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「いぃDay!」山岳会日本支部   


第444 回:いぃDay!山岳会日本支部登山のご報告  

2016年7月16日()〜17日(

行き先【奥秩父/両神山(1723m)

コースタイム:

1日目〉西武池袋駅[8:05](快速急行三峰口行)〜三峰口駅[10:17/10:25]〜タクシー(5770円)〜日向大谷口[10:52/11:05]〜休憩[11:47/11:52]〜休憩[12:47/12:50]〜八海山[12:52]〜弘法之井戸[13:20]〜清滝小屋[13:35]

2日目〉清滝小屋[6:08]〜鈴が坂[6:23]〜産体尾根[6:33]〜休憩[6:38/6:43]〜横岩[6:55]〜休憩[7:15/7:18]〜剣ヶ峰[7:52/8:03]〜休憩[8:43/8:50]〜ミヨシ岩[9:05]〜休憩[9:23/9:28]〜大峠[9:47]〜梵天の頭[10:32/10:37]〜白井差峠[11:32/11:55]〜休憩[12:22/12:35]〜休憩[13:00/13:05]〜横田さん宅[13:35/13:40]〜中双里BS[13:51/14:22]〜大滝温泉遊湯館BS[14:57/16:00]〜西武秩父駅[16:51](池袋行)〜西所沢駅[16:03]

トレイルマップ
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高度記録
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<プロローグ>
 両神山は「行かねばならぬ山」の筆頭の一つだった。武川岳や武甲山など秩父の馴染みの山からはいつもよく見え、その険しい山容は一目で両神山とわかって、目に焼き付いていたからだ。個人的には両神山のすぐ隣の二子山(2012年7月1日登頂)や、その付近の地溝帯の恐竜化石山地には訪れたことがある一方、隊長・副隊長が剣ヶ峰〜東岳〜西岳を2005年6月に登頂済みのため、「いぃDay! 山岳会」ではなかなか計画されることが無かった。いつかマンマミーアで行くしかないかなと思っていた所、今回の企画。仕事が一番忙しい時期の直後だが「行く!」ととびついて、その日を迎えた。

1日目>
 登り口は、両神山ピストンでよく使われるコース、日向大谷バス停より歩き始める。まだ梅雨明け前で霧雨・小雨の中、2時間半ほどで清滝小屋に到着。

20106月から無人の避難小屋として一部開放になったそうで、かつて有人だった時のなごり(シャッターの閉まった売店の窓口や二階への階段など)を見て副隊長は感慨深そう。何十人も泊まれた大広間に泊まるのは私達だけ?何という贅沢!と喜ぶ。…その後、休憩していた単独行氏が発った後、別の単独行氏が来たが、結局その日の宿泊はこの5人だけだった。

夕食は、早茹でパスタを使って高速クッキング。ご近所からいただいた無農薬トマトをコッヘルに入れて持ってきたのでポテトサラダ、サラダ用チキンなどと並べると彩りもよく、おいしくいただけた。小屋横のテント場ではきれいな水が蛇口から出る。持参のプレミアムモルツのロング缶2本もその水で冷やしてから乾杯した。(おいしかった!)

夜は、持参のワインや日本酒を楽しむものの、電気もないので暗くなってきたら早々に寝るしかない。明日に備えて、早く寝た。「夏は着こんで寝ればシュラフカバーだけでも大丈夫」の副隊長アドバイスにより、-15℃のシュラフ(夏は0℃で十分だそう)しか持っていない私はゴアテックスのシュラフカバーしか持ってきていなかった。でも、この雨模様ではちょっと寒い気がしたので、副隊長のシュラフカバーを借りた。カバーの上にカバーをしたら、長袖で眠ってちょうどよかった。一つ一つが経験だなぁ。

2日目>
 朝ご飯の「マルタイ 棒ラーメン」(チャーシュー、ゆでたまご、穂先メンマのせ)とトマトを食べた後、清滝小屋を6時過ぎに出発。下界は曇りのようだが、私達「雲の上の人」(雲の中の人)はずっと霧の中。でも、朝日の差してくる雰囲気から見て、山の上に上がるころには雲海の上に出られるのでは、と期待して出発する。急登ではあるが、九十九折なので、それほど大変な感じはない。湿度が高いから足元が滑りやすいのが難点だが、少し危険そうなところには鎖がついているので助かる。喉が渇くため、いつもよりこまめに休憩を取り、1時間半ちょっとで剣ヶ峰に到着。期待通り雲海の上に出て、展望を楽しむ。奥秩父の山々、金峰山や笠取山、国師ヶ岳などが勢ぞろい。富士山も見えて疲れも吹き飛んだ。

最近の山行では、大抵、山頂にとどまる時間が5分以内のことが多かったが、今日は展望が良かったためもあって10分くらい楽しんだ。下山後のバスに遅れたらいけないし途中何が起こるかわからないから時間に余裕をもって行動するのは大切だが、せっかくの山登り、こうして眺めをゆっくり楽しめるのも嬉しいなぁ。今度から、好天の時は体温低下に配慮するから「あと5分眺めさせて♪」とお願いしてみよう。

