コースタイム:
JR立川駅[6:43]〜勝沼ぶどう郷[8:07]〜タクシー[8:13]〜出発(勝沼ゴルフコース近辺)[8:30]〜休憩[9:25]〜休憩[10:08]〜林道を渡る[10:30]〜大滝山頂[11:10]〜昼食〜出発[11:25]〜棚横手[11:42]〜大滝不動尊[12:32]〜タクシー[12:50]〜天空の湯[13:05/14:00]〜ぶどうの丘[14:05/14:45]〜タクシー[14:50]〜勝沼ぶどう郷駅[15:13]〜高尾駅[16:30/16:31]〜立川駅[16:48]
トレイルマップ
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高度記録
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いよいよ関東地方も梅雨入りし、今週末は確実に雨の予報だ。我が山岳会の隊長と副隊長は同じ高校の山岳部出身で、雨と聞いても眉一つ動かさない。雨のために山行を中止にする理由が見つからないのだそうだ。とは言ってもコース選びは的確に、雨でも無理なく楽しめるコースを考えてくれる。今回副隊長が選んだのは、上日川峠から日川尾根を源次郎岳まで下り、最終目的地の嵯峨塩館で汗を流すというコースだ。
さすがに雨がざんざん降る当日、電車の中に登山客の姿は見当たらない。甲斐大和駅でホームに降りると、電車に乗り込もうとしていた登山姿の男性二人組が「大菩薩に行くんですか?ここのバスは運休で、塩山駅からのバスが出ますよ。」と親切に教えてくれた(規制雨量を越えたために通行止め)。そのまま電車に戻ったが、副隊長は瞬時に様々な考えを巡らせている。バスが運休だと嵯峨塩館から帰れなくなるかもしれない、ということで、勝沼ぶどう郷駅で下車する。去年の秋にうっかり巻いて頂上を踏み損ねた大滝山(宮宕山)に登ることにした。タクシーで勝沼ゴルフコースに向かうと、運転手さんが「そこから登る人なんていませんよ。藪々かも・・」とおどかすが、「望む所です!」と受けて立つ副隊長。(本当は親切に教えてくれた、である。)タクシーを降り、鬢櫛川に架かる橋を渡ってから、「登りは地図読みよりカンを頼りに登った方が良い」と、さっさと斜面に取り付く副隊長の後を追いかける。しょっぱなからバリエーション感たっぷりの斜面をガシガシ登って行く。「わあ〜、面白い!」と思う間もなくすぐに、しっかり踏み跡の付いた登山道に出た。
しっとりと濡れそぼった雑木林が幻想的な雰囲気を醸し出している。水気をたっぷり吸った新緑が生き生きとして、一段と強い生命力が感じられる。新緑は雨でもやっぱり美しい。昭文社の地図には道も表示されていない尾根だが、時々鳥の声を聞きながら気持ち良く歩いて行く。「道が窪んでいるので、だいぶ昔からあった道だろう。人がたくさん歩かないとこうはならない。」と副隊長。ヒノキの植林帯を越え、また雑木林の中を森林浴しながら歩いて行くと、1290mの鞍部で突然林道が現れ、登山道がちょん切られていた。そして、林道も右手の土手を前にして、急に終わっちゃっている・・・。何の目的の林道なんだろう?一旦区切られたが、林道の向こう側に登山道が続いていた。
新緑のカラマツがお行儀良く並んでいて清々しい。そこを通り過ぎると、ほどなく大滝山頂に着いた。標識も何もない山頂だが、ヤマツツジの鮮やかなオレンジ色がひそやかに迎えてくれた。しっかりした登山道がずっと続いていて、地図に載っていないのが不思議なくらいだ。雨降りの日に歩くには申し分のない道だった。雨が少し強くなってきたので、昼食もそこそこに棚横手に向かう。ここは去年の秋に、ワイン祭りに行く時に通った道だ。ワイナリー目指してまっしぐらに進む副隊長の後ろ姿をついぞ見失い、必死に後を追いかけて行ったっけ。それでもパアッと視界が開けて富士山が現れたら、思わず立ち止まってしばしの写真タイムとなったっけ。季節と天気が違うと、同じ山でもこんなに趣きが異なるのか、と面白い。棚横手からの眺めはもう気持ちが良いくらいに真っ白だ。心の目で富士山を見よう。雨も強くなってきたので、最短距離の大滝不動尊に下りることにする。
登山道の途中にある大滝不動尊のお社が崩壊して、道を塞いでいた。去年の秋にはだいぶ古びていたが、一応建っていた。雪で潰れてしまったのだろう。さらに進むと、大きな水音が聞こえてきた。秋にはほとんど枯れていた滝が立派な流れとなって、大きな音をたてて流れ落ちていた。タクシーを呼んで「天空の湯」まで行く。雨のシャワーを浴びながら露天風呂に浸かると、火照った体を適度に冷やしてくれ、いつまでも沈んでいたくなる。雨の中の露天風呂もなかなか良いものだ。新たな発見だった!勝沼の街を見下ろすと、雨雲が垂れ込めて南アルプスを隠しているが、街並みはビックリするくらいクリアに見渡せる。葡萄畑の初初しい緑の中に、建物の白があちこち散りばめられている。天空の湯には何度か立ち寄っているが、見下ろした街をこんなに美しいと感じたのは初めてだった。これも新緑と雨がなせる技だったのか。
生ビールで軽く喉を潤した後、まだ時間も早いし、雨で空いているだろうと、隣の「ぶどうの丘展望ワインレストラン」に行ってみることにした。3階にあるので景色も良く、リーズナブルな値段でワインとオードブルを楽しんだ。今日は、雨だからこそ見せてくれる山の表情を充分に堪能した一日だった。しかもバス運休のお陰で、得をしたような気分である。確かに、雨は山行を中止する理由にはならない・・・ね。しかし、コースの選定は重要だろう。あの数分で最善のコースを決めてくれた副隊長に感謝である。以前に頂上を踏み損ねたことにも、意味があったのかもしれない。日川尾根も良いコースに違いないから、次の雨の機会まで楽しみに取っておこう。 (by なお)
今回の参加者:副隊長、なおちゃん
実働時間:3時間40分
累積登高差(+):
踏破距離:6.5km
☆ 雨が降ったらこんな山
☆ ぶどうの丘展望ワインレストランはこんな店
☆ 本日の打ち上げはこんな店
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