤沢岳に着いた。
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56. 赤沢から1時間で…
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57. 鳴沢岳に到着。
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58. 鳴沢岳からあと30分で新越山荘だ。一気に行くよ。
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59. お花畑の中、新越山荘が見えてきた!
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60. ここで水の補給。
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61. 岩小屋沢岳山頂に着いた。種池山荘まであと一息だ。
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62. 5年前は2532m峰の東側でこんな剱&立山を見たが…今回は雨足が強くなり、この間の写真は無し。
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63. 種池山荘に着き、雨はじきに上がった。爺ヶ岳が見えてきて嬉しい!
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64. 蓮華岳が見えてきたが、針ノ木岳の稜線は今だガスの中。
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65. あの雪渓を昨日登ってきたんだね。しみじみと見る。
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66. 本日の夕食。
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<3日目> 67. 爺ヶ岳の夜明け。
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68. 蓮華岳・ 針ノ木岳・スバリ岳もおはよう!
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69. 反対側は神々しい鹿島槍ヶ岳。
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70. 種池小屋の向こうに立山
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71. その右に剱岳も見えてきた。
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72. 1年前は爺ヶ岳へ登る途中、こんな風に見えた。
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73. 今朝の朝食。
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74. 爺ヶ岳の稜線の右には美しい雲海。
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75. 朝焼けの針ノ木岳と蓮華岳の間には水晶岳(黒岳)。
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76. 晴れ晴れとした空の下、出発。
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77. 南アルプスや浅間山方面も見えてきた。
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78. 後ろ髪をひかれる思いで種池を後にする。
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79. ガレた沢を通過。
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80. 去年はこうだった。今年は雪解けが早かったのだなぁ。
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81. 「この天気が昨日だったならなぁ。」という声が上がる。
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82. 蓮華、針ノ木、スバリ、赤沢…と昨日歩いた稜線をずっと見ながら下る。もう扇沢が見えてきた。
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83. お疲れ様でした。登山口に到着。
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84. 登山口に呼んでいたタクシーに乗って大町温泉郷の薬師の湯へ。タクシーでもらった割引券により、700円⇒500円で入浴。
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85. 薬師の湯の休憩室より。クマちゃん、また絵を描いてみせて。
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86. 種池から烏帽子まで歩き七倉温泉に下りていたウッディさんと合流して松本で打ち上げ。


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