コースタイム:
〈1日目〉JR東京駅[6:52](あさま601号)〜JR佐久平駅[8:18/8:31]〜JR小海駅[9:18/9:20]〜タクシー(5700円)〜栗生登山口[9:47]〜アイゼン装着[10:11/10:15]〜1P[10:46/10:51]〜不動の滝[10:57]〜御座山[12:47]〜昼食[12:50/13:05]〜2P・見晴台[14:06/14:10]〜林道〜タクシー(2880円)[15:50]〜相木荘[16:02]
〈2日目〉相木荘[7:59]〜タクシー(4800円)〜親沢登山口まで1.2kmの標識[8:24]〜親沢登山口[8:57]〜茂来山[9:46/10:05](アイゼン装着)〜1P[10:50/10:57]〜槙沢登山口[11:20]〜車道〜タクシー(1980円)〜JR羽黒下駅[12:30/12:52]〜JR佐久平駅[13:18/健康ランド(1000円)/14:25](あさま618号)〜大宮駅[15:30]
トレイルマップ
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高度記録
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今回は連休を利用して北相木村の旅館に泊まり、信州百名山の山2つに登ろうという計画である(一つは日本二百名山でもある)。
厚い雲に覆われた東京をあさま6号で出発する。天気予報では今日の天気は雨、さすがに登山客はほとんど見かけられない。1時間ほどで軽井沢駅に着くと、観光目当ての家族連れがぞくぞくと下車して行く。我々は一つ先の佐久平駅で小海線に乗り換える。小海駅で予約しておいたタクシーに乗り、予定通り栗生登山口へ向かう(5日前の降雪で車が上がれるか危ぶまれたが、春先の雪は融けるのも早かったようだ)。
栗生登山口から沢沿いの道を登り始めると始めは石がゴロゴロしていたが、やがてカラマツ林の中の気持ちの良い登山道となる。雪が少し積もっているのでチェーンアイゼンを装着しておく。数種類の鳥がさえずり合戦をしていて賑やかである。時々立ち止まって木の枝先に目を凝らして見る。シジュウカラ、ゴジュウカラを確認できた。再び沢沿いの石がゴロゴロした登山道を登って行くと、上方に何やら白っぽいものが見えてきた。近づいてみると一面凍結した「不動の滝」であった。落差8mほどで、なかなか見応えのある氷瀑であるが、上部も下部も氷が融け始めていて、今にも前面に倒れ掛かってきそうである。今日あたり見納めかもしれない。
さらに高度を上げて行くと、雨の予報に反して太陽が姿を見せ、薄日が射してきた。木々の合間から、モコモコっとした形の天狗山、ゴツゴツした瑞牆山、五丈岩が突き出た金峰山、斑に雪化粧した浅間山などの山々が見える。御座山山頂近くは岩っぽい細尾根となり、鎖場の上り下りがあり、融け気味の雪で滑らないように慎重に進む。鞍部から15分ほど登ると、まだ新しそうな避難小屋が現れた。窓には雨戸まで付いている。戸を開けて覗いてみると中も綺麗である。
山頂付近は岩がゴロゴロしていて、お団子のような山頂標識と小さな祠が静かに佇んでいた。360度の眺望が開けている。雨と諦めていたのに、予想以上に見通しが良くて、天狗山、男山、金峰山、両神山、妙義山、榛名山などの山々が見渡せる。明日登る予定の茂来山も見える。残念ながら八ヶ岳はほとんど雲に覆われている。風が冷たいので、少し下った所で昼食にする。
積雪があったせいか思ったよりも登りでがあり、時間もかかったので、昼食もそこそこに下山開始。周りにはシャクナゲがたくさん自生していて、6月にはさぞかし綺麗なことだろう。北斜面を下って行くと、踏み跡のない新雪が20〜30センチ積もっている。3月に入って、新雪を踏めるとは!嬉しい悲鳴であるが、急斜面と緩み始めた雪とで時々滑りながらも、細心の注意を払って下って行く。
