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「いぃDay!」山岳会日本支部   


第745 回:いぃDay!山岳会日本支部登山のご報告  

2023年10月20日(金)~21日(

行き先【南アルプス/入笠山(1955m)~釜無山(2116.7m)

コースタイム:

〈第1日目〉JR新宿駅[700](特急あずさ1)⇒小淵沢駅[853/902](普通松本行)⇒富士見駅[910/915]⇒タクシー(6,900)⇒ヒュッテ入笠(荷物デポ)[945/10:00]→入笠山[1030/10:35]→大阿原湿原入口[1056]→P1[11:12/11:16]→分岐[11:44]→車道から登山道へ入る[11:47]→P2[12:05/12:09]→釜無山[1238/12:45]→P3分岐地点[1316/13:19]→ゲート[13:20]→(先の分岐を右手に上がる)→程久保山[13:48]→大阿原湿原入口[1406]→見晴台[14:27/14:35]→お花畑に入る[14:3]→ヒュッテ入笠[1442]()

〈第2日目〉ヒュッテ入笠[815]→ゴンドラ山頂駅[8:45/8:50]⇒ゴンドラ山麓駅[9:00/9:30]⇒タクシー(3900円)富士見駅[9:35/9:53](甲府行)甲府駅[10:41]→そば処「きり」・甲府駅前でもう一軒甲府駅[14:30]

トレイルマップ
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高度記録
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 今日は居酒屋風に酒と食事が楽しめる「ヒュッテ入笠」に泊まりに来た。一律に食事が出るのでなく、メニューからつまみや料理を注文できる夕餉とは嬉しい。但しこれは平日限定。だから今回は金曜日からの計画になったという訳。

さて、目当てとする山は釜無山だ。20222月に新雪のため行程の半分ほどで折り返してきた山行のリベンジも兼ねている。

 出発は本日の宿、旧マナスル山荘改め「ヒュッテ入笠(ヒュッテNew CASA)」から。午後から天気が下り坂ということで予定を繰り上げ、富士見駅からタクシーで直行した。10月末だが紅葉の進みは今ひとつ。

 荷物をデポし、お花畑を左手に見て、まずは入笠山を目指す。ゆうさんは初めて登る入笠山にわくわくしている様子。30分で山頂に着き、八ヶ岳や甲斐駒ヶ岳などの勇ましい景色を楽しむ。夏に歩いた早川尾根方面も見える。諏訪湖や奥秩父方面も。強い風の中、雪除けBOXから取り出した山頂標を持って、副隊長に写真を撮ってもらった。

その後、私と副隊長は大河原湿原目指して下りて行き、ゆうさんは来た道を戻る。今日を楽しみにしていた彼女は、1週間前に腰を痛めたにもかかわらず、頑張ってここまで来た。釜無山の藪漕ぎ道は腰によくないということで、大河原湿原まで下の道路で往復したゆうさん。でもルリタテハなどの可愛い蝶々に会えたことなど、たくさん収穫があってよかった。

副隊長と私はタッタカタ〜と入笠山を下り、20分ほどで大河原湿原へ。今年は夏の暑さが長引いたせいか紅葉はまばら。色づき始めた落葉松にとろろ昆布のようなサルオガセが目立つ。落葉松の落葉がハラハラと降ってくる。大好きな光景だ。入笠山の頂上もそうだったが、この地域は風が一方向に強く吹くのか、旗状樹(片側だけ旗のように枝葉が伸びている木)になっている落葉松が見られる。

2年前の2月は新雪のラッセルが大変で、湿原の少し先で引き返してきた。雪のない今は舗装道路に落葉松の葉がところどころ吹き溜まっているだけで、散歩気分だ。大きくカーブした見晴らしのいい場所に出た。八ヶ岳が気持ちよく見渡せる。その近くに分岐があり、車道を離れて登山道に入っていく。グイグイ急斜面を登る。周りは笹原で道に沿って整備してくれているのはいいのだが、刈り込んだ幅が広すぎて、笹の茎をつかんで登ることができない。刈ってその場に打ち捨てられた笹の急斜面は滑って踏ん張りが効きにくい。今日一番の難所だった。

