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「いぃDay!」山岳会日本支部   

第114 回:マンマミーア山行のご報告  

2016年9月17日()〜18日(

行き先【八ヶ岳/青年小屋〜編笠山〜西岳

コースタイム:

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〈1日目〉
今回の9月の三連休はマンマミーアで編笠山〜権現岳〜キレット〜赤岳〜桜平を二泊で縦走する企画だ。参加は4人となりちょっと寂しいが、楽しもうね〜とあずさに乗車。台風の影響で秋雨前線が活発になり天気が心配だが、今日一日はもってくれそうだ。車中は3連休という事で指定席の通路にも立つ人が入ってきている。

小淵沢では予約しておいたタクシーが大繁盛で、少し待たされてから観音平に向かう。観音平はすでに標高1560m。トイレを済ませて出発。カラマツ林の道を緩やかに登り、雲海展望台で最初の休憩。残念ながら今日は展望無し。ここから50分で標高2100mの押手川分岐。休憩後、編笠山山頂へ向かったつもりが、うっかり直に青年小屋へ向かうコースに入ってしまったので、小屋に着いてから編笠山を往復する事にする。分岐を過ぎると登りがきつくなってくる。途中、南東側が開けた場所では雲海に浮かぶ富士山が見えた!今日は眺望ゼロと思っていたのでなんとも嬉しい。日向山?いや、南アルプスの端?も見える。八ヶ岳らしい木の根、岩ゴロゴロの道を進む中、チリチリチリとメボソムシクイの声を最もよく聴いた。また、ギャーという濁った声はホシガラスだとすれ違った登山者が教えてくれたが、いずれも姿を見る事は出来なかった。地図では青年小屋近くに「ヒカリゴケ」とあるのだが、よく分からなかった。最近山に行っていない私は、3時間強程の歩きにすでに疲れて「遠い飲み屋」の提灯がぶら下がる青年小屋に到着。

チェックインして荷物を軽くしてから、ゴロゴロ大岩だらけの編笠山独特の岩場を登る。なぜ南側だけこの様なゴロゴロ岩なのだろう?赤いペンキの矢印や○?印が頼りである。青年小屋からは30分程で標高2523m山頂に到着。しかし周りは白い世界。写真を撮ってすぐに下山。眼下に広がる緑と岩場と青い屋根の青年小屋、その奥には権現岳へ向かう道筋が見える風景に「お〜!」と感嘆の声が出る。

小屋まで戻ったら2時過ぎ。往復で2時間見ればよいので、西岳へ向かう。小屋裏のテン場を通って5分程の所には乙女の水という美味しい水場がある。そのため小屋では水の提供をしてくれない(但しお湯は入れてくれる)。水場を過ぎて緩やかな登り下りの道はシラビソ、コメツガ、ダケカンバ等の樹林帯の中の静かな道。根元は苔に覆われ森の妖精が出てきそう。メルヘンチック〜・・と良い気分に浸っていたら、GPSを見るとルートから北に大きく外れている。心配なので水場まで引き返してみたが他に道は無かった。西岳へ向かうこの源治新道は3年前の地図より現在は北へ膨らんでいる事が後で分かった。ここで時間切れ。今日は西岳を往復するのは止めて、水を汲んで帰ることにする。

小屋の夕食後、明日の天気予報を食堂のテレビで見ていたら、その後、小屋主である竹内敬一氏の11年前のエベレスト登山ビデオが流され、竹内さんが、一升瓶2本をどん!と置いて、みなさんに振る舞って下さった。銘柄は、「くず星」(山梨)と、「わしが國」(宮城)。嬉しい〜、これがあるから「遠い飲み屋」の提灯を下げているのだ。美味しく頂きました!ビデオ終了後は竹内さんのギター弾き語りが始まり、常連登山ガイドさんや、お客さんの演奏も加わり、久しぶりになんだかユースホステルに泊まった気分になった。

〈2日目〉
夜中は大雨だった。5時起床時にも雨が降っていた。昨日の予報からも赤岳は止めることにしていたが、さて権現岳〜天女山へ下るか、西岳〜富士見高原登山口にするか、風雨と皆の体調を考えて西岳経由と決めた。結局この日は雨が止むことなくやや強く降ったので、権現岳付近の稜線上で風雨に晒されるより樹林帯のコースを行く方が良いだろうという、このみリーダーの判断は正しかった。

西岳経由なら下山口の温泉施設の開店時間に合わせてゆっくり出発で良い。小屋の奥さんがゴリゴリ挽いてくれるコーヒーを朝食後にまったり飲みながら竹内氏のお話しを聞くことができた。竹内氏は国際山岳ガイドの資格をお持ちで、エベレストへは50歳の時に単独で行った。費用って?と聞いたら、350万円程。中国側からの方が安いとのこと。有名ガイドの中には一人頭800万円で50人も案内した人がいる。ひぇ〜(お金の話ばかりですみません) 手袋にお金を掛けなかったら(とは言っていたが、それだけ悪天候になったらしい)、凍傷になり片方の小指先を失くしてしまった。10年前には皇太子が宿泊されたが、「殿下は、登るコースにベンチが置かれたり、登山道に手が入れられるのは望んでいらっしゃらないのだ」と竹内さんは言っていた。

7時20分出発時には雨は止んでいた。西岳へ向かうメルヘンな道はたっぷりの水を含んだ緑の苔が生き生きとして、昨日より美しさを増していた。青年小屋(2380m)から緩やかな登り下りを繰り返し、樹林帯の間を1時間程歩く。西岳山頂(2398m)近くで稜線に出たとたんに風雨に晒され、帽子が後ろから煽られて飛ばされそうになる。山頂のマツムシソウとハクサンフウロに癒されてからいざ下山。

西岳直下は結構急な下りであった。雨は徐々に本降りとなってきたが、樹林帯で助かった。このちゃんのリードに黙々と付いて行ったら、コースタイム2時間の所を1時間半で不動清水まで降りることができた。不動清水からは編笠山に登る別のルートが出ていた。ここから30分、富士見高原ゴルフ場のレストハウスまで下る。左手に富士見高原スキー場を見ながら車道を10数分で、ホテル八峰苑の日帰り温泉、鹿の湯に到着。

さっぱりしてお疲れさん杯を傾けてから、ホテル前から出ているバスで15分、小淵沢駅に着いた。狭い駅の改札口は雨のせいもあるのかやたら人が多かったが、無事指定席を取る事ができ、早めの帰路に就くことができた。今回、恨めしき天候のせいで権現岳〜赤岳まで行けなかったが、またいつか今回参加出来なかったメンバーも一緒に行けたら良いな。 (by あひる)

今回の参加者:このちゃん、菊丸、ひろちゃん、アヒルちゃん
実働時間:時間分
累積登高差(+)
踏破距離:



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