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「いぃDay!」山岳会日本支部   


第 回:マンマミーア山行のご報告  

202年8月9日()〜13日(

行き先【北アルプス/獅子岳(2714m)〜鳶山(2616m)〜越中沢岳(2591.6m)〜薬師岳(2926m)

コースタイム:

〈富山駅前に前夜泊〉JR東京駅[1724](かがやき513号金沢行)⇒JR富山駅[1935]→東横イン新幹線口2

1日目〉富山駅前[630](富山地鉄夏山バス室堂行 4800円)⇒室堂BS[910/930]⇒一ノ越山荘・トイレ休憩[1030/1040]→富山大学立山研究所・休憩[1120/11:25]→鬼岳(巻く)→休憩[1235/12:38]→獅子岳(2,714m)・休憩[1330/13:35]→ザラ峠(2348m)・休憩[1455/1505]→五色ヶ原山荘[1600]

2日目〉五色ヶ原山荘[530]→鳶山・休憩(2616m)[622/625]→休憩[720/725]→越中沢乗越[745→越中沢岳・休憩(2591m)[820/825]→休憩[930/935]→スゴノ頭[1006/10:09]→スゴ乗越[1055/1058]→スゴ乗越小屋[1200]

3日目〉スゴ乗越小屋[530]→間山(2585m)[700/705]→休憩[805/8:10]→北薬師岳・休憩(2900m)[905/910]→薬師岳・休憩(2926m)[1025/1045]→薬師岳山荘・トイレ休憩(2701m)[1145/1200]→薬師平・ケルン[1238]→薬師峠・休憩[1318/1323]→太郎平小屋[1345]

4日目〉太郎平小屋[600]→五光岩ベンチ[7:00/7:05]→休憩[800/805]→三角点ベンチ→折立[945/10:00]⇒ジャンボタクシー(24000円)⇒満天の湯[1110/1320]⇒タクシー(1390円)⇒富山駅[1337/1511or1523](はくたか568号東京行orかがやき534号上野行)

トレイルマップ
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高度記録
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1日目〉
 昨夜コンビニで買っておいた朝食を部屋で食べ、富山駅前から6時半発室堂行きのバスに乗る。東横インの朝食が6時半からなので、そうした。座席は予約の時点で指定席が確保されている。1か月前から一度に4枚まで買えるので、2人で手分けをして予約購入した。


 美女平経由でバスは一気に室堂平を目指す。海の近く富山駅(海抜9m)から室堂平(標高2420m)まで。2時間半で高度差2400mを一気に登った。気圧に慣れるため、本来なら少し休憩をはさむべきだが、五色ヶ原に早く着きたいということで、トイレを済ませて直ぐに出発した。

 一ノ越まではほとんどがダラダラした舗装遊歩道。ファミリーが運動靴で歩ける道。近隣の河原で採取したらしい長径2025pくらいの丸い石がコンクリートに埋め込まれている。花崗岩、片麻岩、安山岩、溶結凝灰岩、蛇紋岩…飛騨山脈でよく見られる岩石ばかりだ。こういう堅い遊歩道はかえって疲れる気がして、自然と皆の足が早まる。先にザラ峠の急下降が待っているからあまり飛ばし過ぎてはいけないので、声を掛け合って進む。目の前は雄山や大汝山がそそり立ち、振り返ればみくりが池、奥大日岳方面への道が見える。

 300m近くをゆるやかに登って一ノ越山荘前へ。ここでトイレ休憩。少し下ってから150m登り返して本日の標高最高点・富山大学立山研究所の前に着いた。快晴の空のもと、ここからの眺めはすばらしかった。薬師岳はもとより、笠ヶ岳、黒部五郎岳、槍穂高連峰、後立山(懐かしの針ノ木岳、スバリ岳)連峰、立山劔。すばらしいパノラマを目に焼き付けていく。