15分ほど急登と格闘した後、やっと急坂は終わり、「釜無山」の立派な標識が現れた。そこからほぼ平らだが、笹ぼうぼうの道を山頂方面目指して掻き分けて行く。初めのうち熊笹の丈は高く、久々の両手を使う藪漕ぎだとワクワクした。ピンクのテープがほど良い間隔でついているので、迷うことはない。まもなく笹の丈は人の背丈よりも低くなる。足元は見えないままだが、激しい段差や石、倒木は少ない。腰を低く、足首は鋭角でつま先をなるべく上げるようにガニ股で歩く。無造作に歩いて、つま先に障害物が当たるとつまずいて転ぶが、当たった場所が土踏まずだと踏ん張ってやり過ごすことができる。副隊長のスピードに遅れないように、しかも重心を落として転ばずに歩くこと30分。開けた笹原の中にひょこっと「釜無山頂」という、目印が出てきた。

笹とそれを取り囲む落葉松と、青い空と。色なき風が通り過ぎてゆく静寂の山。でも手作りの丁寧な赤い山頂標示もあり、「ひとかどの山」なんだという雰囲気は漂っている。

帰りは来た道を一気に下る。行きは藪を掻き分けるだけで必死だったが、帰りながら周りを眺めると尾根沿いに大きな石英閃緑岩の岩がいくつも転がっており、どれも苔むしていた。「釜無山→」の入口標識からは、先ほどの「幅広刈り込み急斜面」でなく、左手に踏み跡が見えたのでそちらを辿る。ほどなく車道に出た。

八ヶ岳がよく見えるカーブの先にゲートがあり、その数十m先の分岐から「こっちに寄り道してみよう」と、右手の坂を上がっていくことにした。間もなく「程久保山」に到着。「〇〇山と名のついた山には、一応登ってみないとね」と副隊長が言った。「うん、うん」と思う。ゴンドラも山頂へ続く舗装道路も無かった時代、いにしえの人々は釜無川からここまでどんな思いで登ってきたのだろうか。

程久保山を過ぎてからは砂利道を進み、途中で舗装道路に変わった後、大河原湿原が再び現れた。入笠山山頂には寄らず、お花畑への近道を上る。

 見晴台では富士山が見えた。八ヶ岳は頂上に雲が被ってきてパラパラと小雨が降ってきたと思ったその時、「虹だ!」、副隊長が気づいた。八ヶ岳を背景に広がるお花畑の上に赤、橙、黄、緑、青、藍、紫! 「こんなにはっきり七色が見える虹は珍しいね」。結局、午後が雨という予報は遅くにずれて、歩いている間は傘もカッパも要らなかった。

 夕食はお楽しみの「居酒屋風ヒュッテ」。ゆうさんが前から食べてみたかった「ビーフシチュー」も堪能できたし、美味しいお酒とお料理に舌鼓を打った。(副隊長のブログを楽しみに)

 翌朝、できればご来光を見たい!と早起きし、たくさん着込んで入笠山山頂まで登ったが、残念、空がモルゲンロートに紅く染まることもなく、早々に引き上げた。朝食後、815分にヒュッテに別れを告げ、ゴンドラ利用で下山した。

甲府駅では蕎麦処でビールと日本酒、洋風創作料理の店でワインを楽しみ、あずさ号で帰路に着いた。

中央本線の車窓から南アルプスが見え始める時、副隊長が右手に「あれが釜無山だよ」と一見地味に見える高みを教えてくれた。その尾根はずっとずうっと繋がり、鋸岳と甲斐駒ヶ岳まで一本に続いていた。そう言えば諏訪湖を通っている糸魚川静岡構造線の大断層はその一帯、釜無川という名前だ。釜無川の「釜無」を冠に抱く「釜無山」。今は訪れる人も少なく、踏み跡が埋もれそうなこの山に会えたことが、夏の終わりの余韻のようにいつまでも心に残っている。(この)