分岐で距離の短い白岩コースを下るが、それでもだらだらとした長い道である。ようやく林道に出たが、タクシーを呼ぶ目印があるところまでゆるゆると下って行く。白岩からの入り口に雪が積もっていたため躊躇した運転手さんがようやく林道を上がって来てくれた。白岩まで歩く前にタクシーに乗せてもらい、相木荘へ向かう。
「無事到着して良かった〜。雪が積もっていたから心配していたんですよ〜。」と宿の人たちに温かく迎えられ、居間のような部屋でお茶をご馳走になる。趣のある建物が落ち着いた雰囲気でもあり、おもてなしの心が溢れていることもあり、とても居心地が良い。シャクナゲの花の頃か、カラマツの紅葉の頃にまた来てみたいと思わせる宿である。
翌朝8時にタクシーに迎えに来てもらい、茂来山登山口方面へ向かう。山の中に入り、だんだん悪路になって行くが、運転手さんが頑張って登山口まで1.2kmの標識の所まで上がってくれた。林道を30分程歩くと登山口に到着。青空の下、カラマツの中の登山道を登って行く。雪も積もっておらず、昨日の御座山に比べて穏やかな雰囲気の山である。40分程登って行くと、何か白い小片がハラハラと降って来た。雪でもないし、何だろうと思っていたら、上の方にキラキラ輝く霧氷が見えてきた。
木々の霧氷に気を取られているうちに茂来山山頂に到着。小さいが立派な祠と、霧氷が静かに我々を迎えてくれた。着いた時には靄がかかっていたが、やがて雪化粧した八ヶ岳が真っ青な空を背景にくっきり浮かび上がって来た。春のせいか、もやっとしていて遠くの山々はあまりよく見えない。八ヶ岳を眺めながら、宿で作ってもらった大きなお握りをほおばる。北西斜面を下るので、チェーンアイゼンを装着してから出発する。
尾根伝いを下っている時には雪はほとんどなかったが、槙沢登山口の方へ北斜面を下り始めたら、今日も踏み跡のない新雪がかなり積もっている。しかも急斜面である。久しぶりにストックを出す。下って行くとやせ尾根となり、登りの穏やかな雰囲気から一転してワイルドな道となる。緩んだ雪で滑りそうなので、枝につかまりながら慎重に下りる。急斜面が終わった後は、落ち葉の積もった沢沿いの道をしばらく歩く。落ち葉の下が凍っている所があり、気が抜けない。茂来山登山口から林道に出ると、怪しげな小屋が建っていた。何だろう?と思っていると、この辺りは松茸山だそうで「入山禁止」の看板が出ている。どうやら監視小屋だったようである。
別荘地を抜けて、タクシーを呼ぶ目印がありそうな道路まで歩く。タクシーで最寄駅の羽黒下駅まで行く。駅の目の前に酒屋があったそうで、副隊長が缶ビールを買ってきてくれた。こんな小さな無人駅近くに酒屋があったとはラッキーであった。長閑なホームに出て、電車を待つ間に乾杯する。絶対手に入らないと思っていたので、最高に美味しいビールであった。
佐久平駅で下車し、駅前の健康ランドに立ち寄り汗を流してから、新幹線に乗る。あっという間に大宮駅到着。『マツコの知らない世界』でポテトサラダを紹介していたお店に行ってみる予定である。
思いがけない新雪と温かいおもてなしの宿を楽しめた山行であった。山から下りてから、副隊長が「やっと、来られた・・」とつぶやいていた。行きたいと思ってから、三十年来も温めていたプランだったそうな。思い入れのある、記念すべき山行のお供をできて、誠に光栄なことである。 (by なお)
今回の参加者:副隊長、ひろちゃん、なおちゃん
実働時間:〈1日目〉5時間33分 〈2日目〉3時間48分
累積登高差(+):
踏破距離:〈1日目〉9.4km 〈2日目〉8.4km
☆ 宿泊したのはこんな宿
☆ 山から下りたらこんな所
☆ 帰りに乗ったのはこんな電車
☆ 銭湯はこんな所
☆ 風呂上りにはこんな店
☆ 次に乗ったのはこんな電車
☆ 打ち上げはこんな店
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