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「いぃDay!」山岳会日本支部   


第573 回:いぃDay!山岳会日本支部登山のご報告  

2020年2月1日()〜2日(

行き先【蔵王/熊野岳(1841m)

コースタイム:

1日目〉JR東京駅[6:12](つばさ121号新庄行)⇒JR山形駅[8:57/9:14]⇒山交バス(1000円)蔵王温泉バスターミナル[9:47]→ペンションBeeHive[9:58]→蔵王ロープウェイ山麓駅[10:20/11:25](往復3000円)樹氷高原駅[11:40]⇒地蔵山頂駅[12:00/12:15]→地蔵尊[12:16]→登山口[12:20]→避難小屋[13:45]→登山口[15:15/15:20]→山頂駅レストハウス[15:30]⇒樹氷高原駅山麓駅宿新左衛門の湯→宿

2日目〉宿ロープウェイ山麓駅[8:30]⇒山頂駅[9:00]→熊野岳手前の標識(引き返し地点)[11:05]→登山口[12:15]→山頂駅[12:20/レストハウス/12:45]⇒山麓駅宿[13:15/14:00]⇒タクシー⇒JR山形駅[15:46](つばさ148号)大宮駅[18:10]

トレイルマップ
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高度記録
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2020年スノーシューイング第二弾

今回はリベンジ山行である。2016113日に熊野岳登頂を試みたが、11月にもかかわらず、氷の礫の顔面攻撃を喰らい、地蔵岳までで撤退したのだった。一応防寒の準備はしていたが、目出し帽まで必要とは想像していなかった。「恐るべし、蔵王!」と身に沁みた山行であった。(前回の山行報告はこちら。)それを踏まえて、今回の再チャレンジである。

1日目〉
今日宿泊するペンションに余分な荷物を置かせてもらってから、ロープウェイ山麓駅に向かう。山麓駅には外国人観光客の長蛇の列ができていた。樹氷見物がこんなにも人気になっているとは驚いた。結局1時間以上も待たされて、ようやくロープウェイに乗り込む。どんより曇っていて視界はあまり良くないが、樹氷を見下しながら登って行く。やはり暖冬のせいで樹氷はあまり成長していない。木の幹や枝が骸骨のように見えている。

2本乗り継いで地蔵山頂駅に着いてみると、強風が吹いてガスっている。今回はちゃーんと準備してきた目出し帽、ゴーグル、ネックウォーマー、厚手の手袋、オーバー手袋などの完全防寒対策をしてから、スノーシューを履いて歩き始める。地蔵尊は予想通りほとんど全身が見えている。

しばらく樹林帯の中を登って行く。斜面を登り切った後は、だいたい等間隔に設置されているポールを目印に歩いて行く(避難小屋まで往復して来た人がポールの情報を教えてくれた)。ガスっていて辺りは真っ白。目前には真っ白な雪原が広がるばかりで、どこを歩いているのやら見当がつかない。ひたすらポールを一つ一つ辿って行く。最初は緩やかに、次に傾斜が増した斜面を下った後は緩やかに登って行く。強風のため積もった雪が舞いあがり、降る雪と一緒になって体に付着して行く。アップダウンはたいしたことないが、強風に対抗して歩くのは疲れる。聞こえるのは風のビュービューいう音のみ。しかも飲み食いなどはとても出来る状況ではない。とにかくひたすら黙々と歩き続ける。

ようやく雪にすっぽり埋もれた避難小屋が見えて来た。ここから熊野岳はあと少しのはずだが、眺望がなく、進む方向に確信が持てない。見えているポールは下っているが、山頂を目指すのに下る気になれない。仕方なくここで引き返す事にする。またもや敗退である。

副隊長はメガネが曇って裸眼の方がまだまし、という事で、一番目の良いのんちゃんに先頭をお願いする。来た道を、ポールを一つ一つクリアしながら戻って行く。ゴーグルに雪が凍り付き、前がよく見えなくなった。爪を立ててゴリゴリ掻き落とすが、なかなか落ちないので視界半分という感じで歩く。

ようやく樹林帯が見えた時には、「無事帰って来られた!」とホッとした。とにかくビールと、山頂駅にあるレストハウスに入って行くと、中にいたお客さん達が「この人達、何者なの?」という冷たい視線を投げかけて来た。皆ドン引きしている!それもそのはず、私達は付着した雪でスノーマンのようになっていた()。樹氷がどのように出来て行くのかを人体実験したようである。

