番外編  マンマ・ミーア!山行ご報告

その94
南アルプス*甲斐駒ヶ岳(2965m)〜摩利支天〜双児山(2649m)
2013年10月5日()〜6日()    p131005  
コースタイム:
1日目】
コース
:JR中央線「高尾」(甲府行き)[801]〜JR中央線「甲府」[946/1000〜(バス2000円)〜広河原[1150/(昼食)/1230]〜(バス750円)〜北沢峠 [1255/1305]北沢駒仙小屋前 [1315/(カッパ脱ぐ)/1325]〜仙水小屋[1400]1600夕食〜1900消灯

2日目】330起床〜400朝食
コース:仙水小屋[450]〜仙水峠[532/(ご来光545/550]〜1P[630/640]駒津峰 [715/730]〜六方岩・八合目[750]〜直登・巻き道分岐[758]〜2P[835]甲斐駒ケ岳[850/(食事)/930]〜摩利支天への分岐[1000]摩利支天[1015/1025]〜分岐[1040]〜直登・巻き道分岐[1055]八合目・六方岩[1058]〜駒津峰[1118/1120]〜双児山[1200]〜北沢峠[1310/1330](バス750円)〜広河原[1355/1410]〜(バス2000円)〜甲府[1605/1648](ホリデー快速ビューやまなし号)高尾[1810]〜三鷹[1839]〜新宿[1856] \(^0^)/ 
トレイルマップ
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高度記録
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今回の参加者: くまちゃん、菊丸、ひろちゃん、なおちゃん、のんちゃん、このちゃん
実働時間:6時間30分
累積登高差:(+)1356m   
踏破距離:10.9km
   
今日のとっておき写真集
*山頂や登る途中から見たパノラマ(By なおちゃん)
パノラマと山の名前解説

<1日目>
ナナカマドの赤がこんなに美しいと改めて思い知らされました。その赤さがコメツガ、シラビソの原生林の中にダケカンバの黄色と共に散りばめられた独特の錦繍。
八ヶ岳とも奥多摩とも違う、南アルプスの紅葉の美しさが瞼に焼き付く、心に残る山行でした。

甲斐駒ケ岳は、かねてより、私たちの心を捉えていたアルプスの盟主です。特に今年の正月に帯名山から「ピラミダルな甲斐駒」の美しい姿を見てしまってからは、「絶対に今年中に甲斐駒に行こう!」がマンマミーア隊の合い言葉になっていたほどでした。
当初9月の予定が台風で延期、105日6日ならば行けるというメンバーもいたのでこの日に決定。期待はふくらみました。

甲府から広河原へバス、さらに乗り換え北沢峠まで。合計2時間半。遠いなあと思いつつも、大学生の頃に戸台から延々河原を上がり胸突き八丁坂を息を切らしながら登ったのと比べれば、本当に手軽になったものです。

北沢峠から一日目は仙水小屋まで40分で到着。シラビソ、コメツガ、苔むした岩の累々とする道には、南アルプスの山深さを感じさせられました。
仙水小屋は2食付き6500円なのにクジラの刺身付き、朝は大きなシジミの味噌汁付き。心尽くしのお料理に感激しました。

<2日目

3:30起床、4時に朝食。天の川とオリオン座に見守られ、満天の星の元、リヒトを点けて4:48に出発。夜が白々としてくる頃、仙水峠に到着。
峠のケルンのもとでご来光を拝みました。甲府盆地は雲が低くたれ込め雨模様の様子。しかし我々は雲の上の人。黒々とそびえる摩利支天の右に奥秩父の山々を眺め、鳳凰三山の地蔵岳のオベリスクを確認してから、雲の上がってこないうちに先を急ぎます。

針葉樹林帯を突き抜けて差し込む朝焼けの光を浴びながら、駒津峰へ1時間半のきつい勾配を登ります。「きつい」と言っても高度を上げる度に展望がよくなり、私たちのテンションもどんどん上がります。まずは栗沢山、アサヨ峰と続く早川尾根が見えてきて、仙丈ヶ岳がカールまで覗けるように姿を現し、オベリスクの続きの鳳凰三山とその背後には富士山が見えて来ます。しかもそれらの裾模様を彩るのは錦繍のあでやかさ。何にも代え難いご褒美です。