さて、雲の上から雲の中へ向かって下山。今回下りに使うのは「梵天尾根」だ。この梵天尾根が思いのほか手強かった。50mから150m位のアップダウンを10個くらい繰り返した後、最後一気に800m下りきるのだ。一日の疲れがたまってきた一番最後に激しい急下降が続くのは、膝の踏ん張りが利かなくなることも多く、タフなコース。しかも今日のように湿度100%のような日は、木の根も落ち葉も苔むした岩もみんな滑るので、一瞬たりとも気を抜くことができない。下山口の中双里バス停への道標がところどころにあるが、あと何kmなのか、道標が削られ割られていて読めない。これはたぶんクマの仕業…と思ったら、前方急傾斜の下の方に小熊を発見。近くに親もいるようで、走り下りていく姿が見えた。熊はそのまま逃げていき、こちらは鈴がしっかり鳴るよう再確認してそのまま急下降で進む。私はずっと最後尾を歩いてきたが、「この先まだ400m下りなければならない」という辺りで膝が笑いそうになり、速く歩けなくなってきた。「まずい。」そこで副隊長にお願いして、二番目を歩かせてもらうことに。

「絶対に転ばない。絶対に足を踏み外さない。」と念じながら精いっぱいのリズムで集中して下りた。最後、「登山口」に飛び出した時はホッ。あとから、両神山での滑落事故がとても多いと知ったが、鎖だらけの八丁峠方面というより、むしろ梵天尾根だけ見てもそうなのがうなずける気がした。細尾根で、急下降急上昇の連続で、湿気が多い日はどこもかしこも滑りやすい長い道だから。

登山口は一般民家の隣だった。ちょうど出てきたご老人に「こんにちは。」と挨拶をしたら、「両神山へようこそ、よく来てくださいました。」みたいな感じで話しかけてくださった。「登山口に自宅があるので若いころはよく登山道の整備を手伝ったり、立て看板を直したりしたものですよ。」お話をひとしきり聞いたのち、「喉がカラカラなのですが、この近くでコンビニか、何か、ビールを売ってくれるような所はありませんかね?」と聞いてみた。すると、「ビールならあるよ。」と家の中から出してきてくれた!「ええ?そんな!いえ、すみません。まあ、ありがとございます。お金を払わせてください。」横田さんとおっしゃるその御仁に千円札を何とか受けとってもらうと、バヤリースオレンジまで出してきてくれた。なんでも町の集会でよくこの家に人が集まるので、いつもビールや飲み物が常備してあるとか。冷蔵庫で冷やしたものではなかったが、思いがけない神様のお恵みに感激。「でた〜!このちゃんの図々しさ!」という意見もあったが(by 副隊長 ^ ^;)、人間、警戒心無くこちらから心を開けば、自然と相手も心を開いてくれることが多いのよ。 ()

中双里からバスに乗り、大滝温泉遊湯館で汗を流してから西所沢に出て、おなじみの久呂無木へ。ひざの手術後のリハビリが順調というクマちゃんがここまで出向いてくれて楽しく盛り上がった。クマちゃんの早くの完全復帰を願いながら、おいしい日本酒をいただく。お酒を傾け楽しい話が弾みながら、ふと今日の横田さんとの出会い、そしてクマちゃん、副隊長、なおちゃん、ひろちゃんをはじめ人のつながりや、「縁」の不思議さを思った。

私は特別に何かの宗教を信じているわけではないが、神様かご先祖様が助けてくれたと感じるようなできことがよくある。「人に恵まれる」ことは人生で一番の幸運。今回の両神山も幸運の神様の棲むいい山と思わずにはいられなかったなぁ。 (by この)

今回の参加者:副隊長、このちゃん、ひろちゃん、なおちゃん
実働時間:〈1日目〉2時間22分 〈2日目〉6時間21分
累積登高差(+):〈1日目〉1021m 〈2日目〉1062m
踏破距離:〈1日目〉4.3km
〈2日目〉8.5km