 浄土岳からの道を合わせる場所を過ぎて、そこから龍王岳方面へと進んでいく。龍王岳は2015年8に頂上を踏んだ。その時は荷物をデポし空身だったから、頂上からの大展望だけが強い印象で焼き付いているが、これほど壁のような岩山だったとは。改めて感心しながら見上げる。

 龍王岳への分岐を後にコルへ下りながら鬼岳を目指す。雪渓が遅くまで残る場所と聞いていたが、今年の異常な暑さは雪渓をほとんど溶かしてしまっていた。鬼岳の二つの角のような山頂を見ながら岩場を巻いていく。途中、斜面に一面、ハクサンイチゲやミヤマダイコンソウ等の花畑があった。

 岩のごつごつした道を登りつめ、獅子岳を越えると少し緩やかな下りになり、彼方には今日泊まる五色ヶ原山荘も見える。その先には大きな薬師岳、黒部五郎岳、水晶岳に赤牛岳、槍穂高の左手前は真砂岳に野口五郎岳、後立山連峰が大パノラマで見渡せる。間もなく真下にザラ峠が覗ける崖っぷちが現れ、そこから花崗岩がざらざらに風化した道の大下りが始まる。一瞬も気が抜けない九十九折りを、高度差300m一気に下る。一番低いコル、ザラ峠に着いた。ここの右側には立山カルデラが広がり、これから、カルデラの縁に沿うように歩き、五色ヶ原まで登り返す。半日陰のような道にはミヤマダイモンジソウが咲き、少し登り返すと間もなく木道になる。黒部湖に通じる道を左に分けて、我々は右に進み、本日の宿五色ヶ原山荘に着いた。

 五色ヶ原は水の豊かなところで、もちろん石鹸は使用できないが、お風呂に入ることができる。気持ちよく汗が流せた。個室から見る曙光も美しかった。

 〈2日目〉
 朝ご飯をしっかり食べた後、5時半に出発し、鳶岳めざして木道を進む。ここでメンバーが一人体調不良になり、私(この)と2人で室堂へ戻る決断をする。他のメンバー5名は予定通り鳶岳へ。(以下は踏破した人からの話)

鳶山をひと登りすると、正面に越中沢岳と薬師岳、その間のスゴ乗越の上に小屋の赤い屋根が見えた。振り返れば雄山、剱岳、そして箱庭のような五色ヶ原が美しく見える。剱岳に向かって、今日登っている副隊長、との〜、なおちゃんにエールを送る。

 ハイマツ帯の広い尾根を下り、しらびそ帯をなおも下ると越中沢乗越。そこからまた250m登り返して越中沢岳に着いた。本日の行程の半分まで来たのだが、実はその先、スゴ乗越までが距離は残り半分でも、アップダウンが容赦なく襲いかかる体力勝負の道だった。

 越中沢岳にからの急下りは本日一番の難所。岩だらけの道を高度差300mほど急下降する。一度スゴノ頭まで150mの急な登り返しを挟み、再び激しい岩の道を280m下ってスゴ乗越に到着した。(本日の最低標高点)

 後から知った情報では、私たちの前日に越中沢岳からの下りで滑落事故があったそうだ。幸い命に別状はなかったらしいが。

 スゴ乗越からは針葉樹の森を登っていくとテント場が現れ、さらに緩やかに登るとトドマツに囲まれた静かなスゴ乗越小屋に着いた。

3日目〉
 今日はこのルートのメインディッシュ、薬師岳を越えて行く日だ。巨大な3つのカールを抱く薬師岳はみんなの憧れだ。菊丸にとっては、悪天候などで断念した後、3度目の正直の縦走である。スゴ乗越小屋でしっかり朝食を摂り、心して出発する。

 初めは緩やか、次第に傾斜を増し森林限界を越えて砂利の急登を登り切って間山に着く。ここは二重山稜になっており、小さな池のある西側尾根との間の窪地から、赤茶けた緩やかな稜線へ出る。