アサヨ峰の右に間ノ岳・北岳が姿を現したと思って振り返れば、仙丈ヶ岳の右には中央アルプスが雲一つなく、さらにその右奥には、穂高・大キレット・槍から水晶岳、五竜岳など北アルプスも勢揃い。ああ、早く山頂に行きたい。駒津峰に荷物をデポしてさらに先の甲斐駒ヶ岳へ。

鞍部を進めば奇妙な形の六方石。その斜めになった割れ目をくぐり、分岐に到着。当初はここから右の「巻き道」を行く予定でしたが、私が大学1年の時に登った記憶では足のすくむような崖は無かったし、なおちゃんのネットリサーチの結果も問題ないと言うことで「直登」コースを選択。
結果として今日のような好天の日には正解でした。

直登コースは取り付き部分の大岩を右から巻くところが少しドキドキしますが、後は問題なし。どっこいしょ、どっこいしょと手足を使って岩を乗り越えたり、整備されたルートを歩いたり、変化があって楽しめました。花崗岩の真砂の道はザレているので落石を起こさないように気を付けて登ります。

私たち6人はチームワークもよく、岩場の直登の時は、天性のバランス感覚をもつなおちゃんが先頭、きつい勾配でペース配分を考えなければいけないときは、山歴30年以上のベテラン、クマちゃんが先頭…というように交代しながら行きました。なおちゃんの安定した姿は、後続のメンバーが落ち着いて登れる安心感を与えてくれるし、クマちゃんは後ろの人たちの息づかいまで測りながら一定のリズムでペース作りをするのが抜群です。おっちょこちょいで感激屋の私は、「うわぁ!」と感動するものがあると冷静さよりもそっちに気持ちが行っちゃうから、みんなの良い所を見習わなければネ!(笑)

さて、ピラミダルな稜線をなぞって直登しとうとう山頂へ。そうだ、この祠、覚えている!
頂からの360度の大展望は時を忘れるほどの気持ちよさでした。登る間隠れて見えなかった八ヶ岳と対面できたのも嬉しい。
昼食は混んでいる山頂から少しはずれた鋸岳への分岐にて。鋸岳へと続く尾根は、ミニラならぬステゴザウルスみたいな岩盤のそそり立つ痩せ尾根。パワーゾーンのツアーでとはいえ、クボッチはここを行ったんだな〜と思うと感慨もひとしおです。

さて、いつまでもこの展望を楽しみたいが、北沢峠1時半発のバスに乗車したいので、ゆっくりばかりもしていられません。名残惜しい展望を後に踵を返します。「いぃDay!山岳会」伝説のN師範がマッターホルンの足馴らしに日帰りしたという「黒戸尾根」の分岐を分け、摩利支天目指して進みます。19歳の夏の記憶の摩利支天はまるで穂高の隣の「ジャンダルム」のような印象でしたが、実際はもっとどっしりした、いかにも顔が三つあり象にまたがった「摩利支天」の名にふさわしい堂々としたピークでした。この摩利支天からの展望がまた気持ちよい。やはり、経由してよかった〜!!

北沢峠までは尾根は急勾配でしたが、道は九十九折りに整備されており、膝は疲れたけれど、心配したほどのものではありませんでした。
好天に恵まれたため、ダウンやフリースなど「持って来すぎたかしら?」という話もありましたが、いえいえ、今回はたまたま台風の去った後だったから気温が高かったが、2〜3週間先になるとエビのような霜と雪でピッケルが必要だったという話も聞くので(2年前の宮さんの話)やはり「備えあれば憂いなし」
北沢峠で余裕でビール片手にバスに乗車し、夢のような甲斐駒ヶ岳の一日を思い出してうっとりしながら帰路についたのでした。

甲府からはリーズナブルなのに速い「ホリデー快速ビューやまなし号」に乗車。山登りも帰りの足もすべて、大満足でした。(Konochan)