☆ 泊まったのはこんな小屋 
☆ 山から下りたら思いがけず  
☆ 日帰り温泉はこんな所 
☆ 打ち上げはこんな店  


〜 以下クリックすると大きな写真がご覧になれます 〜

スライドショウの開始
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001 【第1日目】日向大谷BS前。
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002 缶ビールと缶ビール(大)と発泡酒が同じ料金とは?!
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003 今日のクサリ場はここだけ。
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004 ここは直進。
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005 イワタバコ。
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006 薄川の流れ。
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007 時々右岸を歩く。
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008 雨の日は緑が瑞々しい。
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009 所々にこのような石像がある。
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010 弘法之井戸。
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011 小屋はもうすぐ。
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012 清滝小屋に到着。
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013 小屋は立派だが、解放されているのは左の建物の1階部分のみ。
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014 小屋の内部。避難小屋としては破格の大きさ。
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015 このちゃん渾身の夕食。
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016 パスタは2種類。
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017 副食はセブンイレブン惣菜を活用。
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018 【第2日目】こちらの建物は、以前、食堂だったはず。
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019 朝日に照らされた小屋。今日は良い天気。
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020 結局宿泊者は我々以外、ひとりだけ。
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021 我々は奥のスペースを贅沢に使用。
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022 単独行氏は既に山頂へ出発した。
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023 朝日。
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024 我々も出発。
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025 朝もやの登山道。
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026 九十九折りなので楽だが・・・
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027 見た目以上に急斜面。
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028 「鈴が坂」というらしい。
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029 鬱蒼とした森。
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030 バイケイソウ。
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031 小尾根に上がった。
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032 向こうは天武将尾根。いつか登ってみたい。
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033 本日最初のクサリ場。
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034 今回出会ったのは小屋泊りの単独行氏と、クサリ場を登っている最中の女の子だけ。
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035 この先もクサリ場が連続。
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036 岩が濡れているといやらしい。
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037 泊りの荷物もずっしり。
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038 この階段の足場材はプラスチック。
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039 クサリ場は抜けた。
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040 この岩は横岩というらしい。
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041 岩の上にも樹が生えている。
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042 緩やかな登りになった。
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043 この辺りは杉が多い。
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044 両神神社に到着。
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045 狛犬と云うよりはやっぱり狼。
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046 おや、ベンチで寝ているのは・・・
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047 単独行氏に再会。もう山頂から下りてきたのかと思ったら、単に追いついてしまったようだ。
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048 両神山は昔、八日見山と呼ばれていたようだ。
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049 白井差からの径。
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050 奥にもう一つの社。
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051 こちらの狛犬は少々愛嬌がある。
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052 立派な彫物。
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053 再び急登。
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054 右側へトラバース。
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055 あの辺りが山頂か。
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056 山頂直下の登り。
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057 山頂到着。
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058 南側の眺め。
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059 富士山も顔を出している。
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060 山頂にいた女の子に撮ってもらった。
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061 奥秩父全景。
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062 先月登ったばかりの金峰山も良く見えている。
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063 真正面の山は破風山のようだ。
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064 富士山のすぐ左側が笠取山だろう。
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065 一番高く見えている処が国師ヶ岳(北奥千丈岳?)だろうか。
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066 撮影に大忙し。
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067 さてそろそろ出発。
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068 梵天尾根は、トラロープを潜って正面を進む。
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069 中双里まで何キロか読めない。
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070 こんなに穏やかなところもある。
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071 ここを右に行くと狩倉尾根だろう。
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072 この道標も中双里までの距離が読めない。
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073 緩やかに下る。
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074 気持ちが良いところ。
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075 ここがヒゴノタワ。
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076 正面に壁。
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077 またクサリ場。ミヨシ岩の登りにかかる。
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078 眺めが良くなってきた。
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079 また破風山が見えている。
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080 ここを登ればミヨシ岩の上。
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081 岩頭と書いてある。
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082 しんがりのこのちゃん。
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083 あの岩壁の上が両神神社の社があったところ。
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083 剣ヶ峰方向を振り返る。
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084 ミヨシ岩からの下り。
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085 濡れていて気持ちが悪い下りが続く。
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086 ほっとひと息。
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087 痩せてはいるが歩きやすい。
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088 ここは左から巻く。
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089 尾根通しに登らずラッキーだ。
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090 大峠に到着。
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091 もう緊張する処はないが。
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092 アップダウンの繰り返しが続く。
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093 このブナは堂々としている。
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094 もうすぐ梵天ノ頭か。
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095 梵天ノ頭に到着。
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096 ずいぶん立派な標識。
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097 尾根上に岩峰。
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098 これを巻くだけでも結構大変だ。
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099 またすっかりガスの中。
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100 ナツツバキの花が落ちている。
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101 おや、ベンチ。
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102 白井差峠に到着。
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103 ここで大休止。
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104 ここの道標は無残な状態。
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105 物凄く巨大なこぶが付いた樹があった。
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107 また小休止。
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108 梵天尾根を見上げる。
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109 リョウブの花が咲いている。
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110 急いでもしょうがないのでまた小休止。
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111 中双里登山口に到着。
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112 このちゃんのおかげで、横田さんにビールを分けてもらった!
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113 ありがたく頂戴します。
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114 橋の向こう側がバス停。
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115 暑くてレンズがすぐ曇る。
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116 バス停は日なたなので、木陰でバスを待つ。
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117 見上げれば秩父槍ケ岳。
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118 中双里から乗ったバスはこんなに空いていたが。
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119 川又から若者のパーティが乗って来てご覧の状態。
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120 大滝温泉で汗を流した。
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121 締めはここ、久呂無木。

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