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「いぃDay!」山岳会日本支部
第306回:いぃDay!山岳会日本支部登山のご報告
2013年8月10日(土)〜12日(月)
行き先【新潟/火打山〜妙高山】
コースタイム:
高谷池ヒュッテ出発[6:04]〜茶臼岳[6:45]〜黒沢池ヒュッテ[7:05/7:10]〜大倉乗越[7:43] 〜雪渓[8:20]〜長助池分岐[8:28]〜急な登り〜休憩[8:52]〜休憩[9:25]〜妙高山頂[10:00]〜昼食〜出発[10:42]〜休憩[11:30]〜光善寺池[11:47] 〜天狗堂[11:52] 〜スカイケーブル山頂駅[13:13] 〜ケーブル〜ビール〜ホテル秀山[14:30]
ルートマップはこちら 高度記録はこちら (提供 Konochan)
〈1日目〉
狂ったような暑さが戻ってきた東京を後にして、新幹線で長野へ。信越本線に乗り換え妙高高原駅下車。スキー客でかつては賑わったのであろう駅前広場に出たが、期待したほど涼しくない。遠くの山は霞んで見えないが、天気も上々。バスで小一時間、笹ヶ峰登山口から登り始める。樹林帯の中を緩やかな傾斜の木道が続くのだが、1mの間に横に3本くらい角材が渡っていて歩幅に合わず歩きにくい。そこを副隊長がずんずん進んでいく。なんでこんなに早いんだぁ〜しばらく山行に参加しないうちにこんなペースになったのか!ゼイゼイ。汗だくだく。黒沢出合から急坂の十二曲りが始まるが、距離毎ではなく曲がり角毎に12の立て札があるので、うっかりすると次の立て札を見落とす。稜線上に出ると風が気持ち良く、一休み。ここからも岩あり、また歩きにくい木道ありの道を行く。そんなに開けていない富士見平では富士が見えると思われる方向は雲で何も見えない。ここら辺りからお花も良く見られるようになる。マンマミーアで沢山の高山植物を見てきている女性陣は花の名がどんどん出てくる。
黒沢岳山腹の巻道を行くとはじめて左前方に火打山が見えて嬉しい。花を愛で、湿原を思いながら歩く。高谷池ヒュッテ少し手前に北アルプス展望台の表示があり、張り出した岩に上がって見るが、残念、今日は見えず。まもなくヒュッテに到着。高谷池ヒュッテは三角とんがり屋根の可愛いヒュッテ。鋭角な屋根は豪雪地帯であることを物語っているのでしょう。
ここで本日の行程を終わりとするか、明日の負担を減らすために火打山まで続けて行くかしばし考える。早めに到着したので、今なら夕食になんとか間に合いそうということで、空身になってさあ、火打山に出発!(私一人、この時点でもうバテバテで、先の不安を胸に歩いたのでした。)
ヒュッテから木道を行くとすぐに高谷池があり、色とりどりのテントがアクセント。岩の台地を越えると天狗の庭と名付けられた、夢の庭園の入口に。木道両側の草地のなかに岩が点在し、ハクサンコザクラの群生や高山植物と岩石の織りなす自然の庭師さんが作った庭園にため息が出る。足元に小さなコメツガザクラも可憐。さらに進むと地塘が広がり、雪を山肌に残した火打山を水面に映し、白いワタスゲが揺れている。何これ〜こんな風景初めて!ワタスゲ可愛い、美しい!とみな歓声を上げる。ずぅーっとここに居たかったが、押せ押せの時間の中でずんずん先を急ぐ。火打山から伸びている稜線に取り付き、ハイマツやダケカンバの木の中を登って行く。みな花の名などを話しながら登っているが、私はもうバテて口がきけない。雷鳥広場に着くが雷鳥は現れず。火打山頂はいまだ遠い。もうここからの急登は、苦しいの一言。前行く人とも離れがちに…実況を終わります、ピー…。
それでも山頂に到着!!天気がもっと良ければ日本海まで見えるのだろうが、雲が多く残念でした。隣の焼山が火山の荒々しさを見せている。明日行く妙高山、その手前に外輪山、そこへ行くまでの湿地帯が見える。さあ、明日はあそこだ!と見定めて、早速下山にかかる。帰りも天狗の庭周辺では去りがたく足を止め、風景に見入る。
夕食に丁度良い時間にヒュッテに着き、前庭のテーブルでお疲れさんカンパイ!そのまま外でカレー&ハヤシライスを頂き(夕暮れの野外も思いの外寒くない)、酒宴は中の食堂で消灯まで続き(途中、お花のビデオ上映あり)、こんなに余裕のあるお布団で寝れるの幸せ〜と言いながら就寝。 (Ahiru)
〈2日目〉
朝4時過ぎにスッキリと目が覚めた。隊長お勧めの安眠サプリと、ゆったりした布団のおかげのようだ。黒谷池ヒュッテは完全予約制で、布団は一人に一枚確保されている。その布団も山小屋サイズにしては大きめ。昨夜は手足を伸ばし、気兼ねなく寝返りを打ちながら眠れた。目覚めが良いと、元気が涌いて来て、ご機嫌だ!元気一杯張り切って起きて、朝日で空や山々が真っ赤に染まるのを見ようと思ったら、太陽は雲から上がったようだ。期待した北アルプス方面、山並みは雲に覆われ、雲が微かに薄紅色に染まっただけだった。やがて、真っ青な空を背負った火打山、焼岳に陽が当たり始め、浮かび上がってきた姿は清々しく美しかった。朝食は、自分で好きな量だけ盛れる中華丼と、味噌汁。サッパリした味付けで御飯によく馴染み、食べやすく美味しかった。野菜に埋もれたウズラ卵をめぐって争奪戦があったとか、なかったとか・・・。