やがて尾根が狭まり、西側のガレた斜面沿いに2832m峰を越え、尚も進むと北薬師岳に到着する。行く手にドカンと薬師岳、その稜線の左下に金作谷カールが望まれる。以前、ブナ立て尾根の烏帽子小屋付近から薬師岳を見た時、南稜カール、中央カール、金作谷カールの3つ揃い踏みに感動した覚えがあるが、これらの大圏谷群は国の特別天然記念物に指定されているそうで、カールの底にあふれるお花畑には足を踏み入れることはできない。

 北薬師岳からは岩稜をたどって薬師岳山頂へ向かう。頂上の祠は昨年新しく立て替えられたそうでピカピカ。中に祀られた薬師如来もピカピカだ。そこからの眺めは最高。北アルプスが全部見渡せる大パノラマだ。

 避難小屋跡から東南稜に入らないよう注意し、薬師岳山荘に着く。ここのトイレが大渋滞で時間がかかった。

 小屋を出発し薬師平へ下ると、やがて道は沢の中を下るようになる。先ほどまでは大展望だったのに急に雲があがってきた。ガスが出る前に山頂からの眺めが見られてよかったと思う。途中、沢から右岸の森林帯に入る箇所を見落とさないように注意する。(昨年、ひろちゃんと菊丸が悪天候で縦走を断念した時に、結局太郎平から薬師岳をピストンした。その時にもここが要注意と感じたそうだ。)

 樹林帯を進むと、キャンプ場のある薬師峠とその先の登り返しの木道が見えてきた。木道が高まった場所に、今朝折立から登り返してきた、このちゃんが立っているのが見えた。大声で声をかけ、手を振り、再会を喜ぶ。木道をたどり、本日の宿、太郎平小屋に着いた。ここのカウンターの生ビールが嬉しい。行者ニンニク入り「太郎ラーメン」も人気だ。だがラーメン提供は午後2時まで。チェックインを先にしたため、食堂が閉まって残念がったメンバーもいた。 

4日目〉
 最終日は太郎平から黒部五郎、鷲羽岳、水晶岳、薬師岳たちに別れを告げ、ゆっくり折立へ下る。途中、劔岳の見えるスポットでは、記念撮影。折立には、今年度有峰ハウス(折立行バスの1つ手前のバス停有峰記念館の隣にあるホテル)で働いているくまちゃんが私たちに会いに来てくれる予定。

 折立までの道は、とても歩きやすく整備されていた印象で、昭文社地図のコースタイムは3時間20分。でも下りが速めの私たちの足なら3時間で行けるだろうと思っていた。しかし、思いのほか前日までの疲れが残っていて、えぐれた場所は歩きにくく感じた。

 今回の縦走で、初日の龍王岳付近からずっと近くを歩いていた「ヤッホー少年母子」と今日も会った。抜きつ抜かれつ。オコジョを見つけたとか、SNSで知り合った友達と遭遇したとか楽しそう。しかし、くまちゃんを待たせてはいけないので、先を急ぐことにする。

 折立に着いた。出迎えてくれたくまちゃんと歓喜の再会で、今回の大縦走はめでたくゴールとなった。

くまちゃんと会えたのは偶然ではない。折立登山口にあるトイレの清掃担当に、彼女がわざわざシフトを替えて来てくれたのだ。私たちを気遣い早めに着いてピカピカに磨いたトイレ。毎回折立から登る時にここのトイレは虫やクモの巣が多く、便器の汚れも見ないようにビクビクしながら用を足したものだが、流石くまちゃん!と一同感動する。さらに嬉しかったのはくまちゃんからの冷えたビールの差し入れだ。定年退職後、自ら志願して八ヶ岳や北アルプスの山小屋でシーズン中働いているくまちゃん。彼女の生き方に共感する。

