16日の土曜日は勤務だったこのちゃんと私は、のんちゃんの榧ノ木山報告文を読んで、アキレス腱伸びっぱなしのノボリ尾根と丹下堂に「これは、何としても行かなくっちゃ!」といくことで翌日17日に榧ノ木山に行くことにした。
一言でいって充実感満載の山だった。四つん這いの急登、快晴の空に映える晩秋の紅葉、ほとんど人に会わない静かな山、榧ノ木山からの鷹巣山や石尾根の展望…。
でも、まあ、これはのんちゃんの臨場感あふれる報告文を読んでいただきたい。ここでは、番外編のエピソードを3つご紹介しよう。
【その1】こっちだってバリエーションだい!
峰谷橋BSそばのベンチで出発の準備していたところ、熟年男性1名と女性3名のパーティが来た。「どちらへ?」と声を掛けると「赤指山」との答え。あまり聞いたことのない名前の山なので、「どこにある山ですか?」と聞くと、「バリエーションだからね。」とリーダとおぼしき男性の自慢げなお言葉。ふーん、こっちだってバリエーションだい、と心の中で言い返しながら、我々も出発する。
四つん這いであえぎあえぎ登った榧ノ木山山頂にて、昼食をとりながら山座同定を楽しんでいた。あれあれ、ノボリ尾根の沢をはさんで西側に見えたのが、先ほどの赤指山だ。なんと我々より、低いではないか。地図で確かめると、1332mの山だ。しかも、急登は最初だけで、あとはずっとゆるやかな登りになっている。先ほどの自慢げな言葉がよみがえってくる。急に二人とも、気が大きくなり「こっちのバリエーションの方が、上だね!」と山頂でふんぞりかえった。(なんと、我々も幼いことか…)
【その2】新しい出会い!
今日は、本当に静かな山。きっと誰にも会わないだろうと思っていたら、榧ノ木山山頂にて鷹ノ巣山方面から下りてきた男性に出会った。見ると、ずっしりと重そうなザック。カラビナやロープも装備していて、これはかなりベテランそう…。聞くと、今日は朝7時から六ツ石山に登り、鷹ノ巣山まで足を伸ばし、熱海まで下りるとのこと。かなり健脚だ。それでも、我々のノボリ尾根の四つん這いの話をすると、すごいですねーと興味を示してくる。意気投合し、榧ノ木尾根を一緒に下っていった。
聞くと、まだ山登りを初めて一年半。でも、最初の一年目に穂高、槍、北岳を走破し、初めての南アルプスは荒川三山(悪沢岳)と赤石岳に行ったと言う。今日も、トレーニングを兼ねてテントの入った18キロのザックを担いでいる。なんとまあ、すごい山へのはまりよう。我々マンマミーアの上をいくではないか…。でも、お名前は自称「パパさん」。
楽しくおしゃべりをしながら、榧ノ木尾根を下っていく。そのうち、奥多摩湖の向こう岸側に六ツ石山、そして鷹ノ巣山へと続く石尾根が目に飛び込んできた。パパさんは、今日あの六ツ石山からぐるっと回ってよく歩いてきたねーと、まるで自分たちが歩いてきたかのように、感慨もひとしお。何だか自分をほめたい気分になってしまった。
熱海BSにてパパさんとは名残惜しくお別れ。きっと、副隊長のバリエーションルートはお気に召すこと間違えなさそう。
(パパさん、これを読んでいたらぜひ、お知らせしたアドレスにお返事くださいね。)
【その3】隊長化してしまった!
あれやこれや話に花を咲かせてしまったおかげで、予定より下山が遅れ丹下堂に着いたのが15:22。このちゃんが夕方から用事があるとのことで、15:32のバスに乗ることとなった。10分でトイレを済ませ、ビール1本、さしみこんにゃくをかっこみ、熱海BSまで走った走った。バッチリ予定のバスに乗り、奥多摩駅へ。バスから降りると、ホリデー快速の座席確保とまた走る。何とか座席に座れると電車の発車までまだ10分ある。これは、大丈夫!ビールを買える!このちゃんに荷物を見てもらい、駅前のお店までまたまた走る。
このアルコール確保への執念は、まるで隊長と同じではないか…。ギョッ!とするが、無事車内で冷たいビールで乾杯。あー、幸せ!(でも、結果的に発車が遅れ、こんなに焦らなくても良かった…)
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