6時過ぎに高谷池ヒュッテを出発。良く晴れていて気持ちが良い。まもなく、外輪山の上ににょっきり妙高山のプリン頭が見えてきた。山頂標識がなければ気付かず通り過ぎそうな茶臼岳を越えると、すぐに黒沢池ヒュッテに到着。高谷池ヒュッテが三角屋根に対して、こちらは特徴的な丸屋根。ここから150m程登ると大倉乗越で、外輪山の縁までやって来た。振り返ると、昨日登った牧歌的な火打山が、微笑みながらこちらを眺めているようだ。外輪山の高さに来てやっと、妙高山がどっしりとした全容を現した。「登れるものなら登ってみろ!」と言わんばかりに、目前に立ちはだかっている。妙高山は古くは「越の中山」と呼ばれていて、その中山が「名香山(なかやま)」となった。中山とは、その土地の名山を表している。漢詩に詠み込むには具合が悪いので、音読して「みょうこうざん」となり、更に字を飾って「妙高山」となったそうだ(深田久弥、日本百名山による)。人々が大切に愛でてきた山なのだ。
そんな名山を目の前にして、このまま山頂に繋がった橋があればいいのになあ・・とぼやきが出る。そうなのだ、外輪山があるために一旦下りきってから、新たに400mを登り返さないと、妙高山頂には辿り着けないのだ・・。雪渓を恐る恐る抜けると、いよいよ延々1時間半の急登の始まりだ!覚悟して登り始めたが、効率よく登れるように道が付けられていて、案外着実に高度を稼いで行ける。
10時、妙高山頂に到着。山頂はたくさんの人で賑わっている。抜けるような青い空と、火打山、影火打山、焼山の連なりが目の前に見える。「昨日あそこまで登ったんだなあ〜」と思うと、感慨もひとしおだ。北アルプス方面には、雲の切れ間から山が1つ見えている。どこの山だろうか・・。さらに左に目を移すと、雪渓が縦一筋見えている。もし、北アルプスがずらっと並んで見えたら、さぞかし壁のように見えることだろう。雲の隙間から、得意の心の目で見ましょう〜。すぐ近くの金山、天狗原山、高妻山はよく見えている。ちょっとした高い岩があったので、一人ずつその上に登り、モデルさながらポーズを決めて、はい、パチリ。早めのお弁当を済ませ、気合いを入れて下山。下山もうんざりするほど長いよ〜〜。下りは南斜面なので日差しが暑い。こちらから登ってくる人たちはバテバテのようだ。途中鎖が連なるところを経て、延々と下って下って、下る。最後にとどめのスキー場の芝生の斜面を下ると、膝がガクガクしている。
標高1250mのスカイケーブル山頂駅に到着。妙高山頂が2446mだから、1200mも下って来たことになる。今日宿泊する赤倉温泉街を見下ろしながら、ケーブルで楽々降りてくる。箱の中でかなり蒸し暑いが・・。ケーブル料金は片道「大人の1300円」、単なる1300円じゃないよ(笑)、でも2000円位の価値はあった気がする!下界に降りた所でビールの飲めそうなお店に飛び込む。冷えた生ビールのなんと美味しいこと!生き返る〜。今日の宿泊地、ホテル秀山までほろ良い気分で15分ほど歩く。
〈3日目〉
せっかく長野まで来たんだから、観光もしよう!という声が上がり、涼しく観光が出来る所ということで、東山魁夷美術館に行くことになった。長野駅から善光寺行きのバスに乗り、まず善光寺を参拝する。本殿は、宝永四年(1707年)に火事の焼失から再建された国内有数の木造建築。国宝に指定されているだけあって、堂々として奥ゆかしい建物だ。善光寺のすぐ南側に、東山魁夷美術館がある。東山魁夷は友人と木曽路にテント旅行に行ったのがきっかけとなって、長野の景色をたくさん描いてきた。魁夷が「私の作品を育ててくれた故郷」として、長野県に作品を寄贈したことにより建設された美術館である。私は昔から東山魁夷の作品は大好きで、美術展にも唐招提寺にも足を運んでいる。個人的には、初めて観る、「パリの椅子」をテーマにした小品が良かった。本来無機質なはずの椅子が、パリの街角から「あのね・・・」と話しかけてくれるような気がした。長野と言えばやはりお蕎麦。善光寺から駅へ向かう途中の蕎麦屋「今むら」に入る。「御膳蕎麦」がこの店の名物らしい。蕎麦、蕎麦猪口、薬味など一揃いが立派な四角い箱に入っていた。蕎麦もさることながら、野菜の天麩羅も美味しかった。
新幹線に乗れば、もうあっという間に東京だ。上野駅間近で「あ〜〜、もう終わっちゃった〜」という隊長の言葉にまったく同感です!皆さま、お疲れ様でした〜。これで現実社会に戻りますが、また来年の夏合宿が楽しみですね!! (by なお)
メンバー: 隊長、副隊長、このちゃん、クマちゃん、アヒルちゃん、なおちゃん
今回の実動時間:
今回の累積登高差:
今回の踏破距離:
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