コースタイム：

東武線浅草駅[6:44]（南栗橋行）⇒南栗橋駅[7:53/8:00]（急行東武日光行）⇒東武日光駅[9:16/9:22]→鳴虫山登山口[9:38/9:40]→休憩[10:16/10:20]→神ノ主山（こうのすやま）[10:28/10:32]→休憩[11:13/11:19]→鳴虫山[11:48/12:15]→合峰[12:35]→独標[13:07/13:13]→やしおの湯分岐[13:50]→やしおの湯（510円）[14:10/15:20]⇒タクシー２台（約7400円）⇒東武日光駅[15:49]⇒下今市駅[16:05]（特急きぬ138号）⇒東武線浅草駅[17:45]

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盛夏のこの時期、どこの山に行こうか、頭を悩ませるところである。少しでも涼しくて、温泉があり、駅から近くて、お財布にやさしい…。なかなか難しい。その結果なおちゃんが企画してくれたのが日光の鳴虫山。果たして…、このもくろみは大当たりであった。どのように大当たりだったのか詳しく説明していこう。

【その１．涼しい】
東武日光駅あたりで標高５４０ｍ。前線の通過で猛暑は峠を越したが、やっぱりここまで来ると駅前でも涼しい。山を登っていても風が心地よい。天気予報では雨の可能性ありとのことだったが、意外にも天気が持ち直し、午後には日差しも出るほどだったが、東京のまとわりつくような暑さはない。日光は確かに遠く、八王子のアニーは4:30に家を出たとのことだが、遠くまで来ただけの甲斐はある。

【その２．　駅から近い】
なんと駅から歩いて15分で登山口。駅からは左手前方に鳴虫山前衛の神ノ主山がすぐそばに見える。しばらく国道を進み、消防署を過ぎた信号のところで左に曲がる。橋を渡ると登山口に出る。標識が整備され道に迷うことはない。

【その３．　お財布にやさしい】
浅草から急行だと乗車券1330円。特急を使うと特急券がプラス1440円。時間にすると約40分程の違い。今回はお財布にやさしいということで、往きは特急を使わずに日光に向かった。

ただし、帰りは別！「やしおの湯」からは15時台のバスはない。歩くと1時間。汗を流しビールも飲んだ後では、とてもそんなことは考えられない。タクシーの予約をしたが、残念ながら5人乗りタクシーはどこの会社でも1台くらいしかなく出払っていて、2台頼むことになってしまった。タクシー代は１台3700円でちょっと高いが、楽しく山に登り、気持ち良く温泉に浸かってビールを美味しく呑んだ後なので、すべて良しとしよう。

それから、もう一つ学んだこと。この時間帯の特急はほぼ満席に近くなっていて、まとまって座席を取りにくいが、下今市駅で乗り換える特急きぬだと、鬼怒川温泉始発なので列車はがら空き。乗り換えるのは面倒であるが、混んでいる時期は特急きぬが狙いどころである。

【その４．鳴虫山の魅力】
思ったよりもアップダウンが多く、きつかった。特に木の根っこが横に伸びてむき出しになっているため、足もとが悪く登りにくいのはやっかいだった。でも、山頂からの下山も小さなアップダウンが続き、変化に富んでいて飽きずに歩き通せた。

また、鳴虫山の山頂は樹木におおわれていて一か所しか展望はなかったが、霧降高原や女峰山のすそ野が広がり、気持ちのよい眺めにしばし見とれる。この日は、残念ながら男体山はずっと雲の中であった。以前は木々が開けたこの辺りに、木製の展望台が設置されていたようだが、今は取り壊されていて材木の残骸があるのみ。木が生い茂る前は、もう少し展望が良かったのだろう。

それから、アカヤシオやシロヤシオの木々の多いことには、ビックリ。ツツジがトンネルのように道の両脇に連なっている所もある。トウゴクミツバツツジも多く、4月下旬から5月上旬には見頃だそうである。心の目でその様子を想像してみる。その時期は、きっと人出も多いだろうが見応えはありそう。またモミジも随分目についた。紅葉の時期もいいかもしれない。

この山名の由来をタクシーの運転手さんに教えてもらった。大正天皇が日光に静養に来られた時に、この山に雲がかかると雨が降るとのことから、大正天皇が「泣き虫山」と名付けられたそうな。それが転じて「鳴虫山」と呼ばれるようになったらしい。
（運転手さんの話のおまけ：昭和天皇が戦時中日光に疎開されていたが、その時の防空壕には赤い絨毯が敷かれていたらしい。）

こういう訳で、日光の鳴虫山はお手軽な割には魅力的な山であった。ぜひ、違う季節にまた訪れてみたい。　（by くま）