           〜 以下クリックすると大きな写真がご覧になれます 〜

スライドショウの開始
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<1日目>  【1】バスで奥に行くほど、素晴らしいコントラストの紅葉が目に飛び込んできました。
2013年10月05日 12時54分
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【2】北沢峠を出発。ここから40分、仙水小屋までが今日の行程です。
13時01分
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【3】苔むした岩がごろごろの道を沢に沿って登っていきます。
13時41分
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【4】仙水小屋に到着。
14時02分
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【5】小屋の前は、うわぁ〜、こんなに素晴らしい紅葉。
14時05分
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【6】これを見て飲まずにおらりょうか!
14時27分
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【7】明日、雨雲が去るようにお払いだぁ〜。
14時29分
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【8】1日目の夕食。赤いのはクジラの刺身。食後、夜7時には消灯です。
16時02分
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<第2日目> 【9】おはよう!午前3時半に起きて、4時前から朝食です。朝からシジミとあさりの味噌汁とは嬉しい。
2013年10月06日 03時58分
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【10】リヒトを点けて出発。
4時48分
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【11】黎明の仙水峠より奥秩父の山々の眺め。
5時33分
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【12】凛とした空気の夜明けです。
5時36分
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【13】オベリスクが朝日に映える。
5時44分
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【14】夜が明ける。
5時45分
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【15】言葉もなく…。
5時45分
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【16】仙水峠のケルン。
5時48分
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【17】モルゲンロートの光の中、駒津峰を目指します。
5時58分
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【18】栗沢山と尾根の紅葉。
6時06分
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【19】急登が続きますが、道は整備され、歩きやすい。
5時58分
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【20】栗沢山からアサヨ峰、ミヨシノ頭と連なる早川尾根。
6時36分
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【21】駒津峰の右手に甲斐駒ケ岳の頂上が見えてきました。
6時40分
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【22】鳳凰三山の後ろから富士山が顔を出してきます。
7時10分
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【23】北岳も顔を出してきました。
7時11分
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【24】珍しくも、中央アルプスが全部見えています。右奥は乗鞍方面。
7時11分
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【25】この急登を登りつめて…
7時11分
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【26】駒津峰に着きました。ここで荷物をデポして、甲斐駒ケ岳を目指します。
7時14分
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【27】北西方向には穂高、大キレット、槍ヶ岳。一番右の白い雪渓をもつのは水晶岳(黒岳)。
7時23分
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【28】見下ろせば山裾は見事な錦繍で彩られています。
7時44分
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【29】六方石に向かう急下降。
7時48分
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【30】あの頂が甲斐駒だっ!
7時51分
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【31】「マキ」でなく、「直登」でいくよ〜。
7時56分
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【32】岩場で高度をぐんぐん上げ、仙丈ヶ岳のカールが見えてきました。
8時43分
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【33】やった〜!頂上です。
8時51分
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【34】頂上でまず目に飛び込むのは、北岳と間ノ岳。
8時52分
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【35】地蔵岳・観音岳と富士山。
8時48分
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【36】仙丈ヶ岳。こんなすばらしい姿を見てしまうと「行かねばならぬ山」が増えます。
8時52分
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【37】頂上には祠があります。
8時52分
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【38】富士山・鳳凰三山と白峰三山。
9時01分
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【39】八ヶ岳・蓼科方面。
9時27分
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【40】.鋸岳方面。
9時28分
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【41】鋸岳へ連なる、ステゴザウルスの背中のような岩。
9時26分
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【42】いつまでも眺めていたいが、下山にかかります。
9時47分
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【43】ここは摩利支天への分岐。
9時59分
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【44】摩利支天に到着。
10時13分
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【45】摩利支天から見上げた甲斐駒ケ岳。
10時16分
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【46】雲一つなく、爽快な気分。
10時16分
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【47】仙丈ヶ岳のカール。あそこがお花でいっぱいになる季節に来ましょう。
10時18分
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【48】マッターホルンのような北岳。来年行くのはあそこだと、みんなの心を虜にしてしまいました。
10時18分
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【49】このナイフエッジを下りてきたのね、私たち。
10時23分
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【50】そして右手には急峻な黒戸尾根が。
10時25分
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【51】帰りは巻道で行きます。
10時31分
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【52】行きに登った直登の岩稜と、六方石が見えてきました。
10時45分
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【53】ざれているから慎重に。
10時46分
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【54】ふと見上げたら黄葉の隙間に北岳が。
10時49分
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【55】六方石を通ります。彼方は甲斐駒山頂。
10時58分
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【56】昼近くなって雲が上がってきました。
11時17分
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【57】荷物をデポした駒津峰に到着。
11時17分
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【58】あの双児山へ向かって下ります。
11時31分
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【59】これぞ針葉樹と混ざった南アルプスの紅葉。
11時37分
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【60】一気にリズミカルに下りてきました。
11時43分
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【61】双児山に到着。
11時59分
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【62】北沢峠に余裕で到着。おつかれさまでした〜〜!
13時09分

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