〈1日目〉JR東京駅[6:30](こだま701号)⇒JR静岡駅[7:48/7:58]⇒タクシー⇒正木登山口[9::12/9:25]→P1地蔵峠[10:08/10:13]→岩岳[11:08]→P2
[11:15/11:20]→下十枚山[12:04]→P3[12:10/12:23]→十枚峠[12:38]→十枚山[13:10/13:26]→十枚峠[13:45]→水分補給[14:05]→P4
[14:30/14:35]→登山口[15:15]⇒宿の送迎⇒十枚荘温泉
〈2日目〉十枚荘温泉[6:57]⇒宿のバス⇒内船駅[7:08/7:28](特急ワイドビューふじかわ2号)⇒富士駅[8:11/8:18]⇒由比駅[8:11/8:18]⇒タクシー⇒浜石岳野外センター[8:58/9:07]→浜石岳[9:43/9:54]→1P[10:57/11:04]→2P[11:48/11:55]→山道終点[12:23]→薩埵峠展望台[12:36/12:43]→興津駅[13:45/13:53]⇒東静岡駅[14:05/天然温泉柚木の郷(日帰り入浴1100円)/15:32)⇒静岡駅[15:35/17:25](こだま736号)⇒東京駅[18:42]
トレイルマップ
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高度記録
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〈1日目〉
今回は安倍奥東山稜の十枚山に登る。副隊長は静岡県民だった45年前に登っているそうだ。
静岡駅よりタクシーに乗る。市街地は大きく、駿府城の石垣が目立つ。街を抜けると安倍川沿いの国道29号線を走る。しばらくすると川から離れて傾斜のキツい山道に入る。急斜面に茶畑が広がっている。ずいぶん高いところまで来た。茶畑が無くなると集落とワサビ田が見えてきた。ここはわさび栽培発祥の地だそうだ。
さらに高度を上げて九十九折の急斜面を重いジャンボタクシーがぐいぐいと走る。ようやく着いた地蔵峠入口は標高が1100m以上であった。マイカーが何台か路肩に駐車されている。ここで、ヒル対策のスプレーをスパッツ、靴に念入りにかけて出発する。
地蔵峠までは急登ではないが登山道の幅は狭く左手は切れ落ちている巻道があり、慎重に進む。45分ほどで地蔵峠に着いて尾根道に乗った。ここまでのところ、道は乾いておりヒルは見かけない。
さらに進むと西側に開けているところがあり、大無限山、茶臼岳、そして沢筋に薄らと雪の残っている聖岳、赤石岳が眺められた。広い尾根道は歩きやすい。大きな岩と檜の大木が重なり合い絡み合って、面白い自然の造形もあった。
岩岳を過ぎると、シロヤシオの群生が現れた。満開の枝が道に張り出している。両側の斜面にも大きな木が沢山の花を付けている。花は小ぶりだが密集して咲いていると豪華で、この時期ならではの風景だろう。
東側の木の間から富士山の中腹が見えた。山頂と裾野は雲の中であった。下十枚山が正面に見えて来て、緑の斜面にミツバツツジのピンク色が目立っている。トラロープで岩場を下降するため、すれ違いで少し渋滞した。登ってくるのは地元の方々だろう。
急坂を登ると下十枚山に到着する。眺望なしなのでそのまま通過する。その先に一面笹原の眺めのいいところがあった。天気がよくて日当たりは暑いが、大展望には申し分ない。南アルプスの山々と手前に七面山がよく見えた。笹原から急降下して下十枚峠を通過し、十枚山への登りとなる。
程なく十枚山山頂に着く。ここは眺めもよくて広い。遠く蛇行する富士川と駿河湾が霞んで見える。木々の隙間からちょっぴり富士山も。愛鷹山や目の前に篠井山も見えている。しばし眺めを楽しんで下山する。
下十枚峠へ戻り、分岐を左に折れて成島登山口を目指す。この登山道は栂尾根と言うそうで上から奥の段、上の段、下の段と道標があった。奥の段は岩ゴロゴロとした急坂で緊張して歩く。硯岩を過ぎると穏やかになり、明るい広葉樹林と植林帯の境目を下っていく。4回目の休憩は杉林の枯れ葉の積もったところだったが、「ヒルがいる!」との声で皆慌てて立ち上がり、足早に歩いて予定より30分も早く登山口に着いた。