今回の参加者:副隊長、このちゃん、ゆうさん
実働時間:時間分
累積登高差(+):659m
踏破距離:13.6km


~ 以下クリックすると大きな写真がご覧になれます ~


スライドショウの開始
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001 【第1日目】小淵沢駅から望む釜無山。.
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002 小淵沢駅から望む甲斐駒ヶ岳。.
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003 ヒュッテ入笠に荷物をデポ。10時.
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004 先ずは入笠山に登る。.
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005 所々色付いている。.
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006 振り返ると八ヶ岳。.
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007 入笠山に到着。10時28分.
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008 左に富士山、右に甲斐駒ヶ岳、中央は鳳凰三山。.
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009 諏訪湖。.
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010 北側のパノラマ。.
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011 南側のパノラマ。.
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012 奥秩父連山。.
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013 やはり一番目立つのは八ヶ岳。.
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014 風が強い。.
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015 大阿原湿原。10時56分.
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016 パノラマで湿原。.
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017 湿原の草紅葉はこれで最盛期かな。.
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018 奥の落葉松林の紅葉はもうちょっと先だろう。.
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019 とても静かな湿原でした。.
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020 車道をさらに南へ。.
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021 サルオガセが目立つ。.
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022 2年前の到達点は越えた。.
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023 眺めが良いところに出た。.
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024 くっきりすっきり八ヶ岳。.
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025 蓼科山までズラリと見える。.
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026 ここで林道を外れる。.
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027 いつの間にか笹原の急登に導かれる。.
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028 道標に出た。こちらが本来のルートらしい。.
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029 ちょっとひと汗かきました。.
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030 ここからは深い笹原。.
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031 笹原と落葉松林とサルオガセの世界。.
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032 笹の背丈は人よりも低い。.
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033 踏跡は分かりにくい。.
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034 そのうち踏跡は笹薮に飲み込まれるだろう。.
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035 ここだけはちょっと岩っぽい。.
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036 山頂はもう直ぐのはず。.
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037 あの辺りか?.
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038 釜無山に到着。12時38分.
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039 赤い標識もあった。.
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040 眺望はこの程度。.
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041 証拠写真。.
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042 もう一枚。.
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043 さて、戻ろう。.
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044 笹薮を泳ぐ。.
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045 ここまで来ると笹が刈られている。.
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046 往路とは違う径。.
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047 同じ道に出た。.
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048 このゲートを通過するのが面倒。13時19分.
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049 ちょっと寄り道。.
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050 程久保山に到着。13時38分.
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051 名前が付いたピークは素通りできない。.
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052 大半が林道歩き。.
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053 八ヶ岳展望台に寄り道。14時26分.
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054 ここからは富士山も見える。.
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055 良く見ると虹が懸っている。.
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056 かなりクッキリ色鮮やか。.
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057 ここにもパラパラ雨が降ってきた。.
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058 七色見えてますか?.
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059 この時期のお花畑はこんな状態。.
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060 ヒュッテ入笠に戻ってきた。14時42分.
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061 では、いただきます。.
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062 モンベルのヒュッテ入笠オリジナルTシャツ。.
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063 今宵の宿泊は我々3人だけだそうです。.
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064 部屋にはコンセントがいっぱいある。.
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065 これも合わせると6個もある。.
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066 外の風雨を眺めつつ。.
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067 夕食はクラフトビール(ペッカリービール)でスタート。.
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068 野沢菜の新芽だそうです。.
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069 アボカドクリームチーズキムチ和え。.
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070 おつまみ盛り合わせサラダ仕立て。.
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071 自家製塩釜ローストポーク。.
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072 アスリートピザ、ピスタチオ。.
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073 カモシカシードル。.
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074 牛カツ。.
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075 湯豆腐。.
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076 ビーフシチュー。.
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077 【第2日目】入笠山山頂で、星空もご来光も拝めず。5時25分.
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078 朝食。.
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079 ヒュッテ入笠の番犬、アジ。.
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080 犬小屋の貼紙には「かみます」とあったが全然そんなことはない。.
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081 人懐っこいアジでした。.
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082 入笠湿原。こちらの方がイイ感じの色。.
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083 富士見スキー場。前線通過から回復が遅れている感じ。.
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084 でも段々ガスが上がって・・・.
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085 編笠山が見えてきた。.
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086 ハイカーだけでなく、マウンテンバイクの連中がいっぱいやって来ていた。.
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087 中央線の車窓から入笠山を望む。.
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088 ランチは甲府で途中下車してここに入った。.
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089 店の前から甲斐駒ヶ岳が見える。.
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090 童謡?.
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091 お疲れ様でした。.
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092 サッポロ赤星。.
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093 わさび漬けがうれしい。.
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094 桜海老かき揚げを塩でいただく。.
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095 山梨や長野の蕎麦屋の定番。.
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096 天ぷら盛り合わせ。.
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097 しらす冷奴。.
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098 あじ刺しだってあります。.
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099 せいろ。.
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100 おろしそば。.
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101 腹いっぱいになりました。.
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102 ここで・・・.
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103 ワインと白州ハイボールをいただいた。.
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104 立川のここに引っかかった。.

〈全天球画像〉入笠山山頂にて / 大阿原湿原にて / 釜無山山頂にて / ヒュッテ入笠にて / 入笠湿原にて

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