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「いぃDay!」山岳会日本支部   


第412 回:いぃDay!山岳会日本支部登山のご報告  

2015年11月21日(

行き先【中央線沿線/雛鶴峠〜棚ノ入山(1117m)〜秋山二十六夜山(917.7m)

コースタイム:

JR高尾駅[7:46](河口湖行)〜JR上野原駅[8:08/8:30](無生野行バス)〜無生野BS[9:19/9:29]〜雛鶴神社[9:34]〜登山口[9:59]〜雛鶴峠[10:11/10:14]〜日向舟[10:40]〜休憩[11:20/11:27]〜棚ノ入(サンショ平)[11:45]〜棚ノ入山[11:51]〜三日月峠[12:29]〜二十六夜山[12:40/13:14]〜下尾崎BS[14:07/14:46]〜上野原駅[15:27]〜一福食堂[15:28/16:30]〜上野原駅[16:40]〜立川駅[17:17]〜梅の湯

トレイルマップ
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今日は雛鶴姫の悲しい伝説が残る、いにしえの道を辿って秋山二十六夜山に登る計画だ。釣瓶落としのごとく日が暮れて行く、もの悲しい晩秋にぴったりのコースである。

上野原駅から無生野行きのバスに乗る人なんていないだろうと思っていたら、二十六夜山目当ての団体さんが2グループもいた。本来無生野に行くのは12人乗りのミニバスなのだが、さすが富士急山梨バス、即座に普通バスを1台増発してくれた。団体さんは下尾崎バス停で続々と降りて行った(我々が下る予定の道から登り、梁川駅まで歩くようである)。他に4人ほど乗っていたが、終点で降りようとして初めて間違ったバスに乗っていた事を知らされた(松姫峠に行く積もりが違うバスを教えられたらしい)。乗ったまま上野原駅へ引き返して行った。結局無生野バス停で降りたのは我々だけだった。

赤倉岳バス停(少し先のバス折り返し地点)に雛鶴姫伝説の碑が建てられていた。南北朝時代、足利氏に捕らえられ殺された夫(後醍醐天皇の皇子護良親王)を何とか弔いたいと、夫の首を持って鎌倉から逃げ出した雛鶴姫は、身重だった上にひもじさと疲れのため、とうとう山越えの途中で倒れてしまい、お腹の子供共々命を落としてしまった、という悲話である。

碑の所から車道を数分歩くと、鄙びてはいるがなかなか立派な神社が現れた。後にこの地を訪れた姫の第一皇子が父母の死を悼んで建てたと言われる、雛鶴神社だ。拝殿の隣には姫の像と墓もある。思わず姫を偲んでお参りをしたくなるような雰囲気を持った神社である。しばらく旧道を歩き、山道に入って10分程で姫が倒れたと謂われる雛鶴峠に着いた。黄色の紅葉で彩られた峠道は、古の面影をそのまま残しているかのようにひっそり静かである。散った落ち葉が降り積もる峠で、雛鶴姫の悲しい運命にしばし思いを馳せる。

ここから日向舟に向かうと急に傾斜がきつくなる。一登りして尾根に上がると、真っ白な富士山が山並みの上にひょっこり顔を出しているのが見えた。今日は久しぶりにすっきりした秋晴れ、富士山の右側には三ッ峠山、さらに右方に滝子山から連なる小金沢連嶺がくっきり見える。遠くには南アルプスの北岳、甲斐駒ケ岳の尖った山容も見える。ほとんど雪が付いていなくて南アルプスっぽくない。まだまだ眺めていたいが、最終バスに乗り遅れないように先を急ぐ。

昭文社の地図で実線の道の割には、突然急登になる(踏み跡はしっかりあり、標識も整備されている)。急登が終わるとほぼ平坦な尾根道になって、紅葉を愛でながら快適に歩く。と思うとまた急登、そして平らな道、また急登・・・、これを何度か繰り返して登って行く。急か平らか、潔いほどにどちらかである。雛鶴峠から1時間半程登ると、棚ノ入山に着いた。本日の最高地点である。

ここを過ぎると、今度は激しい下りとなった。下り始めると眺望が開け、御前山、大岳山(この方角から見るともやもやっとした山容で面白い)など奥多摩の山々が見えた。遥か遠くには新宿、池袋辺りの超高層ビルまでうっすらと見える。

落ち葉が降り積もっていて滑りそうになりながら、とにかく激しく下る、下る、下る。前方に見えて来た、落葉樹の赤、黄と針葉樹の緑で、パッチワークのように彩られている山が目指す二十六夜山のようである。三日月峠を過ぎると、まもなく二十六夜山山頂への分岐となり、あっという間に山頂に着いた。

山頂に着くと、団体さんはとっくに下山したらしく、途中で我々を抜いて行った若い男性が一人、昼食を摂っていた(今日山で出会ったのはこの男性一人)。広葉樹と針葉樹が交互に茂っている山頂は全く眺望がない。なぜか山頂標識の木のてっぺんが朽ち果てていて、一層の侘しさを醸し出している。バスの時間までまだ2時間もあるので、お湯を沸かしてコーヒーを飲むことにする。男性が下山する前に写真を撮ってもらった。山頂でのんびりしようと思ったが、じっとしていたら寒くなって来たので、ぼちぼち下山する。

