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! 第329回:いぃDay!山岳会日本支部登山のご報告 2014年3月15日(土) 行き先【奥多摩/御前山(1405m)】 コースタイム:
奥多摩行きの青梅線に乗ると、大きな荷物を持った登山客をたくさん見かけた。皆やる気満々、張り切っている雰囲気が漂っている。「やっと雲取山に行ける!」とワクワクしているのだろうか。当初はバリエーションでシダクラ尾根から登る予定だったが、同じ北側の栃寄林道が積雪のため通行止めになっているので、奥多摩湖畔からのごく一般ルートを、おとなしく登ることにする。鴨沢西行きのバスは満員の状態で発車したが、途中下車する人はなく、私たちが下車した奥多摩湖BSでも他に降りる人はいなかった。どうやらみんな雲取山に行くようだ。 奥多摩湖畔は静かに澄み渡り、まるで水鏡のように湖岸の山並みを映し出している。小河内ダムの横を通り、10分ほど歩いて登山道に入る。歩き始めはほとんど土が出ていて、所々に雪が残っているくらいだ。30分ほど登っていくうちに残雪が多くなってきたので、アイゼンを装着する。さらに登って行くと、足下に奥多摩湖を見下ろせる高みに出た。奥多摩湖は青々とした水を淡々と湛え、湖岸の山を取り囲む遠くの山々は雪化粧してすましている。適当に締まった雪なので、アイゼンの爪がよく効き、気持ち良く登って行ける。尾根伝いに高度を上げるにつれ、積雪が増えていく。木の周りだけ丸く雪が融け始めていて、昨年GWに行った金城山を思い出させる。まるで雪国の春のような景色が広がっていて、奥多摩にいることを一瞬忘れそうだった。 「やっとちょうどいいくらいの雪に出会えたね〜」と喜んで登って行くと、ピークに出た。奥多摩湖方面を指し示す標識に、小さく「サス沢山」と書き加えられているだけの寂しい山頂だ。奥多摩湖の眺めが美しい。さらに高度を上げると、真っ白な富士山が突然木々の合間から見えた。しばらく見ないうちに、富士山はかなり念入りに厚化粧をしたようだ。さらに進むと斜面が俄に急になるが、踏み跡がしっかり付いているので、案外楽に高度を稼いで行ける。手前の山に遮られていた雲取山がやっと見えてきた。 気温が上がってきたせいか、面白いようにがぼりまくっている副隊長の、上下に揺れる背中を追いかけて行く。(体重+荷物)が副隊長よりも軽い私は、実はほとんどがぼらず快調に歩いていた。一人楽していて、ごめんなさいね・・・。サス沢山から2時間ほどで、惣岳山頂に着いた。 惣岳山を過ぎるとやっと目指す御前山が見えてきた。登山道の両側に植生保護のためのロープが張られている。カタクリの時期には警備員が出るほどの大賑わいになるそうだ。「山頂かも!」と3回ほどピークに騙されてから、御前山頂に到着。歩き始めて4時間経っている。「最後はすいぶんしごかれたな〜」と言いながらも、雪と戯れることができて満足そうな副隊長。山頂にはかなり雪が残っているが、ありがたいことに雪の中から木のベンチが掘り出されていた。ベンチに腰掛けると、真正面(南側)に丹沢の山々が見える。丹沢の山を眺めながら、熱いラーメンを啜る。山頂から西の方角には三頭山や小金沢連嶺、北西には雲取山が見えている。 サクサク登ってきたつもりだが、雪があると案外時間が掛かるものだ。帰りは同じ道を下ることにした。下りはたとえがぼっても、流れに乗ってスムーズに進める。副隊長は名残惜しそうに敢えて雪の多い所を選んで、下って行く。結局今日の御前山では6人の人に出会ったのみ、先週と比べて静かな山歩きだった。しかも、ほどよい雪で雪歩きを充分に堪能できた一日だった。やっぱり雪のある山を歩くのは楽しいものだ!来年も適度に雪が降ってくれることを祈るばかりだ。 当初の予定より40分ほど遅いバスに乗り、16時前に奥多摩湖駅に着く。バスの運転手さんからホリデー快速の最終が16:57と教えてもらう。駅近くの玉翠荘なら間に合うだろうと行ってみるが今日は男湯のみ、とのこと。仕方ないので、ちょっと離れた「もえぎの湯」に向かうが、もう16時過ぎ。ホリデー快速に乗るにはちょっと厳しいな・・・。副隊長は「成り行きでいいよ」と優しく言ってくれたので、そのつもりでお風呂に入った。が、日頃訓練されているので、脳に「ホリデー快速16:57、ホリデー快速16:57」 としっかり刻み込まれたらしい。いや遠くアメリカから隊長の指令が飛んできたのか・・・。体が勝手に動き、無意識のうちに16:40には一人ビールを楽しんでいた副隊長の生ビールを、「一口ちょうだい!!」と言いながらゴクゴク飲んでいた(一口じゃないじゃん)。 というわけで、途中のお店で缶ビールをゲットして、無事ホリデー快速の乗客となった。どうせなら行ったことのない店に行こうと、副隊長のお店リストから立川の「横田酒場」を選ぶ。周りの人が食べている串焼きが美味しそうだったので、早速頼んでみる。薄く砕いたパン粉を付けた関西風で、美味しかった。お刺身もシコシコして美味しかった。居酒屋で酒豪のお相手をできるまでに成長したなんて、2年前の私からは想像できない〜。とまた、山行報告のはずがお酒の成長記録になっているじゃん。 (by なお) INDEXへ |