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井手山岳会日本支部

   


第240回:井手山岳会日本支部登山のご報告
  produced by H.Tanuma 

期日:2010年7月17日()

行き先【中央線沿線*甚乃函山(810m)南東尾根

 

コースタイム:

JR中央線「上野原」駅[830]〜神野下村BS[905910]P1[940945]P2[10101015]P3[10351040]〜三本杉山[11051110](30分程コースアウト)P4[12051210]〜甚之函山[12201240]〜大地峠[1249]〜新大地峠[1258]P5[13051310]〜御座ノ松跡[1332]P6[13501355]JR中央線「四方津」駅[14401452]〜JR中央線「高尾」駅(801)〜「上野原」駅(825828)(バス)〜神野下村BS〜三本杉山(725m)〜甚之函山〜新大地峠

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(提供 Konochan

このコースを企画したとき(決行日のほぼ5日前)にはまさか当日梅雨明けするとは想定していなかった。もし予想できていれば、タクシーなどを奮発してでももっと高い山に(例えば湯の沢峠や大峠あたりまで)行くつもりになっていたかも知れない。やっぱり誰が何と言おうと、夏は時折吹き抜ける涼風に癒されつつ稜線を漫歩するか、沢で水浴びする方が良いにきまっているのだ。

残念ながら今回は、天気が悪いことを前提にして、当然眺めなどは期待できない山で、かつ隊長から、「翌日は仕事なので軽めに」というリクエストを念頭に置きつつ、中央線沿線で比較的楽にアプローチができるところをカシミールの画面を見ながら探していた次第。さらに、菊丸から「今回はヤブありでしょうか?」などと問い合わせ(≒要望)がくると、もちろんそれも考慮に入れることになる。ことほどさように色々な条件をつけていくと、やがて候補は自ずと絞られていくのだが、とは言っても選択肢は最後まで複数残ることがある。今回も、同じく上野原駅からアプローチする山で、四方津駅の北方にある「甲東不老山」(839.4m)にもチャンスはあった(どちらにしても夏向きの山ではない)。最終的に、何の因果でこの山(甚之函山)に決めたのかは、自分でもいわく言い難い。かつて寺田寅彦が、今日コーヒーを飲むのか、紅茶を飲むのかを決めるのは、自分の意思ではなくそれまでに浴びた宇宙線の量に因るかも知れない等と書き残していたが、今回もそんな類かもしれない。

朝、人身事故のせいで上野原駅到着が5分程遅れ、無生野行きバスへの接続が危ぶまれたが、流石はこれまで坪山や松姫峠へのハイキングルートを開拓してきた富士急山梨バス上野原営業所、ちゃんと待っていてくれていた。駅前は高校生やらが群れをなしていてラッシュアワー状態だったが、結局無生野行きのバスに乗った登山客は我々6人だけだった。わざわざ梅雨明け直後の三連休に、わずか標高800m余の低山に登りたい奴などやはりいないのだ。段々自虐めいた気分になってきたのは小生だけだろうか・・・。

ともあれ神野下村のバス停に降り立ったら覚悟を決めて歩き出す。山百合が綺麗に咲いている。多少戻ったところで、松浦本にあるとおり鷲尾沢橋の手前に赤布がぶら下がっているが、見るからに急で鬱蒼とした藪に突入する心の準備ができておらず、とりあえずパスする。もっと安易な登り口がないものかと更に戻れば、次の橋を渡った左手に踏み跡があり、それは果して山の中へと続いている。しばらく進むと墓地があり、その裏手にも仕事道が続いていて、上手い具合に尾根をキャッチできそうだ。どうやら松浦本ルートの一つ東側の支尾根に入ったらしい。それにしても今日の暑さは尋常ではなく、小まめに水分補給するためほぼ30分おきに小休止する。

標高500m辺りからは道形も薄くなり且つ急勾配で、先日の鶴ヶ鳥屋山南東尾根の登りを彷彿させる。今日は、もうちょっと楽ちんのつもりだったのだが・・・。ただ、クボッチや菊丸は待ってましたという感じらしい。「こんなところばかり登っていると、そのうち遭難していることに気が付かなくなるかも」とクボッチ。なるほど、我々の末路はそういうところにあるかもしれない。みんなとの会話の中で、菊丸は倉岳山北東尾根を登ったことは覚えているのに、倉岳山そのものに登ったことを失念していた由。これも過程を充実させ過ぎる弊害なのかもしれない。