なんと食堂は15時までの営業で、ビールはおあずけとなった。とりあえず下りのロープウェイに乗り込む。下りは混んでいないが、登りにはまだ沢山の観光客が乗っていて、続々山頂駅へ向かって行く。

宿に荷物を置き、お風呂道具を持って、近くの温泉「新左衛門の湯」に行く。芯から冷え切った体を熱い湯でじっくり温めた。風呂上りには・・と楽しみにしていたが、ここの食事処は休憩中、またもやビールはおあずけとなった。宿に戻り、ようやくようやく、お疲れ様ビールにありつけた(副隊長が温泉の売店でクラフトビールを買って来てくれていた、さすが!)。頑張って歩いた後、温泉で温まった体に沁み渡る極上のビールであった!

お客さんは我々だけ、夕食時には一人住まいの女将さんとの会話に花が咲いた。雅子さまが外務省入省前に、3姉妹で宿泊されたことがあるそうだ。雅子さまはその頃から大変美しく、礼儀正しく、しかも特別なオーラを纏った方であったそうだ。スキーの腕前も相当なものらしい。

2日目〉
天気予報では晴れる見通しだったので、もう一度登頂チャレンジすることにした(ウッディーさんは疲れたので温泉巡りをするとの事)。朝食を早々に済ませ、ロープウェイの始発(8:30)に間に合うように出かける。さすがにスキー、スノーボー客のみですぐに乗車できた。ロープウェイに乗っている間青空が広がり、日を浴びた樹氷が輝いて見える。今日は期待ができそうである。

ところが、山頂駅に着いてみると、やはり昨日のような強風が吹き、ガスっている。昨日と同じ完全防寒対策を施して歩き始める。ポールが頼みの綱。副隊長はポールが見えないというので、今日ものんちゃんに先頭をお願いする。薄日が時々見えて、昨日よりはやや明るい感じがするが、やはり辺りは真っ白。

避難小屋から昨日確認したポールを下ってみるが、どうも下りすぎる。GPSで確認すると間違っていたので登り返す。もう一度目を凝らしてポールを探すと、それらしきポールが見つかった。ポールを頼りにほとんど平坦な道を進む。しばらく歩くと、雪にこんもり覆われた物体が見えて来た。これが熊野岳の山頂標識か?と雪を削り落としてみるとまだ手前の指導標であった。この先には、どんなに目を凝らしてもポールが見つからない。ここで引き返すか・・と思っていた所に、先を歩いていたグループが戻って来るのに出会った。聞くところによると、この先にポールはなく、GPSを頼りに山頂まで行って来た、との事である。

我々はポールがないならば引き返す事にした。やむなく3度目も敗退である。今日はゴーグルが凍りつく程ではなかったが、一つ先のポールが見えない時もあった。我々二人が立ち止まり、のんちゃんが我々が見える範囲内まで進み、ポールを見付ける、そんなやり方でどうにか前進した。ホワイトアウトになると方向が全く分からなくなる。雪山の恐ろしさを少しだけ体験した。

樹林帯まで戻って来て、数人の人の姿が見えた時にはホッとした。山頂駅のレストハウスに入り、「ビールで乾杯!」のリベンジだけは果たす事が出来た。ウッディーさんが待っているので、急いでロープウェイで下る。樹氷より下方の樹林帯では木の枝に霧氷が付いていて、ガラス細工のように美しかった。

宿に戻り、タクシーを呼んでもらってから荷造りする。温泉巡りをしていたウッディーさんによると、下界では温泉の帰りに急に雪が降り出したそうだ。山形駅にある居酒屋で、やっと遅い昼食にありついた。

ガスで真っ白な中ポールのみを頼りに、しかも一瞬とはいえホワイトアウトするような雪山歩きは、全く初めての経験であった。完璧なる白銀世界に、飲まず食わずでガッツリ向き合ったのは、滅多に出来ない貴重な体験であった。目出し帽とゴーグルのありがたさも大いに実感した。またしても敗退・・。やはり、「恐るべし、蔵王!!」の一言である。(なお)