昨夜の大雨(南部町は大雨警報)で林道の一部が土砂崩れとなり、タクシーが上まで来られないとの事で少し歩いてから乗車した。今夜、十枚荘に泊まるメンバーと別れて内船駅に向かった。(ひろ)
〈2日目〉
昨晩と同じ囲炉裏端で朝食を頂いた後、宿のバスで富士川を渡り、内船駅まで送ってもらった。今日も良い天気で、駅前の電線にはイソヒヨドリが止まって、美しい声でさえずっていた。
特急で富士駅まで行き、東海道線に乗り継ぎ、由比駅で下車してタクシーに乗る。今日は地元のイベントがあるそうで、下車した浜石野外センターは準備で賑わっていた。登山口に入る前に展望台があったので行ってみる。眼前に駿河湾が開け、その向こうに伊豆の山並みが見える。わずかに雪を残す富士山の頭も見えた。
浜石岳は標高707m。山頂に電波施設ができるまでは車道が整備されていなかったが、今は山頂まで車で行ける。そのおかげで、野外センターの登山口はすでに標高550m。植林と雑木の緑深い山道を歩く。今日は気温が高くなる予報だが晴天の下、気持ちが良い。山頂手前にはニガナの黄色い花と紫のアザミが群生していた。広く平らに開けた山頂に40分程で到着。
360度ビューの浜石岳にこんなに天気の良い日に登れて幸せだ。美しく裾野をひろげる富士山、愛鷹山、眼下には由比の町、弧を描く駿河湾、奥には伊豆の山並み。そこから更に右手には清水の町と三保の松原。後ろを向けば昨日の十枚山が連なる山並み。最奥に甲斐駒ヶ岳や北岳・・。いつまでも見飽きないが、カンカン照りが耐えられなくなり、下山を始める。
来た道を戻り、薩埵峠への分岐で、このまま由比の町へ下って今が旬の駿河湾の桜エビ料理を食べようかと少し迷ったが、やはり広重が描いた薩埵峠からの景色を見る方で皆が一致。ここからが長い道のりであった。杉の植林にもう手が入らなくなり、下草や雑木が茂る森の中を緩やかなアップダウンを繰り返して、海岸を目指して歩いた。眺望が無い樹林帯だったので、まだがまだかと気持ちが逸る。おまけに標識に表示されている所要時間が増えたり減ったりと当てにならず、ちょっと気持ちがへこむ。
下山開始から1時間半程で海の気配を感じ始め、背の高いハコネザサが茂る道を通る。あともう少しという所で立派な竹林が現れる。モノレールの軌道が走る竹林を抜けると、びわや夏みかんの畑があり、モノレールは農業用のようだ。ようやく海の向こうに富士山が見え、山頂から2時間半程でお日様の照りつける車道に出た。
やっと薩埵峠か!と思いきや、まだコンクリートの道を10分程歩いてトイレと「薩埵峠山之神遺跡」の碑が建つ所に到着。そこから更に海沿いの歩道を進んだ先に薩埵峠展望台があった。この辺りから広重は、浮世絵「東海道五十三次」の「由井」を描いたらしい。なるほど、浮世絵とおなじ構図で富士山と駿河湾が見渡せる。今は眼下にJR東海道本線、国道1号線、東名高速道路が海に張り出している。ここでスパッツを外し、休憩した。今回、昨日の十枚山に続き、ヒルがいるかもと恐れていたが、大丈夫だった。鹿がヒルを運ぶと十枚荘のご主人が言っていたが、鹿が居そうに無い樹林帯だった。
ここから興津駅を目指す。歩いてすぐに「東海道薩埵峠」の立派な碑が建っていた。暫く歩くといよいよ舗装道路に出て、カンカン照りの中を歩いた。疲れた足に舗装路はきつかった。興津駅近くにコンビニがあってラッキー。ビールやアイスで生き返った。薩埵峠展望台を出て約1時間で興津駅に到着。
今日は1日中晴天の下、大展望の山、浜石岳に登り、薩埵峠でも青空と海と富士山を堪能した山行だった。興津駅から東静岡駅に出て、駅前の日帰り温泉で汗を流し、静岡駅でお疲れさま会をして、こだまで帰途に着いた。 (あひる)
今回の参加者:副隊長、ウッディーさん、あひるちゃん、のりちゃん、なおちゃん、菊丸(日帰り)、ひろちゃん(日帰り
実働時間:〈1日目〉5時間6分 〈2日目〉4時間6分
累積登高差(+):〈1日目〉946m 〈2日目〉549m
踏破距離:〈1日目〉10km 〈2日目〉11.4km
☆ 宿泊したのはこんな宿
☆ 山から下りたらこんな店
☆ 日帰り温泉はこんな所
☆ 打ち上げ第一弾はこんな店
☆ 打ち上げ第二弾はこんな店
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