再会を喜び合った後、予約していたタクシーに乗り込み、満天の湯へ直行。さっぱり汗を流した後、同施設で昼食をいただき、富山駅へ移動。同じ列車の自由席に座り、一路大宮・東京へ。台風の接近が遅れたおかげで全日快晴という、すばらしい思い出ができた。

〈追 記〉
2
日目、私とゆうさんは、前述のように室堂へ帰ったわけだが、ザラ峠、獅子岳、鬼岳、龍王岳、そして立山研究所までの登り返しは想像以上に大変だった。だが眺めは最高。午前中は富士山も見えて、励みになった。剱岳が見えた時は「今頃、なおちゃんととの〜も、副隊長の見守りのもと、剱岳にアタックしているころだね」とエールを送った。

室堂から五色ヶ原は、基本下りの方が多く、獅子岳・鬼岳付近は通りながら「あれ? こんなに往路で下ったっけ?」と思うほどだった。

 でも、ゆうさんはよく頑張った。ザラ峠、昨日はヘロヘロで下りたのに今日は「あさイチのせいか、足が軽い」と言って登ったし、昼過ぎはだんだん足に疲れがたまってきたものの、一ノ越山荘へ向かうザラついた下りでは、「昨日のザラ峠の下りに比べたら、こんなのサラサラって感じ♪」などと冗談も。一ノ越までずっとストックなしで踏破した。

 途中、扇沢から針ノ木峠、ザラ峠を越え、むかし道をたどってきたという健脚のお兄さんに抜かされながら、戦国時代の富山城主、佐々成政のサラサラ越えの伝説に思いを馳せた(そのエピソードについては、後でひろちゃんとも大いに盛り上がった)。

 五色ヶ原を体調調整の休息の後、830分に出発したが、室堂には15時に着いた。そこからバスで美女平まで下り、ケーブルカー(7分)で電鉄立山駅。ゆうさんはそのまま電鉄富山に出て富山駅から新幹線、私は、立山駅の先の有峰口駅で下車、タクシーで有峰ハウスへ。室堂に戻ると決めた6時過ぎ、立山駅から折立に戻る方法を考えた。その日のうちに太郎平まで上がるのは無理そうだ。そこで有峰ハウスに問い合わせたら空きがあったので、そこに泊まることにしたのだ。くまちゃんと会えるし、棚からぼた餅のラッキーな気分。

 その日、休暇日で薬師岳をピストンで登ってきた健脚くまちゃんと再会、一緒にお風呂まで入れた。有峰ハウスは、山小屋ではなく家族連れ用のホテルかコテージのような場所。飛び入り客の私にも夕食に美味しいカレーを提供してくれた。

 翌日(3日目)は、もし可能なら「薬師岳までピストンできたら」と欲が出ていた。

富山駅発折立行のバスに756分「有峰記念館前BS」からひと区間乗車、810分に折立に着き、即、登り始めた。ゆっくり休めたので足は軽く、コースタイム5時間10分の所を4時間で登った。しかし、五光岩ベンチに着くころから、みるみるうちにガスが薬師岳周辺を覆う。これではせっかく登っても、何も見えなそうだ。そう思うと朝はアドレナリン全開だったのに、だんだん気持ちが萎えてくる。

 小屋が見えて「やった!着いたぞ」と思ったとたん、目に飛び込んできたのはヱビスの生ビール! うう、これは…!
 結局、早朝の鼻息荒い気分はすっ飛んでしまって、太郎ラーメン+生ビールでまったりとしてしまった。
 一人だけチェックインはできなかったので、空身で薬師岳方面へみんなを迎えに行くことに。キャンプ地へ下る前の木道の高みは電波が通じたのでLINEの送信もできた。しばらくすると、向こうの下り坂を5人が下りてくるのが見えた。手を振ったら、みんなも大声で「このちゃ〜ん!」と呼び手を振り、喜びの合流となった。

 今年もいい夏だった、と今も思い出を振り返っている。(この)

今回の参加者:
実働時間:時間分
累積登高差(+)
踏破距離:


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