先程の分岐まで戻り、少し先へ進むと二十六夜塔が建っていた。二十六夜山の山名の由来は、月待信仰から来ていて、旧暦7月23日の月光の中に阿弥陀、観音、勢至の三尊の姿が現れ、それを拝むという信仰だったそうだ。それが江戸時代には真夜中に月が出るのを待ちながら、飲み食いして楽しむ納涼イベントになったらしい。

バス停で待ちたくないのでゆっくり下山しようと言いながらも、歩き出すとやはりそれなりのスピードになってしまう。秋も深まり、登山道は敷き積もった落ち葉でフカフカしている。登りでも下りでも、目に付くのは黄色に色付く葉ばかりだった。カエデ類も黄色ばかり。気温が高いせいなのか、日照時間が少ないせいなのか?やはり真っ赤に色付いたのを見たいものだ。

案の定、バスの時刻40分前にバス停に着いてしまった。長閑な雰囲気の道端に座り込んでぼんやり過ごすのも、秋深まる山里では捨てたものではない。帰りのバスはミニバスが1台だけやって来た。しかも乗客は誰もいない。これがこの路線のいつもの様子なのであろう。上野原駅前にある、前から気になっていた大衆食堂の「一福食堂」に今日は入ってみた。なかなか人気のお店のようだ。

立川駅で下車し、久しぶりに梅の湯へ立ち寄った。せっかくここまで歩いて来たので、梅の湯近くの店を新規開拓しよう。今日は一日静かな山歩きを楽しめた。降り積もった落ち葉のカサカサいう音が似合う、晩秋ならではの趣きのある山行だった。  (by なお)

今回の参加者:副隊長、なおちゃん
実働時間:3時間24分
累積登高差(+)
踏破距離:km
 
☆ 打ち上げはこんな店 Check!
☆ 銭湯はこんな所  Check!
☆ 打ち上げ第二弾はこんな店 Check!


〜 以下クリックすると大きな写真がご覧になれます 〜

 スライドショウの開始

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01 赤倉岳BSにて。まずまずの天気。
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02 こんな歌碑があった。
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03 このコースには行かない。
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04 雛鶴神社。結構、立派。
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05 雛鶴姫の像。
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06 これまた長い歌。
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07 お参りを済ませる。
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08 今日はまずまずの天気。
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09 あれは倉岳山。
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10 旧道を上がっていく。
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11 所々、紅葉が残っている。
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12 日差しを透かして見る紅葉。
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13 旧道のトンネルは閉鎖されていた。
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14 なだらかな山道。
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15 高柄山方面。
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16 雛鶴峠に到着。道標はコンクリート製。
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17 峠の都留側。
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18 雛鶴姫はここを越えたのだろうか。
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19 木々越しに、高畑山。
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20 おや、富士山。
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21 富士山らしく、ようやく白くなってきた。
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22 三ツ峠山と滝子山の間には、南アルプス。
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23 これが北岳。
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24 こちらは甲斐駒ケ岳。
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25 まだ白くないので、中央線沿線の山と区別がつき難い。
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26 滝子山。
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27 手前の山は、九鬼山。
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28 下には、リニアの車両基地。
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29 手前は高丸。尾根伝いに右へ行くと高畑山。
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30 オオモミジは赤くならない。
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31 日向舟への登り。
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32 右へ行くと日向舟、ではなくここが日向舟。
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33 ここにも立派な道標。
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34 急登を振り返る。
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35 左へ行くと「雛鶴峠」ではなく、右が正解。つまり、この道標は間違い!
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36 奥多摩の山々も見えている。
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37 朝日山(赤鞍ヶ岳は誤り)へ向かう道との分岐。
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38 ここは棚ノ入山ではなく、サンショ平。
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39 あれが朝日山。
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40 本日の最高点、棚ノ入山。
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41 東京方面。高層ビル群も見えている。
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42 大岳山も、いつもの形とちょっと違う。
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43 右端の二色の山が秋山二十六夜山。
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44 これから急降下。
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45 あれは高柄山かな。
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46 これもオオモミジ。やっぱり黄色。
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47 赤いのはメグスリノキか。
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48 初めて見たタイプの道標。
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49 三日月峠。
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50 秋山二十六夜山はここから往復。
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51 ここが山頂。今日、山中で出会った唯一のご仁。
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52 たっぷり時間が出来たので野点。
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53 写真を撮ってもらった。
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54 これが二十六夜塔。前は倒れていたような・・・。
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55 バスの時間をみて、ゆっくり下る。
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56 落葉の季節。
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57 やはり黄色が殆ど。
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58 ゆっくり下っても、ほぼコースタイム通りに尾崎集落。
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59 山頂で眺望が利いたのはいつのことやら。
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60 二十三夜塔があった。
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61 下尾崎バス停、到着。バスが来るまで、まだ40分ある。
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62 おや、こんな季節でテントウムシ。
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63 この頃の無生野線のバスはちっちゃい。
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64 上野原駅前、一福食堂に初入店。
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65 久々、梅の湯。
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66 今日の締めはここ。
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67 店員さんに撮ってもらった。

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