三本杉山の手前の左斜面は伐採地跡となっていて、ご多分に漏れず山椒や野バラなど棘を持った灌木がのさばっている。歩きにくいし陽射しが遮られないのでとにかく暑い。それにも増して、今日のコースは蜘蛛の巣が多く、顔中汗と蜘蛛の巣まみれでどうにも気持ちが悪い。こういう草いきれの中を歩くときは、下山後の御褒美のビールを頭に描くしかない。時折、踏み跡が右斜面の広葉樹林に入ると、思ったよりひんやりとしていて驚く。途中、眺望の利くピーク(おそらく700m圏峰)からは、道志の山々が望める。やがて三本杉山に到着。思ったより遠かった感じ。山頂では、立木に貼ったテープに「三本松山」と書いてあり、松の字が赤ペンで「杉」と訂正されていた。眺望無し。

ここから一旦下って760m圏ピークを右に巻いていくと、そのまま道形に沿って調子に乗って下って行って東に大きく逸れてしまった。下りは小まめに地図で確認しないといけない。再び760m圏ピークに登り返して更に高みを目指せばいつの間にか甚之函山に到着。山頂は植林に覆われていて特に面白みは無いが、それでも一応本日の最高点。今日はとにかく暑いのでお湯を沸かすこともなし。アヒルちゃん、菊丸から繰り出される食糧を摘まんでいるうちに、満腹となる(実はあんぱんを1つだけ持っていたのだが、結局そのまま家に持ち帰った)

さてこれからの下山ルートだが、予定ではデン笠、金ピラ山を越えて桜井峠までのつもりだったが、実はこの尾根、結構アップダウンがあり扱かれる(112参照)。この暑さではとってもそんな元気は湧いてこない。安直に大地峠から四方津に降りることとしよう。

大丸あたりは立派な林道が周囲を廻っていて、山道を分断しているが、その反面、眺めは確保されている。振り返ると甚乃函山を初めて望むことができた。あとは途中、御座ノ松跡や馬頭観音などを眺めつつ、ほぼ尾根を忠実にトレースしながら川合峠へ。川合の集落から先は舗装道路となり、四方津駅まで強烈な日光の照り返しに堪えるしかない。それも、四方津駅前で冷えたビールが待っていると思えばこその所為。ところが、線路を潜って甲州街道に上がってみると、デイリーヤマザキだけでなく、なんと酒屋も無くなっていた。ショック!もう四方津とは絶交だー! ・・・仕方なく悶々としながら電車で立川に移動し、いつもの高砂湯で汗を流す。そして今宵は久しぶりに「博多ぢどり」へ。山から下りてこんなにビールにありつけるまで待たされたのは初めてかもしれない・・・。

 

  

今回の参加者:隊長、副隊長、タマちゃん、菊丸、クボっち、アヒル
  (立川打ち上げ:アユラ氏)

今回の実働時間:4時間35分

今回の累積登高差:934
今回の踏破距離:9.7km


〜 以下クリックすると大きな写真がご覧になれます 


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【01】神野下村バス停。
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【02】今日の花、山百合。
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【03】尾根に上がったところ。とにかく今日は暑い。
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【04】まだ1時間しかたってませんが、既に汗みずく。
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【05】秋山二十六夜山ですかね。眺めが良かったのはここだけ。
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【06】シルエットになってしまった。
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【07】三本杉山。暑くって顔が真っ赤だなー。
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【08】甚乃函山到着。植林に覆われていて眺望無し。
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【09】旧大地峠の道標は甚乃函山を指示している。
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【10】新大地峠。
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【11】もうあとは下るだけ。
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【12】なんという名の花だろうか。
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【13】奥に見えるピークが甚乃函山だろう。
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【14】何ナデシコ?
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【15】"御座敷の松"と書いてあったが、たしか以前は"御座ノ松"跡だった・・・?
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【16】休んでばかりだが、今日はしようがない。
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【17】珍しい昆虫、ナナフシを発見。
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【18】今日のしめくくりはやっぱり山百合。