番外編 マンマ・ミーア!山行ご報告
その55 秩父*二子山(1166m) |
2012年7月1日(日) p120701 |
コースタイム: 西国領[5:05]〜練馬インター[5:30]〜奥秩父・股峠駐車場[7:30着/7:41発]〜股峠[7:47]〜最初のクサリ[8:10]〜西岳頂上[8:25/8:35]〜股峠[9:13]〜駐車場[9:20] 〜志賀坂峠・瀬林の漣痕(さざ波の痕)の化石と恐竜の足跡化石〜瀬林層化石発掘体験コーナー[11:10/12:15]〜中里恐竜センター[11:45/昼食・見学/13:50]〜 おがの化石館[14:20/14:45]〜ヨーバケ[14:50/15:55]〜関越自動車道〜練馬インター[18:20]\(^0^)/ |
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トレイルマップ ☆クリックすると地図が拡大します↓ |
高度記録 ☆高度記録拡大は画像をクリック↓ |
今回の参加者:クボッち、ミヤマザイマン、このちゃん 実働時間:1時間30分 累積登高差:(+)277m 踏破距離:1.6km |
今日のとっておきパノラマ写真*Tyranosaurus Rexの発掘現場標本 |
6月下旬と7月上旬は、年に1度の科学センター化石講座の時期です。私が始めたこのマニヤックな講座、毎年大人気を博していて、これがやりたいから科学センターに応募するという子どもも少なくないのです。そのためこの時期の土曜日はフルタイムで仕事になり、山には日曜に行くことにしました。本日の相棒は、クボッちとミヤマザイマン。かねてより「二子山はすっごくおもしろいから、是非行こうよ!」と、クボッちに誘われていた山でした。この山!不思議なことに両神山の地図(昭文社)には、点線のルートで記載されていますが「危」マークが一つもありません。以前は西峰にも安全に登れるよう鎖がたくさん掛けてあったそうですが、経験者の方には多すぎる鎖が興ざめで、それに対するクレームが絶えなかったらしく、わざわざ付けた鎖をすべて取り外してしまったらしいのです。それほどスリルとサスペンスの山。ミヤマザイマンにはいささか刺激が強いかと、前日までにいくつか「二子山」に関するサイトを見ておいてね、と言っていたのですが、忙しくて見る暇がなかったらしく、3番の写真のようにスタート時は余裕の笑顔でした。 さて、登山道から股峠は5分もかからず、そこからいきなりの急登が始まります。石灰岩の巨大な岩塊が立ちはだかっているな〜と思うとそこからクサリの始まり。クサリがあるものの、写真10番、11番の場所は、足がかけられるところが靴1個分、上の岩はオーバーハング。足の下は断崖絶壁なのです。ヒョエ〜〜、恐いよう〜〜!!鎖を手に絡めて後ろ向きに下り、そして背筋力を使って登るという感じ…)’0’(; キャー! 今日のように霧雨で足元が濡れている日はなおさらキケンです!! でも、実際通ってみると、ちょうど良い場所の岩がつかまりやすく足がかけやすくなっており、「危険度も楽しみのうち」と、考えて作られたコースなのだなと思いました。 股峠に無事下りてきて、東峰方向の分岐に「ゴミと命は持ち帰り」の大きな看板があり、改めて「本当にその通りだよね〜。」としみじみ納得する私たちでした。それにしても、「危」マークがある割には実際登ってみるとそうでもない山が多い一方、なぜこの二子山に「危」マークがないのか??山をなめてかかる人の事故を防ぐためにも二子山には注意書きをした方がいいのでは…!なんて思ってしまいました。 さて、今日は雨模様なのでスリルはここまで。東峰と、鎖が取り払われている西峰の先のルートはパスをして次のお楽しみ、恐竜の足跡化石見学と化石発掘現場に脚を延ばしました。瀬林の漣痕(さざ波痕の化石)の露頭は大学1年生の時の巡見で来て以来。その当時は日本で恐竜の化石はまだ発見されていなかったから、露頭をスケッチしながら「あの穴は何ですか?」と質問したのを覚えています。大学教授たちは「さあね。」といって誰も質問に答えてくれませんでしたが、その数年後に「恐竜の足跡だった」と他の学者によって発見されたのでした。もし自分がその時興味をもって調べていたら大発見だったのかも!…おしいことをしたなぁ!(笑) 恐竜の足跡化石の露頭のすぐ下には化石発掘体験コーナーがあります。同じ瀬林層の崖すい(崩れ落ちた土砂)からシジミやカキの貝化石を見つけるのです。