〈雪山の心得〉 (副隊長に教えてもらった)
 目出し帽とゴーグルは必須。(顔の一部でも出ないようにきちんと装着する、手袋をはめてからは容易に直せない)
動いていなくても寒くない程度まで着込む。(立ち止まらなければならない場面はいくらでもある)
汗をかかないようにゆっくり歩く。(分厚い手袋装備だと汗が拭けない、汗で体を冷やさない)
常に余力を残した歩き方をする。(万が一長く歩かなければならなくなった時に備える、これはどの季節も同じ)
ポールが確認できる時だけ進む。先頭は仲間が見える範囲内で前進する。(踏み跡はあてにならない)

今回の参加者:副隊長、Woodyさん、のんちゃん、なおちゃん
実働時間:〈1日目〉3時間 〈2日目〉3時間20分
累積登高差(+)
踏破距離:

☆ 山から下りたらこんな店 
☆ 日帰り温泉はこんな所 
☆ 泊まったのはこんな宿 
☆ 山から下りたらこんな店〈2日目〉 
☆ 打ち上げ第一弾はこんな店 
☆ 打ち上げ第二弾はこんな店 

〜 以下クリックすると大きな写真がご覧になれます 〜

スライドショウの開始
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01 【第1日目】山形駅前。雪は欠片もない。
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02 これが今宵の宿「ペンション・ビーハイブ」
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03 さすが雪国、入口が高い。
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04 余分な荷物をデポして着替えさせていただく。
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05 準備完了。
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06 ロープウェイ駅は行列が出来ていた。
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07 もう30分以上たったが、まだ階段の途中。
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08 ようやく次の回か。
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09 漸く乗れた。ちょうど1時間待ち。
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10 やっと山麓駅を出発。
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11 今日の空は鉛色。
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12 氷細工のような落葉松林。
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13 下の蔵王温泉街。
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14 この辺りはブナの森。
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15 2つ目のロープウェイは霜だらけ。
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16 お地蔵さんはほぼ全身が見えている。
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17 スノーシュー装着中。
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18 お地蔵さんに群がる観光客。
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19 さて出発。
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20 地蔵山への登り。
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21 時間は飛んで2時間半後。避難小屋まで行って地蔵山の麓まで戻ってきたところ。
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22 ジャケットについているのは雪というより霜。
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23 樹氷の出来は悪い。
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24 雨が降ったせいだろうか。
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25 これはなおちゃん。
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26 ここまで下れば安心。
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27 これもモンスターの赤ちゃんのようなもの。
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28 ここまで来れば、樹木があるせいで風が無い。
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29 ロープウェイ駅のすぐそばで。
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30 副隊長です。
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31 なおちゃんです。
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32 Woodyさんです。
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33 のんちゃんです。
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34 戻ってきたら、温まりに温泉へ。
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35 台湾旅行客が多い。
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36 温泉街の風景。
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37 上はやっぱりガスっている。
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38 風呂上りビール。
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39 やっと、お疲れ様。
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40 宿の食堂。
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41 今宵の夕食。
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42 女将さんに撮ってもらった。
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43 もう一枚。
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44 【第2日目】朝食。
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45 今日は昨日よりも天気が良さそう。
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46 また熊野岳をアタックしてみることに。
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47 霧氷を被った木々が光っている。
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48 ゴンドラから撮りまくる。
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49 結局、この時が一番晴れていた。
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50 下界は青空なのに・・・。
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51 山頂駅前はやっぱりガスの中。9時25分
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52 避難小屋付近。10時28分
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53 これは鳥居か?
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54 山頂までもう少しのはずだが・・・
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55 この先、目印が見当たらず断念。残念!!
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56 地蔵山山頂まで戻ってきた。
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57 ロープウェイ山頂駅に戻ってきた。
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58 ともかく無事生還!
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59 お疲れさん!
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60 米沢牛コロッケ。
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61 店の中は客で一杯。
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62 ロープウェイで下り始めると明るくなる。
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63 スキーヤー、ボーダーはあまりいない。
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64 モンスターは昨日よりも大きくなったか?
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65 下もそんなにいい天気ではないようだ。
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66 ロープウェイ乗り継ぎ。
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67 陽が射してきた。
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68 温泉街が見えてきた。
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69 あれが横倉のカベ、平均斜度38度。
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70 ブナの森が美しい。
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71 Woodyさんが待つペンション・ビーハイブに戻ってきた。
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72 山形駅前の居酒屋で一杯やった。
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73 なんだか蔵王連峰が今頃晴れてきたか?
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74 大宮のここで締めた。
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75 店員に撮っていただく。

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