私やクボッちはわりとすぐに見つかったけれど、なぜかミヤマザイマンがなかなか発見できず、かなり粘った末、シジミを一つゲットできました。 そこから車で10分ほどで恐竜センターに着き昼食。恐竜センターは展示がよく工夫されていて、動く恐竜ジオラマなどもあり、なかなか見ごたえがありました。ここ秩父の中生代の地層は、以前私が恐竜発掘をしに行った、モンゴル高原(ゴビ砂漠)の地層と同じ時代の地層もあるので、(白亜紀中ごろ)展示されている獣脚類の椎体(背骨からしっぽの骨)の形が懐かしくさえ思えました。 さて今日の締めくくりはもう一か所の化石発掘現場です。そこはヨーバケといって新第三紀鮮新世(1500万年ほど前)のカニやサメの歯や貝の化石がたくさんとれることで有名な場所です。あいにくの雨で水かさが増している赤平川ですが、飯能育ち川で遊んで育ったミヤマザイマンは果敢にも向こう岸に渡って発掘。いくつかよさそうな石をこちらの岸にも投げてくれて、私もハンマーで割ってみたら、マテ貝が出てきました。夢中で化石発掘に熱中したいところでしたが、川の水位はますます上がってくるのでほどほどにして引き上げることにしました。ミヤマザイマンは、向こう岸でカニを見つけ、ご満悦。びしょぬれもなんのその!帰り道で飲んだビールが旨かった〜〜! 崖と岩のスリル、そして化石発掘のワクワク。雨の日曜日がとっておきの一日になりました。車を出して付き合ってくれたクボッち、ありがとう!! |
〜 以下クリックすると大きな写真がご覧になれます 〜
【1】股峠下の駐車場を出発。
2012年07月01日 07時41分 |
【2】駐車場には6台ものクライマーの車。私たち以外全員「岩屋さん」だった。
7時41分 |
【3】さあ、行くぞ!ミヤマザイマンは余裕の笑顔。
7時42分 |
【4】駐車場から5分ほどで股峠。
7時46分 |
【5】ここが股峠。滑落事故多発と注意書きが。
7時48分 |
【6】いきなりの急登。
7時58分 |
【7】ここからクサリの始まり。
8時11分 |
【8】滑り止め手袋を使って慎重に。クサリ5〜6本ですぐ山頂だよ〜、とクボッち。
8時12分 |
【9】稜線に出てからもクサリを使ってアップダウン。
8時19分 |
【10】うひゃー、ここはどうやって下りて登ればいいんだ〜?
8時20分 |
【11】このチャン、頑張れ。ハイッ!
8時21分 |
【12】頂上に着いたよ〜!恐かったよ〜!ムンクの叫びの顔で記念撮影。
8時26分 |
【13】岩陰に咲くシモツケ。お前さん、こんなところに健気に咲いているの?思わず声をかける。
8時27分 |
【14】西岳の先。ここから先が、鎖がないナイフエッジが続き、さらに恐ろしいのよ。展望のいい時にまた来ようね。とクボッちの談。
8時30分 |
【15】ピストンだから、さっき恐かったところをもう一度通らなくてはならないっ!
8時40分 |
【16】滑ってお尻を打ったら蒙古斑だよ〜。気を付けて。
8時43分 |
【17】はぁ〜クサリはここで終わり。【7】の場所まで戻ってきたぞ。
8時52分 |
【18】「ゴミと命は持ちかえり」かぁ〜!しみじみと立て看板を見るミヤマザイマン。
9時14分 |
【19】さあ、崖の恐怖体験の次は恐竜だ〜!
9時52分 |
【20】瀬林のリップルマーク(さざ波痕の化石)と恐竜の足跡の化石の露頭。
9時56分 |
【21】竜脚類の恐竜(草食の首長竜)の足跡。
9時56分 |
【22】こちらは獣脚類(小型肉食恐竜)の足跡。
10時00分 |
【23】白亜紀前期の瀬林層の貝化石を発掘。
10時48分 |
【24】恐竜センターにて。サンチュウリュウと記念撮影。
11時45分 |
【25】T−Rexの発掘ジオラマ標本に乗ってご機嫌。
12時33分 |
【26】サンチュウリュウの胴椎骨。私が内蒙古で見つけたネーモングーサウルス(内蒙古竜)の椎体とそっくりだ。鼓の形をした脊椎骨は肉食恐竜(獣脚類)の典型なのだ。
12時36分 |
【27】ヨーバケの地層に到着。
14時56分 |
【28】ようばけの説明板。
15時09分 |
【29】ミヤマザイマンは、赤平川を渡り、向こう岸で化石発掘。
15時17分 |
【30】マテ貝、二枚貝、カニを発見、ご満悦!
15時52分 |
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